JTU運営規則<改定案と補足説明>
第4章 登録と競技者管理
第14条(募集から受付)
- 競技参加者の募集は、第3章競技者および第22章ローカルルールを加味し実施する。競技者の総合的な適性を判定するため選考を行う。募集資料は、競技者管理上の重要データとして厳重に保管する。
- 大会への募集要項には、次の項目を明記する。
- 大会概要
- 競技コース情報
- スイム:水質状況、波、潮流などについても明記する。
- バイク・ラン:交通規制状況は、詳しく明記する。両面完全規制、片側規制、交通規制なし、などを種目別に明記する。
コース状況や高低差などの詳細説明が有効である。
- 競技制限時間。総合制限と部門別制限。
- 気象予想
- その他必要事項
- 参加内定通知には、次の項目を明記する。
- 大会概要の詳細
- 競技コース詳細補足
- 競技日程
- コース図解
- 大会交通規制の詳細状況
- 気象予想
- ローカルルール(競技用具の使用規定、他)
- 交通宿泊案内
- 参加手続方法
- 大会保険内容
- その他必要事項
- 大会受付では、次の資料を配付する。
- 上記の詳細、追加説明
- 競技最終日程
- 競技者レースナンバー名簿
- ローカルルール詳細
- 競技用レースナンバー類
- IDカード
- その他必要事項
- 大会当日受付での直前案内。
- 「公式掲示板」での次のことを案内する。
- 気象状況
- ウェットスーツ適用ルール
- スタート時間とスイムキャップの色分け
- 制限時間
- 全体スケジュール
- その他
補足説明
- 「競技者が、大会内容を良く納得して参加申込みをする」ことが重要である。そのため、競技情報はできるだけ詳細なものを提供する。
- 競技コースの内容を、書面でいかによく説明できるかがポイントとなる。コース図面は立体的なものがより良く、各ポイントに注意が添えられているとなお良いだろう。コンピューターグラフィックスなども応用したい。
- 大会情報は、刻々と変化する。これについても、受付そして競技説明会、公式掲示板、さらにはアナウンスなどにより最新情報を正確に伝える。
- 受付での本人確認:《写真付き身分証明書類》で本人確認を行う。運転免許証、パスポート、写真付きクレジットカード、公認審判員証など。
第15条(競技者の提出資料)
- 大会主催者は、大会参加希望者から、次の項目の明示を求める必要がある。
- 競技者基本データ(氏名、性別、生年月日、身長体重、他)
- 所属(JTU所属加盟団体と登録番号、会社、学校、チームなど)
- 住所連絡関係
- 競技歴(トライアスロン、一般スポーツ)
- 競技者特筆事項
- その他必要事項(所属加盟団体推薦状、年会費支払い送金証、他)
補足説明
- これら個人情報の主催者管理が重要なことはいうまでもないが、大会の盛り上げのためにこれらの一部を公開することがある。これらは社会良識の範囲で判断する。
- メディアや一般からの問い合わせについては、基本として本人の了解のもとに個人データを公開する。
第16条(誓約書・健康管理証明・保険)
- 競技者は、JTU競技規則第2章競技者規範に明記されるように、競技を遂行するための十分な体力と技術を有していることが要求される。
- 競技者は、社会人として自己の責任と管理において大会に参加することが求められる。
- 主催者は所轄競技団体と連携し、競技者の申告データおよび所轄競技団体の有する登録データなどにより適性を判断する。
- 主催者は、以上のことを確認するために、誓約書(削除:および健康診断書類)の提出を求める。さらに、大会の特性により健康診断書の提出を求めることがある。
- 主催者は、競技者、大会スタッフおよび大会全体に対する傷害保険に加入しなければならない。なお、保険金額は、社会通念に基づき適当なものとする。保険内容は、参加競技者に提示するものとする。
補足説明
- 主催者は、競技団体との連携により、競技者の適正能力を判断する。選手権レベルの大会では、競技者を日頃管轄している所属競技団体の推薦を求めることが一般的となった。
- 競技者の運動能力を書面で判断することはむずかしい。さらに、応募時点では競技に耐えられる健康を保持していても、それ以降は分からない。そのため、自己責任と自己管理が要請される。
- 専門の医者であっても、「大会で安全に競技できることを保証」することはできない。競技者は、負荷心電図検査を含む健康診断を年に一度は受けることが基本的な心構えとされる。これらを確認するために、誓約書の提出を願う。
- 「大会主催者に一切の迷惑は掛けない」なる内容の誓約書に署名しても、これで主催者の責任がすべて免除されるものではない。
「競技者そして親族が、トライアスロンあるいは関連複合競技の厳しさを了解してもらう意義」が重要である。
- 用具類の紛失についても誓約書に明記されることだが、「完全な本人責任」である場合と「主催者にも責任の一部」があることを理解しなければならない。
第16条+α(競技者の健康管理) 全文追加案
安全な競技を行えるよう、大会期間中の競技者の健康管理には次の留意点により十分な配慮を行う。
- 健康相談、救急医療施設
- 大会開催地での飲食店や日用品店を案内する。また、各種病院を案内し、診療の際の便宜供与が図れるよう、主催者は、事前の配慮を行う。
- 大会受付本部での健康相談コーナーを設置する。
- 競技スタート前
- 大会当日の健康相談や簡易医療ができる施設を整える。
- 競技スタート前
- 大会当日の受付時間の締切り時間を必要以上に早めないよう計画する。受付時間の締切り時間は、スタート前1時間を基準とする。
ウェーブスタート実施の場合でも、この基準を守れるよう計画する。交通規制あるいは運営管理上、後続のスタート競技者がこれを大幅にこえる場合は、次に示す対応を行い、競技者の負担を減らし健康管理を優先する。
- スタート区分での待機時間。出入が規制されるスタートエリアには、次の施設を設置しスタート直前の緊張した競技者の体調保存に努める。
- エイドステーション(水)
- 簡易トイレ(男女区分)
- 公式掲示板
さらに、気温が30度前後あるいはこれを越えることが予想されるときは、日除け施設あるいはこれに代わるテント、日除けシートなどを設置する。
雨天などにより20度前後あるいはこれ以下が予想されるときは、雨天対策、防寒対策を行う。
- 待機時間は、15分から最長でも30分を基準とし、これ以上1箇所に競技者をとどめることを避ける。
ウェーブスタートでの後続スタート競技者も、第1スタート競技者と同様な待機時間を設定し、必要以上に待たせない。
- 適当な待機場所の確保
- オープニングセレモニーなどは、激励の挨拶を数分で終了することが望ましい。実施する場合は、5分から10分で終了するよう計画する。
また、このための集合時間で競技者を、必要以上に長く待たせる・立たせる・整列させるなどは行わない。
- スタートエリアへの入場チェックのために、待機時間を長引かせない。
- ウォームアップ時間と場所の確保
- スタート前のスイムでのウォームアップ時間と場所を確保する。
- スタート15分から30分前までのウォームアップ時間を認める。
- 競技フィニッシュ後
- 緊急時の対応を計画し、一時、安静にできる保護施設を確保する。
- レース終了直後に、身体を延ばしリラックスできるエリアを設け、簡易飲食物の提供を容易する。
補足説明
- スタート前のタイムスケジュール(例)
07:00〜09:00 当日登録
09:00 スタートエリアへの入場開始
09:30〜45 スタートエリアへの入場締切り
09:45 ウォームアップ終了(後半ウェーブは、限定エリアでのウォームアップを認める)
09:50 開会の挨拶
09:55 第1ウェーブ スタートラインから10m手前にスタンバイ(順次、スタートラインへ)
09:59 スタートラインへ進む。スタート用意
10:00 第1スタート合図(スイム・スタート)
10:05 第2スタート
10:15 第3スタート
10:20 第4スタート
10:25 第5スタート
- ウォームアップをしてからスタートまで1時間もあいていたら、その意味がないといわれる。
事例
- スイムのウォームアップを認めないとするアジアでの大会があった。選手やコーチはこれに敢然と抗議したが、受け入れられない。
そこで、所轄競技団体のアジアトライアスロン同盟(ASTC)へ提訴することを訴えた結果、スイムでのウォームアップが認められた。

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