資料館の土器                鴨神社

 

2000年9月5日

< 加茂遺跡 >

我が川西市南部、猪名川右岸の沖積地を見下ろす標高40Mの台地に位置している。

明治以来、200次もの発掘調査により、旧石器・縄文時代から平安時代に及ぶ集落跡で、なかでも弥生時代中期には全国的にも最大規模の集落であった事が明らかになっている。
居住区域と墓地とで20haにもなるそうだ。

宮川石器館には、大量の石鏃(ヤジリ)、石槍、石剣が展示されているが、これは当時他集団との争いが背景にあったことが伺われる。

「古代国家形勢課程での支配関係をめぐっての争いや、土地・水をめぐっての争い、交易品をめぐっての争い、食料等の略奪などが考えられ・・・」

などと言うお話を、石器を見ながら宮川夫人からお聞きしていると、何だか頭の中にその頃のイメージが出来上がり、遠い古代社会が身近に感じられた。

今、自分がここにいるこの場所で、この石斧を使って作業をし、この石包丁を使って料理して、この土器に食べ物を盛り、この勾玉でおしゃれをしていたんだわ・・・

壷だって、一つ一つ模様が違う。キレイに平行線の入っている物、小さな丸い粒が並んでいるもの、波型模様・・・と眺めていると、2000年以上も昔に、実用品ながら、模様のデザインを楽しく考えながら制作していた様子が想像されてほほえましく思う。
土器棺の底近くには、丸い穴が開いていて、死者の魂が出られるようにとの配慮だとも・・・

近くの加茂神社の境内には、「無断で発掘採集することを禁ず」との立て札がアチコチに立っている。まだ何が出てくるか分からない・・・

平成5年に出来た川西市文化財資料館には、最盛期の加茂遺跡の模型もあり、より想像力をかきたてられる。

この8月に「国の史跡」に指定されたことでもあり、来る21世紀に向けても保存継承していって欲しいと思う。なんせ、2000年も前の集落跡なんですものねぇ。