JTU競技規則<改定案と補足説明と事例集>
<はじめに>
<はじめに>
スイム・バイク・ランというまったく異なる競技をオープンスペースで行い、そしてこれを審判することは至難のことです。そのため、トライアスロン、デュアスロンさらには関連競技の大会では、競技者のひとり一人が、“与えられたコースそしてルール”で競技するという感覚ではなく、「大会全体に参画しているんだ」という意識を持つことが大切です。
特に、ドラフティング規則など完全に審判することが難しい種目が多く、とかくすると「見つからなければ大丈夫」といった意識を大会の現場で感じることがあります。確かに、審判に発見されなければ立証のしようがありません。しかし、スポーツの精神とは、例え他の人がルール違反を行っていても、自分はフェアプレーの精神に誓って、“自分のためにルールを守る”というものではないでしょうか。
「アスリート自身がマーシャルである」とお願いしてきたことも、この理由によるものです。自分からミスを認める、そしてマーシャル自身もミスジャッジがあれば、これを認める。そして、その理由を探り、改善しようとする。これにより、“選手と審判員の信頼”が生まれるのではないかと思うのです。トライアスロンの最良の日に向かって、みんなで前に進みたいと考えています。
<マナーについて>
JTUルールは、国際時代を反映しながら、最低の基準を示すために制定されたものです。《競い合う競技者どうしが、納得できるレース》でなければなりません。
「スポーツのルール」は、共同社会のなかで人間が生活する暗黙の了解事項としての“マナー”をもとに成り立っています。そのため、トライアスリートに求めようとするマナーをJTUマーシャルが進んで手本を示します。どうか、アスリートの皆さんもこれに応えてください。
大会に集まる人々が気持ちよく、それぞれの大会に賭ける思いを達成できることを願っています。そして、大会主催地の人たちから、「来年も来てください」と本心から言ってもらえるようになりたいと思います。
トライアスロンがオリンピック種目になった理由は多くあります。特筆されるのは、「人間の体を歪めない、そして自然環境にやさしい」ことです。時代の流れによく合ったものです。これをさらに皆さんとともに洗練し、いつの日か一般のスポーツの手本となりえたとき、トライアスロンの素晴らしさが社会に受け入れられると考えます。そして、トライアスリートたちが、国内そして世界の各地で、今以上に暖かく歓迎される日が来るに違いありません。
<1998年のJTUマーシャル・マナー達成宣言>
- 「JTUマーシャルは、競技者そして関係者に進んであいさつをします」
「アスリートの皆さんも、このあいさつに応えてください」
- 「JTUマーシャルは、アスリートそして主催者の声に耳を傾けます」
「大会の成功のために建設的な意見を出してください。新ルールとして規定される競技者どうしでの違反注意、そしてルール違反の自己申告をお願いします」
- 「大会期間中の事故が増えています。これをなくすためにお互いに気をつけましょう」
地域住民を巻き込んだ事故の多くは、アスリートの練習中のバイク走行にも問題があります。年に一度しかみないロードレーサーのスピード感覚にズレがあります。
一般に自転車は20キロ程度で走ると思われています。40キロ近い速度のロードレーサーが連なって走ることに戸惑い、事故を誘発します。前方注意、信号順守が大事です。そして、ヘルメットをかぶって練習してください。バイクボトルやゴミを捨てないことは、ささやかなお願いです。
- 大会が長く継続するためには、地域の賛同がすべてです。
日本トライアスロン連合(JTU)
技術委員会

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