JTU運営規則<改定案と補足説明>

第3章 競技者



第7条(競技者の資格)

  1. 日本国内の大会に出場するには、大会の所轄競技団体(削除:あるいは大会実行委員会)が規定した競技者資格を得る必要がある。
  2. JTU公式大会(主催、共催、他)への出場資格としてJTU登録選手であることが求められる。JTU登録は、各都道府県およびトライアスロン関係団体のJTU加盟団体への登録により行う。
  3. 外国人が日本国内の大会に出場する場合は、自国競技団体の登録を行うか、国内所轄団体の競技者資格を得る必要がある。また、自国競技団体の推薦状を求める場合がある。

補足説明

事例


第8条(大会の選考基準)

  1. 競技者の選考基準は、JTUまたはJTU加盟団体との協議により決定する。
  2. 選考基準は、大会区分および大会特性などにより決定する。

補足説明

事例


第9条(競技者の区分)

  1. 大会主催者は、大会の区分に応じ、参加する競技者を性別、年齢、競技力などに応じグループ化するべきである。特に競技力の異なる男女グループ区分は強く奨励される。
  2. それぞれの区分は、男女別の選手権部門、年齢別部門、ジュニア部門などが設定される。
  3. 年齢基準は、大会日の年齢とする。年齢別部門は、20歳以上から5歳ごとに区分され、ITU基準により年齢の上限を設けない。ただし、年齢区分・年齢の上限は、大会規定により制定されるものとする。
  4. 改定:世界選手権ジュニア部門は、17歳から19歳までの競技者が、ナショナル・ジュニア・チーム(男女各6名)として参加できる。
    (以下、削除)世界選手権ジュニア部門は、13歳以上20歳未満と規定される。13歳以上15歳までを「ジュニア1」、16歳以上19歳までを「ジュニア2」と区分される。ジュニア1における世界選手権大会は、スプリント・ディスタンス(25.75q)と規定する。
  5. 世界選手権ジュニア部門での年齢基準は、大会年度の1月1日時点での年齢と規定される。

補足説明

<身体障害選手の考え方例>

97年6月17日付。和歌山県トライアスロン連合(横山様)への回答から

 目の不自由な選手についてのお問い合わせにつきまして、下記を見解としてご案内致します。ご一覧いただきご意見などお寄せいただければと考えます。

 身体障害者の対応について

 個人的には、身体障害者という概念はトライアスロンという21世紀に向かうスポーツでは、不必要ではないかと考えています。なぜならば、例えば、100mを10秒で走れる人間から見たら、これに15秒あるいは20秒も掛かる人間は、極論すれば身体障害者に見えるかもしれません。同様の例はいくらでもあります。
 また、体の一部が不自由な方が、一般的に身体障害者といわれますが、総合的にみれば、不自由な部分を他の器官が補い、一般の人よりも優れた能力を発揮するということを現実に見聞きします。
 大会においては、競技規則あるいは大会規則の範囲で競技出来るのであれば、どのような人でも健常者と同じ選手として認められ、大会に参加が許可されるべきと考えます。もちろん、それぞれの障害には程度の差があります。耳が不自由である場合は、競技にやや支障がありますので、説明には手話通訳が入りアシストして競技に参加が許可されるのは当然です。
 今後は、「特殊技能審判員」として、手話通訳のできる審判も養成したいところです。また、審判用の共通のサインを完成することがITUでも討議されています。現段階では、イエローカードの概念が周知されており、耳の不自由な選手にも十分対応できると考えます。
 また、競技者としては立派に通用するもののやや不自由がある選手に対しては、マーシャルができるアシストの適用範囲を広げることも必要です。現実にロングディスタンスの大会で、この適用を広げ実施した例があります。
 昨今、定義されるタンデムによるバイク競技は、交通法規では許可されないという問題があります。将来的には、このような競技者が参加できる大会が実施できれば良いと思います。また、一般道路を使用せず、一般参加選手に支障がなければ運営を工夫し、これを認めることは推奨されるものです。
 さて、目の不自由な選手についてですが、前述の説明でご察し願えるかとは思いますが、一般の大会では、規則に適応することが出来ないため参加は難しいでしょう。しかしながら、下記のような条件が整えば、参加していただくことも素晴らしいと考えます。

以上が最低の条件であると思います。さらに、競技コースは、全般的に広く平坦であることが必要でしょう。

 以上、概況を説明してきましたが、国際トライアスロン連合(ITU) ではオリンピックで併催されるパラリンピックでもトライアスロンが実施されることを望んでいます。採用された暁には早速、参加選手の選考が必要であり、望むらくは、上記の条件を満たす大会が「特別レース」として広く参加者を求め、開催できるようになることを期待します。

(加筆)物事を前向きにとらえ表現することは、差別をなくするという趣旨からも積極的に行われている。身体障害者は、フィジカリー・チャレンジド・アスリートPhisically Challenged Athletes(肉体的に挑戦する選手)とし、その実質的な意味を全面に出すようになった。ITUでは、この名称の専門委員会を設置している。

<年齢制限についての考え方>

98年12月25日付。新潟県トライアスロン連合(大橋会長)宛て依頼より

 佐渡トライアスロン大会の年齢制限について(お願い)

 佐渡の世界選手権そして村上アジアカップは、新潟県トライアスロン連合のご尽力のもと大成功をおさめることができました。また、先日の北陸ブロックの上級レベル勉強会では、積極的に開催を推進されありがとうございます。改めて新潟県の技術・審判関係の皆様に感謝申し上げます。
 さて、佐渡大会の65歳までという年齢制限につきましては、これまでも当年齢を間近にした選手からいくつもの要望を頂いており、来期に向け早めに検討したい課題です。今回の佐渡世界選手権では、ITUルールに従い、実質的に年齢制限なしということで問題なく実施することができました。
 そこで、70歳以上の選手が楽々と完走する姿を目の当たりにし、この機会に是非とも年齢制限の延長を検討しなければ、真の老若男女の“生涯スポーツ”にはなりえないのではと思慮するところです。
 この変更には関係各位からのご意見を尊重しなければなりません。特に主催者の安全に対する並々ならぬ決意の表明からの規定ということも理解しながら慎重に、しかも早めに検討作業に着手しなければならないと思います。
 海外選手との意識の差や体力面での差などを考慮しながらも、一方で国内選手からも「あの素晴らしい佐渡大会で65歳を越えてからも競技を続けたい。出られなくなってしまうのは何とも淋しい」等々の強い要望をいただいております。
 さらに、大橋会長がコメントしていたように年長者のほうが完走率が高い、自分のペースで行える持久競技では、若年層よりも精神的に安定した競技を行う傾向があるなど、これらを検討資料してまとめれば佐渡大会主催者にもご納得いただけるのではないかと考えるところです。
 また、メディカル委員会の勝村委員長の見解でも65歳以上の選手のロングディスタンス・トライアスロンへの参加について次のような見解をいただいております。

  1. トライアスロンは距離にかかわらず内容を承知し、この完走のために、鍛練を重ね自己責任で参加しているものである。
  2. ハワイ初め海外のロングディスタンス・トライアスロンでも65歳を超えた選手が自分のペースを守り元気に完走している。
 さらに、先日のJTU理事会でも、佐渡世界選手権の事例などから、日本国内のロングディスタンス大会においても、年齢制限を緩和すべきとの見解となっています。
 以上のことから次の前提(案)により、今後の佐渡大会での年齢制限を延長されるよう期待するものです。
  1. 過去3年間継続的にトライアスロンあるいは関連複合競技をみずから競技し、問題を生じたことがないこと。
  2. 過去3年間に佐渡大会に出場したことがあり、完走経験があること。また、エンリー区分は、Bタイプのみの完走経験者はこれに限定すること。
  3. 大会参加の1カ月以内に健康診断を受け、健康であることが証明されていることまた問題があったときは自ら参加を事態すること。
  4. 一般の参加者に適用されている誓約書とは別に、大会会長に宛てた「佐渡大会に参加する理由」をメッセージにして提出すること。
  5. 所属競技団体からの推薦を受けること。
  6. 出場選手は、競技終了後にメデイカル検査を受け今後のデータとし、65歳以上のロングディスタンス・トライアスロン大会参加の研究に付すること。
以上により、佐渡大会の主催関係者が安心して65歳以上の選手を迎え入れられる医事科学的な面からの支援を行い、主催者の理解を願えればと考えております。


第10条(参加定員)

  1. 参加定員は、競技コースの有効面積、使用許可状況、安全対策、運営委員会の経験と体制などを考慮し、開催地元関係機関および所轄競技団体との協議の上決定する。
  2. (追加)予選大会や選手権大会などは、一般競技者とは区分して競技を行うことを基準とする。これにより競技者数が限定されるため、一般部門の参加人数の調整を図らなければいけない。

補足説明

事例


第11条(チーム対抗)

  1. (1) ロングディスタンスのトライアスロンやデュアスロン世界選手権大会では国別対抗が行われ表彰される。
    (2) エリート・ジュニアそれぞれ男女各6名により構成されるナショナルチームの上位3名の総合タイムが合計され、最小合計タイムチームが1位となる。
    (3) 同一タイムの場合は、該当チームそれぞれの3位競技者が総合で上位であるチームを優位とする。
  2. 国内大会でのチーム対抗、都道府県対抗においても世界選手権方式を導入する。

補足説明

事例


第12条(表彰)

  1. 各部門において、それぞれの男女上位3名、上位3チームはメダル・トロフィーなどによりその栄誉を讃える。
    (以下、削除。<補足>ITUでは、男女の完全な平等を提唱している)
    表彰は、参加人数にかかわらず男女を区分し、表彰内容の質量ともに平等とする。
  2. JTU指定の選手権大会においては、JTU会長杯を贈呈する。
  3. JTUは、年間優秀選手を認定し表彰する。JTU加盟団体においても登録選手の年間優秀選手の表彰が推奨される。

補足説明


第13条(ユニフォーム/競技ウェアとレースナンバー/ゼッケン)<追加修正>

  1. 主催者は、競技者にレースナンバー、ヘルメットナンバー、バイク・ナンバーを提供し、取り付け方法を指示する。
  2. ユニフォームへの文字やロゴ表示は、一般的に許可する。大会により特別な規定があるときは、事前に告知する。
    「3.表示サイズ..」は、競技規則に移動。
  3. レースナンバー(ユニフォーム用):
    サイズは、縦17cm×横20cmとする。スポンサー表示は、上部スペース縦5cm。番号数字スペースは縦6cm。下部の大会名は縦3cmとする。
    バイクでは、1枚の場合、背面のみ。2枚では背面と全面。大会により、バイクでのレースナンバーを廃止することがある。
    ランでは、1枚の場合、前面のみ。2枚では背面と全面。
    ナンバーベルトの使用は、レース中、常に全面が見えることを前提に、男女とも使用を許可する。ただし、主催者はレースナンバーの4隅をしっかりと縫い付けるかピンでとめることを奨励する。
                    ←     20cm      → 
                −−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+↑ 
                5cm | ス ポ ン サ ー 表 示   |
                −−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+
                   |レース             |
                9cm |ナンバー 5  1  5    |17cm
                −−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+
                3cm |  大  会  名       |
                −−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+↓
    
  4. バイク・ナンバー:
    サイズは、縦8cm×横12. 5cmとする。スポンサー表示は、上部スペース縦3cm。番号数字スペースは縦5cm。
    サドル下の両面、またはハンドル下フレーム部分両面に2枚を両サイドから見えるように貼る/取り付ける。
                     ←  12. 5cm    → 
                −−−+−−−−−−−−−−−−−+↑ 
                3cm | ス ポ ン サ ー    |
                −−−+−−−−−−−−−−−−−+
                    |バイク          |8cm
                5cm |ナンバー 5  1     |
                −−−+−−−−−−−−−−−−−+↓ 
    
  5. ヘルメット・ナンバー:
    サイズは、縦5cm×横8cmとする。スポンサー表示は、上部スペース縦2cm。番号数字スペースは縦3cm。
    前面と右側面(右肩側)の2カ所に貼る。JTU/ITU公式大会では、前面と両サイドの3枚。
                     ←   8cm   → 
                −−−+−−−−−−−−−−+↑ 
                2cm |ス ポ ン サ ー |
                −−−+−−−−−−−−−−+5cm
                    |ヘルメット     |
                3cm |ナンバー  5    |↓ 
                −−−+−−−−−−−−−−+     
    
  6. ボディ・ナンバー:
    大会規定により、省略することもあるが、基本は、腕や大腿部に明示する。

補足説明



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