JTU競技規則<改定案と補足説明と事例集>
第1章 総則 第4条(規則の適用)
第4条(規則の適用)
- (以下、第1状と重複:削除)JTU競技規則は、国内におけるトライアスロン・デュアスロンおよび関連競技大会で適用する。
- JTU競技規則を基準に、所轄競技団体が承認する(削除:開催地の特性による)ローカルルールを適用する。
補足説明
- 全国各地の大会には、独自のルールが見受けられ開催地の特性により、止むを得ず制定している場合もあるだろう。しかし、JTUルールと矛盾するもの、あるいは逸脱するものは避けなければならない。
- 今後、「共通の基本ルールはJTU競技規則である」ことを大会主催者が、明確に発表することを期待する。ローカルルールは、ほんのわずかな付記事項と理解したい。
- そして、JTU規則を尊重したローカルルールが、所轄競技団体との調整のうえに制定されれば、競技者は、より明快にルールを把握することができるようになるだろう。
- JTUルールに沿わない、あるいは沿えない部分は、すべてローカルルールで特例とすれば良いと考える傾向があるようだ。また、現実には、適用が難しいルールを威圧的に設けることもある。これは、競技者を惑わすばかりで、結果としてトライアスロンの権威は崩れるばかりではないか。
状況例
- 「ウェットスーツをトランジションバッグに入れなくてはいけない」とするローカルールがあった。上位選手は、これを守る素振りさえ見せないでバイクに出ていった。後で、この選手は「どうせ失格にはならないだろう」とコメントした。
判断例
- この事例では、守った選手と守らない選手には著しい差が生まれる。順位が代わる。一度制定し、しっかり告知し、異義がなければ、厳重に適用しなければ選手に申し訳ないだろう。
- ここは、失格とし、当ローカルルールの改善、そして同ルールを適用しなくても運営できるような改善を図るべきではないか。
- 競技者の権利として認められる規定に従い、不適切と思われる競技コースや運営には、24時間前に抗議をすべきであった。審判員は、これを奨励すべきである。
第4条(規則の適用)
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- 競技種目の変更や中止は、競技環境に応じ決定する。
- 競技中であっても変更・中止の指示に従う。
- トライアスロンのスイムができないときは、デュアスロンを実施する。さらに、バイクをランに変更する場合もある。
(以下、削除)大会当日の気象条件、競技環境などの悪化または不良により十分な安全対策ができないと判断した場合、競技開始以前、競技中であっても競技内容を変更し競技を中止することがある。
補足説明
- スイム状況が不良な場合、デュアスロンとすることが一般化した。しかし、「スイムを何とかやりたい。そうでなければ選手にすまない。大会の恰好もつかない」などの気持ちがデュアスロンへの変更を遅らせ、結果として全体の対応が不十分となってしまうことがある。
- このような条件のなかでも、つねにベストな変更案をさぐることは必要である。
- 「この海は荒れない」と信じる人たちは、いざ荒れると、慌てる傾向が強い。そして、願望が先走り、デュアスロンへの変更準備さえ巧くできない。トライアスロンが駄目なら、デュアスロンへ、これまだめならランのみへ、といかなる状況でも自信を持って対応できるよう心掛け計画したい。
状況例1
- 水温は非常に冷たく、風も冷え冷えとして体感温度も低い。しかし、参加者は、休暇をとっての海外でのトライアスロン大会である。主催する側は、ウェットスーツも着ている、「皆、鉄人なんだから大丈夫」とばかりにスイムをスタートさせた。
- バイクに移った選手も、規制なしのコースで一般車と接触事故を起こした。そして、事の重大さに気づいた主催者は、中止を決めた。
判断例1
- 競技者の自己管理とは、「体調。海外旅行のきつい日程の考慮。海外での運営部分の未知。慣れない食事。リタイアする勇気..」など競技に係わる総合的な管理でもある。
- 競技者自身が、競技ウェアで最も“目の当たりの競技環境を感じている”。一般の服装である主催スタッフやマーシャルは、競技者ほど肌で環境を感じることはできない。
それゆえに、「主催側は、競技者の意見に耳を傾けるべきであり、競技者は、積極的に自分の感じた危険を主催側に伝える」。必要であれば、直前であっても競技の変更を要請しても良い状況であったろう。
状況例2
- アジアカップでエリート部門とエージグループ部門は完全に別れている。大会前日からの強風で、海の荒れは治まっていない。それでも、テトラポット内側のコースの一部は一般には厳しそうでありながら比較的安定した区域がある。注意報が出ているが、天気は快方に向かっているとの予報である。
判断例2
- JTU運営規則では、「各注意報が発令された場合は、競技環境の実情を考慮し、競技内容の変更が十分とれると判断された場合にのみ実施する」と規定している。
- 陸送でジェットスキー10台の搬送ができる。コースロープの設置は安定している。コースを2/3程度に短縮する。水温は22度であるが、ウェットスーツの着用を義務付ける」これらを確認し、エリート(男子70名、女子20名)のみに限定したスイム競技が実現できた。
- なお、一般選手600名は、第1ランからのデュアスロンで実施した。
- さらに、バイクコースが不安定であれば、ラン競技10〜20キロも想定した。

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