■今日多くの人々が色々な楽器を通して音楽に関わっております。その中でも特にピアノは、普及率も高く、社会的にも大きな、役割を持ち、一般的で身近な存在になっています。

■にもかかわらず、ピアノに対しての管理のしかたや、手入れの方法、メカニックに対しての知識等、あまりにも無関心な人が多く(20年や30年放っておいても音は出るでしょうが)、

■音楽を表現するためにどのような管理と知識が必要なのか、専門家でも関心の有る人は少なく、多少の知識が有ってもメーカーや楽器店側からの一方的且つ商業的なものが多いのです。

■他の楽器を演奏する人達と比べると、あまりにも楽器(ピアノ)に対しての知識と愛情が足らないように思えます。そのため、なかなか良い状態のピアノが有りません。
■ピアノは楽器です、単なる工業製品でも、商品でもありません、どういう音で音楽を語らせるかです。

■ピアノが家に来た時から、初めてあなたが、楽器として育てていく物なのです。むろんピアノ技術者の意見や手を借りなければなりませんが。
■最初いくら鳴っていても、それ以上弾き込んでも変わらなかったり、どんどん音が悪くなったりする物や、良くないと思う物が手を入れる(楽器相対としての整備)事によって素晴しく良くなる物も有ります。

■ピアノは、それ自体大きくても、とてもデリケートな楽器である事を知って戴きたいのです。
■例えば、ほんの少し部品がズレただけで「ポーン」と伸びていた音が「ポコッ」となってしまうことも有るのです。


※※※ピアノにはどんな整備が有るのでしょうか?※※※ 

■ピアノ技術者は普通3つの工程に分けています、これは、あくまで作業上の事で、ピアノを楽器として見た場合3つの作業が互いに関連し合っています。

【1】整調
基本的には、鍵盤から弦を打つハンマーまでの機械の部分を、アクション(打弦機構)といいます。このアクション部品のズレや、歪みを直し、正しく物理運動をするようにする。また、コンマ何ミリの調整で、タッチや音量、音色に、影響を与える。(部品はフェルトや木材等が多く使われているため、湿度や気温の変化で狂い易く、また、使用する事により消耗する箇所もでる。)

【2】調律
弦の張力を加減して音の高低を合わせ音階やハーモニーを美しくする。(直接音色や、鳴り方には関係ない。)

【3】整音(ヴォイシング)
美しい発声を与え、発音をそろえ、イントネーションをつくり、pp(ピアニッシモ)から、ff(フォルテッシモ)までのダイナミックレンジを可能な限り広くして、ppでぼけず、ffでわれず、クレシェンドも、デクレッシェドも、無理なく表現出来る用に、弦を打つハンマーに手を加えます。例えば、ドの音でターンと響き、レの音でペーンと鳴ったのでは、音楽を奏でる事は出来ません。

■これ以外に、ピアノを演奏する人や、管理する人が、どれだけ愛情を持って接しているかで、痛み方や、狂い方が、かなり違うようです。



■以上のように、ピアノには多くの手入れが必要です。

特に幼児や子供がレッスンに使用する場合、気をつけてあげたいものです。

幼年時に身に付いた音感(音の高低だけでなく、ハーモニー感やタッチのコントロールによっての音色の変化、音楽的表現等々、)は、その人の一生の音楽的センスを左右します。

■調律は比較的短時間で済ませる事が出来ますが、他の作業は半日〜一日、時には2〜3日掛かる事も有ります。