2000年3月29日(水)

< 笑うカイチュウ >

テニスクラブで、西村さんが「スッゴク面白いわよ〜」と貸して下さった。藤田紘一郎(東京医科歯科大学医学部教授)著「寄生虫博士奮闘記」。

寄生虫をこよなく愛し、ウンコに愛着を持つこの博士のお話はホントに面白い。そしてタメになる。しかし愛猫ナーのこぼれたウンコを手で触ってはいけない事も知った。以下知っておいた方が良い事を、抜粋して書かせて頂く。

・インドネシアでは、生卵にはいろいろなウイルスや最近が混入しているので食べてはいけない。

・有機栽培野菜によってカイチュウが復活し増えている。自然食品を食す家庭では、子供の激しい腹痛には寄生虫も疑うべき。

・寄生虫に感染すると花粉症やアトピ−性皮膚炎などアレルギ−病にかからない。

・マスやサケなどを生食するとコウセツレットウジョウチュウ(サナダ虫)にかかるが、この虫はヒトの体内で1日10センチも成長し、3ヶ月で10メートルにもなる!

・ 寄生生活では運動、感覚、消化と言った基本的な営みはしなくてよいので、これらの器官は退化し、生殖器官だけを異常に発達させて来た。

カイチュウの体内は、ほとんど全部が生殖器官で満たされ、1匹のメス虫は1日に20万個と言う多量の卵を、約2年間毎日産みつづけている!

・イヌ・ネコカイチュウに感染すると、肝臓が腫れたり、肺炎を起こしたり、失明を起こす危険が有り、砂場の砂から幼児に感染し易い。

・アライグマのカイチュウがヒトに感染すると、髄膜脳炎など恐ろしい病気になる。

・愛くるしいキタキツネから感染するエキノコックス症は、死亡率の高い悪性の寄生虫病である。

・どじょうの踊り食い・ライギョの刺身・ヘビの生き血のワイン割り・ナメクジの丸のみなど「ゲテモノ食い」は、恐ろしい寄生虫に感染する。

・ イカ刺し、締めサバ、アジ・タラ・ニシン・カツオ・のどの刺身についてる寄生虫のアニサキスは激しい腹痛をひき起こす。

ナドナド、現在カイチュウを知らない医師が増えた結果、腸閉塞や腸穿孔、胃潰瘍等と間違われて回復手術をされる例が多いそうだ。

詰まる所、「寄生虫は、本来棲むべき宿主の体内にいれば、その宿主に致命傷を与えるような事は滅多にしない。しかるに、間違ってヒトの体内への侵入を許してしまったのは、侵入して来た寄生虫よりも、其れを許した人間(生の野菜を洗わなかったり、グルメと称してゲテモノを食べたり・・)の方に罪がある」と寄生虫学者は考えるのだ。