自宅の長屋門を改造して開設

2000年9月4日

< 宮川石器館 >

加茂遺跡の加茂2丁目に「宮川石器館」はある。川西駅の近く、我が家から車で10分の距離である。

明治44年にこの辺りで銅鐸が出土して以降、多くの弥生土器・石器が散布する事で有名になり、沢山の学者達が訪れ発掘採集されることになった。

しかし資料として持ち帰られた出土品は、そのまま、所在が分からなくなってしまう。そこでここに住む宮川雄逸氏は、愛郷の一念から自分で発掘を始められた。

 「この地こそ我が居村である。空しく外来者の発掘にまか すと貴重な資料の散逸を招く。身をもって、これが擁護に 当るべきであると決心。それから以来、雨の日も風の日も 朝日新聞社通勤の傍ら、採集に怠らず、歳々悠々20年を 経過して昭和11年5月5日、私設資料館『宮川石器館』を 開設。・・・」  
                   (朝日新聞天声人語より)

平成5年に、川西市文化財資料館が開館するまでは、加茂遺跡の資料を公開する唯一の資料館として存続し、今なお当地12代目当主により、管理されている。

昭和11年に作った時のままという展示棚は、大変頑丈で見やすく、中に収められた発掘資料はものすごい数!

旧石器・縄文時代から平安時代に及ぶ集落跡ゆえ、石器・土器など膨大な数、時代と共に変わっていく文様を見るのも興味深いことだ。

よくまあ、たったお一人で、お仕事の合間にこれだけのことを・・・と驚くばかり。しかも発掘も資料館開設も全て私財を投じてのこと・・・

宮川氏の黙徳により、今日我々はこうしてわが町の2000年も昔の世界を身近に感じる事が出来る。とてもありがたくうれしい事と感謝、感謝・・・