ストックホルム: 森の礼拝堂 & 市庁舎

2000年8月22日

< 北欧の建築 >

ちょうど、設計士の吉田さんから、ヨーロッパの建築デザイン視察旅行のレポートやビデオをお借りしている。
北欧・東欧・西欧10カ国のデザインの「心(想い)」 「知(理論)」 「技(巧み)」の観点から比較考察されているのは、大変興味深い。

わたしは北欧へは行ったことがないけれど、沢山の映像とともに説明を聞くと、その感じがとてもよく理解できる。建築は知らなくても、美しい落ち着いたデザインの北欧の家具は大好きだし・・・

Mr Yoshida says

北欧の建築は、北欧の自然と同時に述べないわけには行かないでしょう。
ここでの建築は厳しい自然が生んだ産物であり、叉そこに生活する人々の哲学がしっかりと根付いているからです。

水、樹木、光・・・といった自然と、いかに人々がともに生きていくか、長い年月をかけながら彼らはその『知』を結集してきました。

それはちょうど幼ない針葉樹が、風雪に耐えながら、年々成長していき、見渡す限りの針葉樹林となり、そこに透明な緊張感をわたし達が感じるのと同じようにさわやかさと同時に力強い『生きる』ことへの執着を感じさせられます。

樹林の垂直に建ち並ぶ凛々しさと、数知れない湖の水平面のやさしさが建築と美しく調和している風景は深い感動を覚えます。

自然と常に対峙しながら、その自然とともに生活している地域においては建築はもはや『生活の道具』そのものとして常に存在しています。

道具として長くこの厳しい自然に耐えられるには耐久性や機能性を保持するのみならず、何よりも建築自体が自然に対して、また人間にとってもやさしくなければなりません。

そして、建築の内部空間ー生活空間は、『暖かさ』と『つどい』『親しみ』のための空間として光の存在が大きなテーマなのです。