しおんとキリンソウだってキレイ!


        しゅうめい菊
 

1999年10月10日(日)
 

< 能勢路 >

Nature Net のレポ−ターを始めてから、少なくても週に一度はお天気の良い日を見て、母を横に乗せてのドライブが恒例になっている。

今日も今日とてきれいな青空!
「今日どう?」と母に聞くと「ウン、行きたい!」と言う。
この頃は足が弱って歩くのを嫌がるので、お寺や神さん参りを誘っても「行きたいけど足がなァ〜〜」と言う返事が多くなって来たが 、車に乗ったままのドライブは大好きだ。

若い時から父とドライブに行くのが好きだった人だから、車に酔わないので助かる。
最近は近くの老人会の集いに行くのも大層がるので、せめて車ででも外界に触れるのが良いと思って誘い出す。

ちなみに父は本当に車が好きで、昭和11年6月18日交付の父(大正4年生まれ)の免許証が残っている。もっと前から乗っていたのかも知れないが、父亡き今、確かめる事は出来ない。有効期間は5年間と記してある。
いつだったか「当時はまだ免許証をもって自家用車に乗っている人は少なかったよ」と聞いた事はある。そして脳梗塞で倒れる70歳まで、いつも母を乗せて楽しそうに運転していた。

もうひとつ話しついでだが、私は長女がお腹にいる時に教習所に通い、かなり大きなお腹になった頃免許を取った。
そして、出産のため入院する時には、陣痛が始まってから自分で運転して入院した。そんな訳で、胎教よろしく長女もかなりの車好き。学生時代には、自分専用の新車を買って「テバちゃん、テバちゃん」(Ford Festivaのこと)と磨きたてて可愛がっていた。

娘が車で出かける度に、無事帰宅するまで事故に遭わぬかと心配で心配で、いつも胸が潰れる思いでいたが、ある日「父の様子が変!!」との母からの電話に、私は取るものも取りあえず駆け付けたが、救急車で運ばれたまま父は帰らぬ人となった。

其の時、取り乱している母を一人にしておけないし、無理かとは思いつつ長女に「もし来れるなら、必要なものを持って来て…」と頼んでみたものの、始めて高速道路を走るのに気が付いて慌てた。しかし長女は地図を見ながら始めて運転する道を無事に来てくれた。
其の時の感激は今も忘れない!!
 

さて本日のドライブだが、ミニコミ紙に丁度『能勢栗まつり』とあったので、取りあえずそこへ行ってみる事にした。能勢の栗は大変おいしいし、其の周辺の田園風景はとても絵になるからだ。

「10時から」とあったので、すぐ家を出て10時少し過ぎに、到着。いや近くまで行った。 ところが、その会場を間近にしながら、もう駐車場は満杯、周辺のたんぼは、車で埋め尽くされている。

この様子だと車はかなり離れた所まで行かねばとめる所はなく、それでは「母には無理」と諦めてUターン。もうひとつ帰りに寄ろうと思っていた『能勢牧場』に向う。

ところが此れ又牧場に近付くにつれ、車がどんどん多くなる。イヤーな予感がしたがやはりそれらの車は全て牧場の入り口へと向って行く。
「ナンデ−ー?いつ来ても、大抵2〜3組の来場者しかいないのに〜〜〜〜」と思って聞けば、広い牧場を少し改良したので、新聞などにかなり宣伝したそうだ。

3連休、秋日和、という事でかなり遠方からも来られているようだ。
前後車に挟まれて身動き取れないので、交通整理の人に「母は、余り歩けないから、駐車場が遠いと困るので、又平日に来るからここでUタ−ンして戻りたい」と誘導を頼んだ。
すると「足の悪い方には、一番奥において貰えますからどうぞ」といって無線で連絡をとって下さた。そしたら「奥からは、もうそこもいっぱい! どうにも動きが取れません!!」との返事。やっぱり諦めて道を開けてもらい、Uターン。

やはりいわゆる観光地は、休日には行かない方が良いようだ。

後はすいてる道を選びながら、のんびりと田舎道を走らせた。
稲刈りが終った後のたんぼの周りには、セイタカアワダチソウ、ススキ、コスモス、しおん、しゅうめい菊などがきれいに咲いていた。
1〜2週間前、あんなに華やかに咲いていた彼岸花が殆ど見当たらなかった事に驚き、季節の移ろいを感じた。

母も時々車から降りて、『田園の秋』を楽しんでいた。
 

夜更けて、次女から電話があった。
「おかーさん、今日何の日か知ってる?」
「ソラ知ってるよ!体育の日でしょうがーー。」

「やっぱしね、、忘れてたみたいね、もうひとつの記念日…」
「え〜〜?ア−ッ、もしかして〜〜〜〜」

「そうよン、タケマキの結婚記念日!10年10月10日から1年目!」

次女の連れ合いは、本当に良い人で、「100点満点かそれ以上のオムコさん」なので、二人の事に付いては何の心配もなく、安心していたためすっかり忘れていた。
失敗失敗!!
「子育て」過ぎて「親育て」に忙しいもんで・・・

しばしその100点満点お婿さんタケちゃんと、いつも多忙のマキちゃんと、久しぶりのおしゃべりが出来てうれしかった!!!


                  
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