2001年6月28日
< 沙羅の花 >
![]()
祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり
沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理を現す
奢れる者久しからず ただ春の世の夢の如し
な〜んて、意味も分からず筆を握って、何度も何度も書いていた小学生の時。
お習字の先生のお手本を見ながら、墨の匂いを感じながら、いつも「沙羅」ってどんな花かなー?と思っていた。大人になって知ったその花は、確かにはかないお花だった。
朝に開いて夕方ぽとりと落ちる。猪名川町・景福寺の沙羅は、今日きれいに咲いていた。つぼみも数え切れないほど。足元には夕べ落ちた花が皆上を向いて、きれいな姿のまま重なっていた。水槽に落ちたのは又、風の吹くままに、スーイ、スーーイと、水面を漂っている。
静かーな、静かーーーな境内、又平家物語の一節が、口をついて出た。
毎年忙しさに紛れてその花時を逃してしまうのだが、今年は岡田さんにお願してあった甲斐あって、朝から車に脚立を積んで、立ち寄ってくださった。で、お陰様でお花の時期を逃さず、接写も出来、アリガタキシアワセーー
![]()
脚立に乗って撮影 水面に落ちて舞う
初夏に椿に似た花を咲かせるから「夏椿」、純白の絹のような花弁が、万緑の中ですがすがしい。仏教の聖樹である沙羅双樹とは、別のものであるが、いつ誰が言い始めたのか、沙羅の木と呼ばれている。
この景福寺は、応安2年(約630年前)、通幻禅師により、建立されたもので、現在47世代目、曹洞宗の禅寺としてその歴史は最も古いそうだ。