姫さんのお部屋

2000年5月27日(土)

< 姫 さん >

「センセ−、ヒメデス!!」
「アラ〜、久しぶり! 元気にしてる〜?」
「何回もお電話したけどいつもお留守で・・・」
「ごめん、ごめん、ずっと忙しくてね〜」
「わたし、赤ちゃんできました。今何にも食べられません。」
「ヒャー、おめでとう! よかったネ〜〜赤ちゃんできて・・でも、何も食べないのは良くないわね。 よし、元気づけにおしゃべりに行きましょう。」
ということで、六甲のお家まで花束抱えてイソイソ出かけた。

姫さんは、私のフラワ−教室のお弟子さん。10年以上前に韓国からインテリアデザインの勉強のために来阪し、デザインスクールの留学生として席をおきながら、日本語学校にも通っていた。

その頃は、まだ日本語も達者でなく、お友だちも居なくて寂しいと言って、フラワー教室にやって来た。始めは、人に接するのが目的で来ている様子だったが、持ち前の器用さでメキメキ腕をあげ、どんどん大作を仕上げて行った。
親元からかなりの送金があるそうで、材料費や花器に糸目もつけず豪華な作品を仕上げ、しかも出来上がる度にタクシーを呼んで、知り合いのオフィスに飾って来るとか言っては贈呈してくる。

フラワ−製作中に、「センセ、ちょっと散歩して来ます」といってはすぐ、衝動買いで、高価なミンクのコートや、ドレスを買って来る。勉強に疲れたと言っては、メンバ−制のアスレチッククラブで運動し、サウナで汗を流して来る。

そんな贅沢な暮らししか知らない姫さんが、 日本の青年と愛しあい、両家の反対にあいながらも、10年越しの愛を実らせ結婚したのがちょうど1年前。

御主人は普通のサラリーマン、結婚と同時に妻の浪費グセを直すのに一苦労。
姫さんはまた、突然の生活の変化が大変で、毎日のように口論になり、泣いて暮らしていたと言う。
ところが御主人の「妻教育」は、1年間の努力の甲斐あって、見事成功!

今ではやりくり上手な奥さんにと様変わり。
そして夕べは「いい女になったね!!」とやさしく誉めて下さったそうで・・・
姫さんの笑顔を見ながら、めでたし、めでたし・・・ 私もこれで安心だァ〜〜

ここ六甲でもまだお友だちが出来ず、ひたすら家で御主人の帰りを待つだけと言う毎日だそうだが、今日は1日おしゃべりして食欲も出たようだ。後は、元気なベビ−誕生を願うばかり・・・・・