Flower
パンフラワー作品
小学校三年生の時から、「いけばな」のお稽古に通った。というより訳も分からないのに
「女の子だから」ということでお稽古に行かされた。
兄と弟に挟まれた「女の子」だったので、母は必要以上に「娘」を意識して育てたようだ。
お作法と技術を身につけるために、毎週花嫁修行の大人のお姉さん達に囲まれて華道と茶道のお稽古を続けた。
お稽古の合間のお師匠様のお話は、幼い私にもなかなか興味深く、
「無駄な枝葉は取り払い、空間を大切にすること」、
「体、用、留め」のバランス。「潮の満ちひき」と「人の誕生」との関係。
「月の満ち欠け」と「女の月経」との関係。
そして季節毎に新しいお花の名前を覚えて行くのはとても楽しいことだった。
都会の真ん中で生まれ育ち、お花には飢えていたような気がするから。
それまで母がお花を活けていた床の間に、毎週お稽古のお花を活けて、両親に誉めてもらうのが楽しみだった。
年頃になって、お友達が始めてお花やお茶のお稽古を始める頃、私はもう
「師範免許」の看板を貰っていて特別上級の「別稽古」なるものに参加していた。
結婚して子供が生まれ、幼稚園に通うようになった頃、ふとしたきっかけで「造花」の世界に入り込んだ。
先ず手軽なペーパーフラワー、リボンフラワー。
カラフルな紙やリボンから、次々生まれて行く立体的な可愛いお花達!
生来凝り性の私は、まるで仕事のように作って家中をお花で飾っていた。
丁度その頃、東京のいとこが、まだ関西ではあまり知られていなかった「アートフラワー」を、
月に2回新幹線に乗って教えに来てくれた。
お陰で、子供の小さいうちに新しい技術を身につけることが出来、
師範の資格も得て、早速お教えすることにした。
「人様にお教えするということは何より自分の技術向上に繋がる」。
自分の勉強だと思って熱心にお教えした。
造花を作るために、本当のお花を今まで以上につぶさに眺めるようになった。
十分良く知っている積もりのお花でも、いざ花弁の枚数、雌しべ・雄蕊の形や本数、葉っぱの形、
葉っぱのつき方、つぼみはガクはどんな形?と考えてみると、案外正確には思い出せない。
花屋さんに行って見ようと思っても、季節が違うと見られない。その季節のものであっても、
簡単に手に入るとは限らない。そこで、植物図鑑・花図鑑で調べることになるのだが、
法がない。そんな訳で造花作りとカメラ行脚は平行して進んでいった。
華道未生流挿花
飯田深雪アートフラワー
ミガホン・パンフラワー
フラワーデザイン(American Floral Art
School卒)
全て師範免許取得。
パンフラワー作品

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