ネコノヒゲ というお花の名前そのもの

2000年10月1日

< ハブ機能 >

ハブ機能と言うのは、中枢と中継機能のことだが世界の中の日本を、
この観点から眺めると誠にお寒い話しか無いのが現状で、このまま時代が進むと日本は東アジア地域の田舎になってしまう。

この機能が大きくクローズアップされるのは、主として交通(航空、海運)、金融、情報の分野だけれど、まず「交通について」

航空交通の問題だけれど、一時期日米で協定改正に絡んで熾烈な交渉が行われた。
日米航空協定と言うのは、もともと圧倒的に日本に不利な協定になっていた所に、米国が以遠権問題を持ち込んで、日本の空港を更に有利に利用出来る様にしようとした交渉だった。

日本は、これに対してもともとの不平等性を平等なものにする狙いで交渉に臨んだが、結果はタマムシ色の決着となった。

それは、それで当面仕方が無いことだと思うけれど問題の背後には、日本の航空行政の貧弱さがある。
今、アジアでは、韓国、香港、フイリッピン等の各国が、24時間利用可能で、アクセスに優れた国際空港を続々と作りつつあり、既に運用が始まっている空港も有る。

しかるに、日本では、成田にしても関空にしても滑走路、管制能力、発着枠等から見て国際空港としての機能が制限されて、上記の他のアジア諸国の空港とは比較にならないほど貧弱なものになっている。

この様になったもともとの経緯は、成田闘争以来の空港建設反対運動に有る訳だけれど、それも言うなれば、住民エゴが相当影響している。

これは、「公共性と私権」と言う問題が絡む難しい問題ではあるが、今まで、為政者がこう言う広い観点から、国民を説得したことも無い。
誠に、政治と行政の貧困と言わざるを得ない。

その結果として、航空交通のハブ機能は他の国に奪われ、国民の利益に叶う様な結果にならない。

次に、海運についてであるが、阪神大震災で失ったものは、多いけれど神戸港が持っていたハブ機能の喪失は、我が国の将来に重要な影響を持つものの一つであった。

あれ以来、神戸港を中継港として使っていた各国の海運会社は、やはり韓国の釜山や香港等に中継基地を変えて戻って来ていない会社が沢山有る。
それに、残念なことに、日本にこれに代わる代替港の無いのも問題である。

日本の海運会社が、単に資源輸入のために、神戸や横浜等の港を揚陸港として使う分には問題ないが問題は、我が国の周辺国との関係でハブ機能が持てるのかと言うことであり、この様な目で見てものを考える人の居ないのも寂しいことと言わざるを得ない。

以上は、八面六臂のFlowerさんからお聞きした話である。
パソコンのお助け神様のような人だが、色んなお仕事をお持ちゆえ、話題が広く、しかも奥深い。

狭い世界の事しか知らず、のほほんと生きている自分にとって、Flowerさんのお話はいつも、「もっと考えて生きなければいけないよ・・」とカツを入れられる活性剤である。