Guitar

       スペインへ別注したJose Ramirez  
 

私が中学生の時、兄は大学生だった。
兄の友人達がしょっちゅう我が家へ遊びに来ていた。
兄はギターサークルに入っていたので、みんなで良くギターも弾いていた。
その中の一人が、私に「宵待草」と「禁じられた遊び」を教えてくれた。楽譜なしで指はこびで…

楽しかった、ギターの音色が好きだった。
大学生になって私もギターサークルに入った。
当時ギターは若者にとってブームで、部員は凄い大家族だった。
大学に入ってから始める人の多いギターの世界で、私は一歩進んでいた。

お陰で演奏会では、数百人の部員の中から選ばれてソリストになれた。
大きな舞台でスポットライトを浴びてギターをつま弾くのは快感!

大卒後も会社に勤めながら、ギターのレッスンに励んだ。
ギターの全国コンクール一位をめざして頑張った。
優勝したらスペインへ留学して本気でプロをめざすつもりでいた。

仲間四人皆上位めざして……   仲間の一人が優勝した。
彼はプロの道へ、私は家庭に入った。あの頃ギターに熱中していた私達を見ていた可愛い中学生が、
今をときめく日本の代表的ギタリスト福田進一さんだったとは驚いた。

中学生の時に始めてギターを触って以来、
右手の指の爪はいつでも弦をつま弾びける長さに切りそろえ、滑らかにしてある。
左手指の爪は、ガットを押さえやすいように短くカット。
弾く時間があろうとなかろうとそれだけは守っている。もう何十年になるのだろうか?

先日ステキな店を見つけた。
私と同じように、学生時代からギターを手放せない人が、ついに脱サラして開店したという。
マスターは私より少し若いが同世代。古いコンサートのプログラムも皆保存されていて、超懐かしかった。

舞台も備えてあってすぐ弾けるように譜面台・足台もセットされてある。
今度はマスターと "Encouragement" をduetしようと約束している。