2000年2月28日(月)

< 海の上のピアノ弾き >

原題 “THE LEGEND OF 1900”
1900と言うのは、この映画の主人公の名前だ。
豪華客船のダンスホールのピアノの上に置き去りにされた赤ん坊が黒人機関士ダニーに拾われ、船の中の機関室で育てられる。それが1900年の始まりの時だったからと、ナインティーン・ハンドレッドと名付けられたのだ。

この大西洋の上で生まれ、生涯一度も船をおりたことがないというピアニストの伝説を描いた、美しく悲しい物語。

巨匠エンリコ・モリコ−ネの音楽は、「天才ピアニストの独創的な音楽」という難題をクリアした数々の美しい作品を聞かせてくれて、ピアノ音楽を充分楽しむ事ができた。

一番楽しめたのは、嵐にあって船が大揺れの中、ピアノのストッパーを外して、揺れに任せて広いホ−ルの中を流されつつ、優雅にピアノを弾く姿。これは印象的だった。。

それにしても、あの最悪の環境、機関室で音楽と無縁で育った子供がドーシテ突然あんなすばらしい音楽を奏でる事ができるのか・・・この疑問は残る。。

原作は、イタリアの作家アレッサンドロ・バリッコ のベストセラー『海の上のピアニスト』(白水社刊)。
一人芝居の戯曲形式で、ミラノ他で舞台化されて200回以上も上演されたものだそうだ。

ピアニスト  : ティム・ロイ
親友マックス : ブルート・ティラー・ヴィンス
監督     : ジュゼッペ・トルナトーレ