JTU競技規則<改定案と補足説明と事例集>
第1章 総則 第2条(競技者の賛同)
第2条(競技者の賛同)
- JTUは、オリンピックムーブメントを提唱する国際オリンピック委員会(IOC)の正式加盟団体である国際トライアスロン連合(ITU)に賛同する。オリンピックムーブメントの精神は、勝利を至上とするものではなく、世界の競技者が等しく、主義主張を越えて理解しあい友好を結ぶことである。
- スポーツを通した国際的な友好と平和の実現、フェアプレイの精神の向上、男女平等な競技機会の促進、競技者の保護と育成そしてメディア関係各機関との連携により、トライアスロンのスポーツ競技としての品格と社会認識(威厳)を高めるために、競技者の理解と協力を求める。
補足説明
- トライアスロン発展の機軸である「普及と強化の両立」をめざすため、競技者の特性に応じた。大会が開催されるよう配慮する。
- 基本ルールは、オリンピックをめざす選手であっても、一般選手(一般選手といっても自らの目標に向かって競技している。立派な競技者である)でも同じである。
しかし、一般においては「穏やかな適用」となってしかるべきである。「普及のためのルール」とも表現できる。
- ただし、どのように穏やかになったのかは、競技者に的確に知らせなければならない。
- オリンピック精神に則り、強い者が弱い者を助ける意義をオリンピック・スポーツであるトライアスロンをとおして学ぶものである。アジアの強国である日本は、アジア諸国の発展に尽くす義務があるともいえるだろう。
状況例
- 競技者は、トライアスロンがオリンピックになったとたん、やたらとルールにうるさくなったと主催者にクレームを付けた。トライアスロンは、「自然のなかでおおらかに」楽しむことが本来の姿であることを強調した。
- 「品格とか威厳とかでトライアスロン独自の自由な気風を失うのは嫌だ。麦わら帽子で競技したっていいじゃないか」と、主張する意見もあった。
判断例
- 主催者は、大会の意義を選手にはっきりと伝えたかが重要である。大会によっては「家族的な自由さを趣旨とする」ものもあるだろう。それはそれで良い大会である。ただし、いずれの趣旨で開催するかは、所轄の競技団体と協議し決定すべきことである。
- 競技者は、個人の主張が優先される場合と、そうとばかりはいかない場合があることを知らなければいけない。オリンピックを夢見てひたすら頑張る選手もいる。いずれが良いというものではない。多様な取り組みができることが、トライアスロンの魅力でもある。これらをお互いに認めあわないと、スポーツそして大会は成立しない。
- 審判員は、ここは理念ばかりでなく選手の感覚を尊重し、「なるほどそういう気持ちも大切なんだな、と理解すべきだろう。そして、伝えるべきことは、マスコミ側が一人のユニーク過ぎる言動のために、すべてが「レジャー的」と考えられてしまう事実を説明することである。
- 審判員は、このように主義主張する熱心な競技者を歓迎し、誠実に対応する。《トライアスロンは、すべてこれを楽しむ人のためにある》。スポーツの原点は、いつの時代にも忘れてはいけない。

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