動詞の基本変化
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男性名詞の変化

 

古典ギリシャ語 入門講座 第2課 動詞の変化その1)  

どうし         バーブ     ブイ       

1)ギリシャ語で行動を現すときに「動詞」(英語の動詞=Verbを略してVの記号で表す)を使います。辞書は記号を使いますので知っておくと便利です。

ごび  にんしょう たんすう ふくすう         

2)ギリシャ語の動詞の特徴は言葉の最後(語尾)が人称、単数と複数などで変化します。

単数(記号→s)   双数(記号→dual) 複数( 記号→pl)     

1人称 (記号→1p) 私が→・・ω            我らが→・・ομεν   

2人称 (記号→2p) 汝が→・・ειs  ・・ετον  汝らが→・・ετε   

 3人称 (記号→3p) 彼が→・・ει   ・・ετον  彼らが→・・ουσι

(ν)・ギリシャ語では今している動作にのみ「現在形」を使います。

ごかん    ごび             

・ほどく(解く)と言う動詞λυω(λυを語幹、ωを語尾と言います。)は以下のように変化します。

発 声         日本語の意味       

 原形    λυω     ルオー(リュオー)←・辞書(レキシコン)はこの形で見ます。

1人称単数 λυω     ルオー         わたしはとく。

2人称単数 λυειs   ルエイス        あなたはとく。

3人称単数 λυει    ルエイ         かれはとく。

2人称双数 λυετον  ルエトン        あなた(双数)はとく。

3人称双数 λυετον  ルエトン        かれ(双数)はとく。

1人称複数 λυομεν  ルオメン        わたしたちはとく。

2人称複数 λυετε   ルエテ         あなたがたはとく。

3人称複数 λυουσιν ルウ−ズイン      かれらはとく。

(この最後のνはつけてもつけなくてもよい、可動νと言い音便で付加脱落する)  

 同じように変化する動詞で普段よく使われる言葉は下記のとおりです。

( )の中の数字は新約聖書の中に出てくる回数です。

λεγω   (2329回) 私は言う                     

γινωσκω (223回) 私は知る                     

γραφω   (245回) 私は書く                    

 λαμβανω (263回) 私は取る

宿題→☆今週は毎日1回このれらの単語の変化を全部ギリシャ語で書いてください。

☆必ず目で見ながら、声に出して、意味を考えながら書いてください。     

・参考の為に

☆ギリシャ語が難しいとすればこの動詞の変化だけです。過去や未来、命令などや、受動態、分詞等を含めると全ての動詞が1000近くの語形変化をします。その基本が今日の変化です。

☆徹底的になれてください。変化した動詞から語幹と変化が見つけ出せればギリシャ語は実に簡単に読むことが出来ます。

・動詞には人称(1,2,3)と数(単双複)の他に態(能動、受動、中)法(直接、接続、命令、希求)時制(現在、未完了、未来、不定過去、完了、大完了)分詞(5格、3性、3数)で変化します。即ち1つの動詞が人称、数、態、法、時、          1 ×3 ×3×3×4×6=648

また動詞は分詞形になり性(男女中)数(単双複)態(能受中)時制(現、不過、完了)            3   × 3  × 3   × 3         に格変化(主格、属格、与格、対格)                ×4  =324       合計972

通りの形を持つ可能性が有ります。しかし、実際に使われるのは僅かの部分です。 

 全ての変化を覚えるより良く使用されるものを暗記するほうが簡単です。

☆新約ギリシャ語では双数(デュアル)は用いられず、複数で代用される。

(従って、新約聖書だけを学ぶ人は双数を記憶する必要はない。  

双数→二つでセットの物(名詞)例→(目)οφθαμοs→οφθαλμω    

 動詞→2人称双数λυετον→λυετε

          3人称双数λυετον→λυουσιν

参考・現代ギリシャ語を志す方のために。

現代ギリシャ語は押し並べて簡略化の傾向が顕著です。動詞の変化では     

 1p,s→・ω   現代→同   1p,pl →・ωμεν   現代→・ουμε    

 2p,s→・ειs 現代→同   2p,pl →・ειτε   現代→・ετε     

 3p,s→・ει  現代→同   3p,pl →・ουσιν  現代→・ουν     

 となります。又発音も簡略化されています。

現代ギリシャ語の発音の特徴。

→古代の二重母音(αι,ει等)や長母音(υ、η、ω等)は現代では全て単母音(α、ι、ε等)に移行しています。複雑なのは多くがスペルはそのままで発音だけを読み変える事です。(例→存在を表すειναι→エイ−ナ−イを現代では短くイネと発音するが決してινεとは書かない。)  

 ・さらに、語頭の長母音に付けられる気息符も発音されません。(例→太陽を意味する ηλιοsヘェーリオスはそのままの綴りでイリオス)       

・当然アルフアベットの読み方そのものも短く変質し、γはガマ、ηはイタ

θはシタ、μはミ、νはニ、χはヒ、其ばかりではなくδはゼルタと読み替え音価はZになります。またλ、β、ρ、の発音に濁音化が起きています。    ・アクセントも古代は日本語と同じであった高低アクセントが現代では強弱アクセントに移行してしまいました。

・これらの最大の原因は1453年のトルコ帝国によるコンスタンチノープの陥落とその後400年にわたる支配です。更に1982年にEC統合に向けた国語政策では3種類のアクセント記号を1種類に統合する政令が発布されました。今後更にギリシャ語は簡略化しょうとしています。

ギリシャ語の発音について。                           

・ギリシャ語の発音に関しては3種類の立場があります。

・古典的立場→14世紀の末に登場した大学者エラスムスの流れをくむ発音  

・古代ギリシャ語の発音を当時そのままに発音する事を目的とした

・現代的立場→現在用いられているギリシャ語の発音をそのまま古代に当てはめ発音する。

・古代とはかなりかけ離れているが現代のギリシャ語との相関が良い。                          

 ・折衷的立場→コイネーグリークは両者の中間として簡略化した発音を行う。

☆発音上の記号の意味

1)アクセント

・ギリシャ語の単語の上につく記号に二種類あります。

アクセントには ,,,の三種類。                 

それぞれ鋭アクセント、鈍アクセント、曲アクセント      

 といいます。コイネーグリークのアクセントと古代ギリシャ語のアクセントは同じ意味時です。これらは現代ギリシャ語や英語のような強弱アクセントではなく日本語と同じ高低アクセントです。これらのアクセントの正確な発音は不明ですが、この部分で読む速さを変えることがわかっています。即ち、古代のギリシャ語のアクセントは朗読の速さと声の高さを変化させていたのです。

2)気息符号

・気息符「 ’」「‘ 」は語頭の母音(α、ε、ο、υ、η等につけられます

小文字の場合はその語頭の母音の上に。大文字の時はその前に記します。

軟気息符’は現在では意味不明ですが古代ギリシャ語では単語と単語の間隔が無かったので前の語との区切りの意味があったと思われています。

硬気息符‘は母音にhの音を添加し以下のように発音します。     

 ‘+α=ha‘+ε=he‘+ο=ho‘+υ=hu‘+η=he‘+ω=ho(現代ギリシャ語に気息符は有りません。)

3)下書きι(イオータ)
下書きιについて。古典ギリシャ語やコイネーギリシャ語ではωηのように長母音のιι
下にιを記す事があります。これはギリシャ語の古代の発音のなのごりです

。これらは只そのような習慣と考えて発音の必要はありません。但しこのなのごりが現代ギリシャ語では長母音を全てイと発音する習慣として残っています。

λεγω   (2329回) 私は言う