第4条(国際トライアスロン連合の大会区分)
- 国際トライアスロン連合 (ITU)は、毎年、トライアスロン、デュアスロンおよび関連競技大会の世界選手権大会の開催を推進し公認する。
- これらの大会は、男女各々のエリート選手権部門・ジュニア選手権部門・エイジグループ(一般年齢別)選手権部門に類別される。
- ITUは、世界を大陸・地域に分類し、それぞれの選手権大会の開催を推奨し公認する。
- ITUは、世界各地でワールドカップを開催し、国際大会を公認する。
補足説明
- ITUの公認大会一覧
- トライアスロン世界選手権(51.5km:ドラフティング・レース )
- ロングディスタンス・トライアスロン世界選手権
- トライアスロン国際大会(51.5km)
- デュアスロン世界選手権(55q=第1ラン 10q+バイク 40q+第2ラン 5q*ドラフティング・レース
- ロングディスタンス・デュアスロン世界選手権=パワーマン
- トライアスロン・ワールドカップ(51.5km:ドラフティング・レース )
- インドア・トライアスロン世界選手権(ドラフティング・レース )
- ウィンター・トライアスロン世界選手権(ラン+マウンテンバイク+クロスカントリースキー)
- アクアスロン世界選手権
- アクアスロン・ワールドカップ・シリーズ
- 7大陸地域:
- アフリカ
- アジア
- 北アメリカ
- 中央アメリカ・カリビアン
- 南アメリカ
- ヨーロッパ
- オセアニア
- ITU公式大会でのドラフティング許可
初大会:94年グッドウィル・ゲーム(ロシア・サンクトペテルスブルグ)
世界選手権初大会:94年トライアスロン世界選手権メキシコ・カンクン大会
- 日本でのITU大会実績
- 94年 天草ワールドカップ(国内初)
大阪関西空港ワールドカップ(ドラフティング・レース )
- 96〜98年 石垣島/蒲郡ワールドカップ
- 98年 ロングディスタンス・トライアスロン世界選手権佐渡大会
- 98年 ロングディスタンス・デュアスロン・ワールドカップ森吉町(秋田県)
- 世界選手権の特徴は、エイジグループ部門とエリート部門を完全に分離していることである。土日の連続2日間のイベントとすることが多い。また、これに加え、オープンカテゴリーや身障者部門を設けることが一般化している。コース設定においても、エリート部門は周回コースでのドラフティング・レース。一般では、1周回が基本とされる。なお、ロングディスタンスでは、いずれもドラフティング禁止レース。
- 身障者の英語表現は、Physically Challenged Athletes :「肉体的に挑戦する選手」
handycapped や disabled などの直接的表現を避ける。
- ITUでは、専門委員会にPhysically Challenged Athletes Committeeを設け、身障者のトライアスロン活動を支援している。
第5条(日本トライアスロン連合の大会区分)
- JTUは、ITUの加盟団体として、世界のトライアスロンの健全な発展に寄与する。
- 各競技分類におけるITU公認大会および国内選手権大会、さらにはこれら関連大会を主催、共催、後援する。
- これらの大会に関連する競技大会も合わせて公認(所轄)大会とし、同一基準により主催共催または後援・協力する。
補足説明
- 日本の役割分担として求められるのは、アジアのトライアスロン発展を支援すること。アジアトライアスロン同盟(ASTC)加盟13カ国地域では、満足に競技用具さえ買えない国や地域が多い。
- これはアジアに限定される問題ではない。そのため、ITUでも、これらの格差を考慮して、高額な自転車を規制する提案があった。理念はよくとも、規制のための現実性が薄く実現はしていない。
- トライアスロンの公認コースの制定はむずかしい。一般道路のコースにしても、完全封鎖を条件に公認できる場合があるからだ。スイムにしても、監視救助体制が完備して公認コースとなるものだ。
- 公認するには、「コースと運営・審判体制」が伴っていることが最低の条件となる。主催・後援大会での管轄区分は、第52条(審判長全般)を参照
第6条(競技大会の名称)
- 大会主催者は、「選手権、日本、全日本、全国さらには世界、国際」に類型する大会名称を、JTU公認基準により使用する。
- これらの大会名称使用を希望する大会主催者は、JTU加盟団体をとおしJTUに申請し承認を得ることが求められる。
補足説明
- 89年にITUが設立され、それまで世界各地に存在した5大会以上の「世界選手権」は、その名称を変更した。大会によっては、ITU公認を受け、世界選手権を開催したところもある。
- 米ソがCNNのスポンサードで始めた「グッドウィル・ゲーム」でのトライアスロンは、全面的なITU管理で実施された。
- 大会名称に関しての問題は、「競技団体が設立される以前から使用していた」という主張である。競技団体の主張は、「大会関係者をもまじえ競技団体を設立した。そして、競技団体が大会名称を管理するのは、他スポーツでも同様である」であった。
事例
- オーストラリア、ゴールドコーストのワールドカップ問題は、上記の典型例である。事が複雑に展開したのは、該当主催者が、世界の主要国に「ワールドカップ・トライアスロン」の商標を登録し、競技団体の名称使用を制限しようとしたことである。
- 日本においても、「ジュニア・トライアスロン」や「アクアスロン」が、特定の企業により登録され問題提起された。これらに対する見解は、大会名称として使用される場合は、問題ないとすることが法律的な見解である。
- ハワイのアイアンマンが「自称ワールド」として問題となり、これを規制する国際統括団体のITUとの訴訟問題に発展したことがある。現在は、和解し協調の時代へと移っている。
JTU主催・共催大会の開催(参考資料)
1999年以降のJTU主催・共催大会(公式大会を含む)について、JTU発第98109号(1998年7月30日付)より抜粋
<応募・公告大会の内容>
- 個々の大会に関する基準・規定は、各委員会(総務・技術・強化、他)が、開催地の状況を調査し、別途検討する。
- 各大会からの応募に関する問い合わせは、加盟団体を通じJTU事務局が対応する。
- 候補大会の申請受付後、総合的な調査結果に基づき、JTU理事会が決定する。
<JTUスポンサープログラム>
JTU年間公式大会(主催・共催大会の中から数大会を,99トライアスロン・ジャパンカップに指定)に対しては、JTUスポンサープログラム賛同企業(NTT、NICOS、日清製粉他)から、JTUを通して助成金が交付される。
<JTU主催・共催大会の開催基本条件>
開催母体と大会運営推進:
- 開催母体が、自治体あるいは公共機関・団体であること。またはこれに準ずる団体であること。また、JTU加盟団体が協力もしくは主管すること。さらに、大会企画からJTU/ITUおよびJTU加盟団体が加わること。
- 大会予算が確保されていること、あるいはその可能性が高いこと。新規申請大会の場合、JTU(ITU)からの視察員若干名の旅費交通費を負担できること。
競技コースと競技運営、参加選手:
- 競技コースおよび総合環境が適当であること。また、所轄関係団体の開催許可取得が可能であること、あるいは可能性が十分見込まれること。
- JTU/ITU競技規則・運営規則が適用され、安全対策が十分可能であること。さらに、必要十分な運営スタッフが、開催地元を中心に手配できること。
- JTU加盟団体の登録選手を対象とすること。競技区分により参加選手が限定されること。
国際大会での海外選手参加は、競技団体を通した公式招聘を行うこと。
交通・宿泊など、参加選手に対する便宜供与が十分に行われること。
協賛企業とメディア対応:
- JTU/ITUスポンサープログラムの適用、同業他社は不可であること。
- 全国または全世界規模でのメディア対応が可能なこと。
総合指針:JTU、ITUあるいはASTCの指針を尊重し、トライアスロンの総合的な普及強化に貢献できること。
1999年(平成11年)以降の大会応募・公告内容(資料)
- トライアスロン日本選手権大会、他
- 日本トライアスロン選手権(51.5Km)
- ドラフティング公認レース
スイム@−3周回。バイク@−8周回。ラン@−4周回基本。完全交通規制。
- ◇ジュニア部門(15〜19歳)の併催が基本。
- 日本ロングディスタンス・トライアスロン選手権
- 全日本トライアスロン選抜選手権/都道府県対抗(51.5Km)
- アジア選手権日本代表選手選考大会(51.5Kmトライアスロン)
- ドラフティング公認レース
- 第8回アジア選手権は、98年7月に韓国開催予定。
- 学生選手権、ジュニア大会
- 日本学生トライアスロン選手権(51.5Km)
- 日本学生トライアスロン選手権ブロック予選大会(51.5Km)
- 日本ジュニアトライアスロン選手権(15〜19歳)
- 日本選手権との併催が前提。上欄1)日本選手権との同一申請となります。
- ユース・ちびっ子を対象とする大会
- ITU,ASTC管轄大会
- ITUトライアスロン・ワールドカップ(1〜2戦/51.5Km)
- ドラフティング公認レース
スイム2周回、バイク4−8周回、ラン2−4基本周回基本。交通完全規制。
- 99年は、4月 沖縄県石垣市、愛知県蒲郡市が内定。
- ITUトライアスロン世界選手権大会(51.5Km)
- エリートコース(ドラフティング対応周回コース)とエージグループコース(ドラフティング未公認コースを設定。土日曜の両日開催を推奨。
- 99年は、8月ドイツ開催予定。
- ASTCロングディスタンス・トライアスロン・アジア選手権大会
- 開催時期は、1999年4月〜11月
- 99年は、日本開催を依頼されている。
- ASTCトライアスロン・アジアカップシリーズ(51.5Km)
- 国際トライアスロン大会
- 51.5Km/ロングディスタンス他各種・トライアスロン
- 国際親善・提携大会を含む。
- 国際インドアー・トライアスロン大会(国内版も同時検討)
- スーパー・スプリントの複数周回コース。水泳コース特設形式。
- 世界学生トライアスロン選手権(51.5Km)
- デュアスロン日本選手権、関連大会
- 日本ロングディスタンス・デュアスロン選手権
- パワーマンジャパンを含む(世界選手権日本代表選考会)
- 99年、秋田県森吉町が立候補予定。
- 日本デュアスロン選手権
- ラン10q、バイク40q、ラン5 q 基準のドラフティング公認レース。
- デュアスロン世界選手権代表選考大会を兼務。
- 日本アクアスロン選手権/公式大会
- 冬季トライアスロンなど関連大会
- ITUウインター・トライアスロン世界選手権が昨年から開催。
- その他
- レディス大会
- 普及・振興を目的とする大会
- 特別種目の大会(プロレ−ス他)
- 身障者大会
<備考1>
ITU:国際トライアスロン連合
ASTC:アジアトライアスロン同盟
<備考2>
トライアスロン・スーパー・スプリント大会の開催推奨
51. 5キロの1/4の距離で、ドラフティング・レース周回コースで実施される。1周2−3キロのコース設定で実施可能。昨年、東京港国際トライアスロン・エリート部門で実施され好評を博した。オリンピックへの強化種目としても注目されている。
スーパー・スプリントを独自に開催することも可能であるが、一般大会のコース一部を使用しての開催もできる。
<備考3>
ITUトライアスロン世界選手権(51.5Km)は、99年ドイツ開催予定。2000年は、オリンピック・イヤーのため調整中。このため、日本からの立候補は、21世紀初頭の開催が想定される。
<備考4>
ITUデュアスロン世界選手権のコース基準は、第1ラン10キロ、バイク40キロ、第2ラン5キロのドラフティング・レース。エージグループ用には、ドラフティング禁止の1周コースが用意される。
<備考5>
インドア・トライアスロン世界選手権は、バンク施設を有する東京ドーム/室内競技場などに特設プールを設定して開催可能。フランスでは、金曜日の国内インドア大会から、土曜日にエリート選抜、そして日曜日にメインイベントとして入場料を取って開催している。
<備考6>
ドラフティング・レース(Drafting Race)は、許可大会の意味。逆はノー・ドラフティング・レース。日本語では「ドラフティング許可(公認/未公認)禁止」で識別することがある。

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