1999年9月3日
 

< 二つの花展 >

今日は三つの展示会を見て来た。
一つは知人の油絵展。
まったく1から始めて10年目。でもちゃんと個性が出ていて、御自分のカラ−が感じられ、ステキな作品展だった。それぞれの作品に合わせた額も絵を引き立てて良かった。

そして大阪心斎橋大丸でのア−トフラワ−展と、そごうでのいけばな展。
 

『アートフラワーシンフォニー』 飯田深雪スタジオ開講50周年記念展は、きれいだった。
ア−トフラワーの世界も、今は多様で「布花」「染め花」など色々と名前を変えて色んな個性のある造花が増えた。
しかしそれらは、一見きれいに見えても、見飽きる花や、一つ一つは鑑賞に耐えないような花も多い。

その点、深雪門下の花は、何年経っても変わらず、花弁の一枚一枚、花芯の、葉脈の、がくの…もうどれを取っても、繊細に心を込めて仕上げてあるから見飽きることもなく、例え一輪の花でも鑑賞に耐え得る。そして、それぞれのカラ−バランスが合っているので、多種のアレンジも違和感がない。

ただ自然の花を模倣することに終らず、花に対する愛が感じられる。作る側も機械的に製作するのではないので「手をかけて作った」と言う自己満足も得られるものである。
見る側の感動よりも、作る側のそれの方が大きいと言えるだろう。

撮影禁止だったので、展示作品をここにお見せすることは出来ないのが残念だが、力作、大作であった。
 
 

『"99 いけばな新進作家展』 新世紀への鼓動、も良かった。
歳の若い出展者が多いのか、入場者もいつもの花展よりもずっと若い人が多かった。

264名の出展、そしてその流派の多さには驚くばかり、昔はこんなになかったはずだけど……

しかし色々工夫をこらしたいけ方や、目新しい花材を見るのも楽しかった。
こちらは、むしろ「自然のまま」というより、「花を使ってのデザイン」と言う感じで、本当の花に忠実な深雪ア−トフラワーと対照的で面白かった。
 


 
 

                        
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