2000年6月9日
< ネジキ >
神社の境内で、かわいいお花を見つけた。
ドウダンツツジに似たかわいい白い花が、お祭りの飾りちょうちんのようにずらりと垂れ下がっている。この木は幹がねじれているのでネジキと名付けられているが、地方によって様々に呼ばれている。
本州各地ではカソ−シ、四国ではカショセの名が通用している。また紀伊半島では、「オジコロシ」と呼ばれる。
材質が堅いので良い炭ができるが、薪とするにはちょっと燃えにくく、爺さんが3年間火を吹き通して、ついに息絶えたそうで・・熊本県での通称「ミソウシナイ」というのは、この灰が焼き味噌に似ているので、囲炉裏の灰の中に味噌を落とすと分からなくなってしまうという事らしい。
よく伸びたネジキの小枝は、冬になるとひときわ赤くなり一目を引き付けるので、埼玉県や山口県などには、この枝に小正月のまゆ玉を刺して飾る風習があるそうだ。
材は緻密で赤褐色をおび、『木曽節』に歌われた " 阿六くし" の材料として名高い。
さて、背伸びして、高い枝先の1センチ程の小さな花のピント合わせに苦労した私は、「ピントナカセ」とでも呼ばせて頂きたい。