2001年6月13日

< 菩提樹の花 >



                               菩提樹遠景

「今七分咲きですよー。」と、岡田さんが知らせてくれた。
近くのお寺・陽泉寺(猪名川町・肝川)に、菩提樹の木があるのは知っていたが、毎年時期を逸して、まだ一度もその花を見たことが無い。

明日から数日は雨の予報あり。今日だ、今日しかない!!カメラだけバックに入れて、大急ぎ、だってもう午後2時、日が暮れないうちに・・・

ピラミッドの並みの急勾配のお寺の石段を駆け上がり、息せき切ってご対面。
たった1本の菩提樹だけど、境内一面にあま−−い香りが漂っている。お花はみなつつましげに下を向いている。これかー、これなのかー、、長年見たいと願っていたのは〜〜ルン!甘さに誘われて、蜜蜂が飛んでいる。

レフでも用意してれば良かったのだが、皆葉っぱの下に花がついてるので、暗い、、で、ピンあま・・・  マ、いっかーー、堪能するほど香りを感じ、お花を眺めたんだから・・・
あー、これで長年の宿題がひとつ片付いたようで、とってもうれしい!!
10代の折に、シュ−ベルトの歌曲、♪リンデンバウム♪を聴いて以来の憧れの木なんだから、どんなにうれしかったか・・・

ベルリンにはこの木を植えた並木道があり、“ウンテル・デン・リンデン”との大通りと呼ばれているそうな。花を乾燥してお茶の様にして飲むと、頭痛に良く効くとか・・・

* これは、日本名は「洋種菩提樹」というもので、「菩提樹」と、正式に呼ばれる樹木は大陸の原産で、お釈迦さまが、その木の下で悟りを開いたというインドの菩提樹とは、異種のものだそうだ。

 

 “ Der Lindenbaum  “   

城門の前のいずみのほとりに
一本の菩提樹が立っている
私はその木陰で
多くの甘い夢を見た

わたしはその樹皮に
かずかずの愛の言葉を刻み込んだ
うれしいときも悲しいときも
いつもそこへひきよせられた

今日もまた夜ふけに
そのそばをとおりすぎねばならなかった
そのとき暗かったが
目を閉じた

するとぼだい樹の枝は
まるで私に呼びかけているようにざわめいた、
「ここへおいで、若者よ、
ここにおまえの憩いがある」と

つめたい風が
私の顔にまっすぐに吹いてきて
帽子が頭から飛び去った
でも私は振り向かなかった

いまや私は何時間もの道のりを
あの場所から離れてしまっているが
なおもぼだい樹がざわめいているのが聞こえる、
「あそこにおまえの憩いがあるのに」と

               ミュラー

       * これをドイツ語で歌いたいばっかりに、
          第2外国語はドイツ語を専攻したのだった〜