2002年4月3日

< カタクリの花 >

氷上町清住ひかみちょう・きよずみ)の美しいやまなみの、クヌギ林の中にカタクリは咲いていた。一面にかわゆく、華麗に・・・

その群生地のそばに小さな立て札と、大きな寒暖計があった。立て札には「カタクリの花は17℃で開花します」と。そして寒暖計の目盛りは16℃だった。「へ〜〜」と、目盛りを見ている瞬間17℃にあがり、まさしく花々は目の前で開き始めた。

陽があたって、しかも17℃以上、だから早朝に出かけてきても開いたカタクリは見られない。何という幸運! いや、それを知ってる岡田さんのアドバイスで時間を合わせて来たのだから、予想通りというべきか・・

上から見下ろし、しゃがんで眺め、群生の周囲をゆっくりまわり・・・しばらくカタクリとの対話を楽しんだ。自然の薄紅色は、見飽きず心を和ませてくれる。

ギリシャのアテネ郊外、遺跡の荒地の中で、ひっそりと咲いていた「シクラメンの原種」に良く似た風情が感じられ、しばし彼の地での思い出にも浸ったのであーる。


 

 

古名「堅香子(カタカゴ)」 

北海道、東北地方の山中に多いようだが、兵庫県内では大変珍しい。 芽を出し、花開き、実を結び、地上部が枯れるまでの期間は2ヶ月ほどであとの10ヶ月間は地中でゆっくり休養する。

「もののふの 八十少女らが 汲みまがう 寺井のうえの堅香子の花」
                 万葉集: 大伴家持

 

氷上町観光協会  0795−82−8210
            http://www5.nkansai.ne.jp/org/hikamityou/