調律師に出来る事
日常ピアノ技術者が皆さんのお家にお伺いして出来る事

定期的に絶対必要な作業

■普通ピアノ技術者は作業を3つの行程に分けていますが、これは、あくまで作業上の事で、ピアノを楽器として診た場合3つの作業が互いに関連し合っています。

1.調律:弦の張力を加減して音の高低を合わせ音階やハーモニーを美しくします。
時間は1時間半位〜2時間位
ピアノは常時弦1本につき平均80kg〜90kg(なかには120kg)の
張力が架かっています、その弦が220〜230本張って有ります、ピアノ
全体で約20トンにもなり大型バスを2台ぶらさげているのと同じです、
その張力を常に支えていて温度、湿度の変化や時間の経過により少しずつ狂ってしまうのです、又、新品や弦を張り替えたばかりのピアノは弦自体もかなり伸びますので(張ったばかりの弦は1日で半音位下がってしまいます)年に数回の調律をしてもらいましょう。使用頻度や置かれた環境にもよりますが、

通常は年に2回、最低でも年1回の調律をお奨めします。
何年も放置された(特に新しいうちに)ピアノは狂ったままでピアノの
ボディーや弦が落ち着いてしまい、1回や2回の調律では美しい音階や
ハーモニーは得られなくなります。(元に戻すのに何年もかかる事も
あります。)

2.整調:鍵盤から弦を打つハンマーまでの機械(アクション・打弦機構)の部分の
動きをなめらかにし、部品のズレや歪みを直し、正しい物理運動が行える様にします。(コンマ何ミリの調整で、タッチや音量、音色に変化が出る)毎回の調律の時にも出来る範囲では診ておりますが、

部品はフェルトや木材等が多く使われているため、温度、湿度の影響を
受け狂いやすく、また使用する事により消耗する箇所も出来る。
そのために、正しい物理運動ができず、そのピアノ本来のタッチや音楽的表現がしにくくなったり、出来なくなり、悪い癖がついたり、良い感性が損なわれる。新品のピアノはピアノ全体が落ち着いてないため変化が大きく
最初の2年〜3年目位に1度診てもらいましょう。そうすると、後々の狂いも少なく、長持ちする様になります。その後は使用頻度とピアニストのレベルにも依りますが、よほどのプロでない限り3年〜5年、5.6年〜10年が普通だと思います。
時間は状況似よって半日〜2〜3日

3.整音:弦を打つハンマーに(ヤスリをかけたり針を刺したり)手を加えます。

美しい発声を与え、発音そそろえ、イントネーションをつくり、pp
(ピアニッシモ)〜ff(フォルテッシモ)までのダイナミックレンジを
可能な限り広くして、ppでぼけず、ffでわれず、クレッシェンドも、
デクレシェンドも無理なく表現出来るようにします、(例えば、ドの
音でターンと響き、レの音でペーンと鳴ったのでは音楽を奏でる事は
できません。)


新品のピアノは最初の調律の時にしてもらいましょう。
PianoPiaのピアノはすべてこの作業がしてあります、但し控えめに、
それは、お客様の部屋の響き具合を聴いてから、最後の仕上げの整音
をするのです。
その後の使用によりハンマーに弦の跡が溝となって出来たり、経時変化
によりハンマーの弾力がなくなり、音が固くなりうるさく感じたり、
ppが出しにくくなったり、表現力が低下してきます。

ハンマーの質やピアノの質により、又、ピアニストのレベルによって
かなりの差が有りますので、そのつど技術者に相談して下さい。


『ピアノの表現力について』
を参照にして下さい。

以上のように、ピアノには多くの手入れが必要です

特に幼児や子供がレッスンに使用する場合、気を付けてあげて下さい。
幼年時に身に付いた音感(音の高低だけでなく、ハーモニー感やタッチのコントロールによる音色の変化、音楽的表現等々)は、その人の一生の音楽的センスを左右します。

その他必要に応じてする作業
4.断線やその他不具合が発生した時の小さな修理
5.ピアノ内部の掃除
6.塗装の小さなキズの修理
7.お客様へのアドバイス、相談、その他etc.