AZNPEXPLAIN2:  現象の数式表現と意味の説明 

Return to Top 数式 数値計算の説明 図形表現のページ 気象現象の数式表現  Last Updated 2002-6/06
現象の数式表現と意味の説明 基礎的な話 1: F=mα は物理学や力学の初歩的な教科書に必ず出てきます。 この意味するところは、実は「初歩的」な意味でなく、「普遍的」かつ「基礎的」な 力関係を意味するものです。 1.静止している物体の位置を変えない場合、新たな力を必要としないこと。 α=(0−0)/t=0 の加速度を受けます。 2.静止している物体を動かすには、力が必要なこと。   物体は、このとき必然的に、速度0から有限の速度 v を得ます。   換言すれば、速度0からある速度 v に到達するまでの時間間隔を t とするき、    α=(v−v0)/tの加速度を受けます。 3.運動している物体の速度を変更するには、力が必要なこと。   物体は、このとき必然的に、速度 v から Δv 速度になります。   換言すれば、速度 v からある速度 v+Δv に到達するまでの時間間隔を t とするき、    α=((v+Δ)−v0))/t=Δv/t の加速度を受けます。  「加速度」というものが出てきたらその背後には必ず、「力」が存在している、   或いは、作用していると考えてください。そして、作用する物体は何か、作用される   物体は何か、を必ず「特定」してください。 この「力」には様々な種類のものがありますが、 1.速度に比例又は反比例した力、 2.位置、距離に比例又は反比例した力、さらには距離の2乗に反比例した力、 3.速度や距離に無関係な、強制力或いは外力と呼ばれる力 などがあります。 物体の運動は、たとえば、 その変位をx、経過時間をtとするとき、詳しい説明は後述しますが、 d2x/dt2=-p(dx/dt)-q(x)+Asinφ などとして表されるものがあります。 力学や電磁気学において、この微分方程式であらわされる現象は結構多いようです。 物体が 「質点」として考えられる場合は、上記の考え方が適応できます。 物体が「流体」、すなわち空気や水のような場合は、議論する目的に応じて、 別の視点から論ずる必要があります。 基礎的な話 2: 考える系において、系内の物体が保有するエネルギーは、 エネルギー保存の法則 mv2/2+mgh=一定 が成立すること。 流体力学の世界でのエネルギー保存の法則は、「ベルヌイーイの定理」と呼ばれる v2/2+gh+(1/ρ)p=一定 が用いられます。 エネルギーは「不増不減」です。ただし、時間空間を限定的に考える場合、すなわち系の 一部分だけで話をする場合には、その局所部分において、エネルギーの増減がありえます。 基礎的な話 3: 質量保存の法則 或る系を考える場合、その系への物質の流入と流出は同一です。 もし、このバランスが崩れた状態が生じているなら、もっと大きな系における 流入、流出が同一であるべきです。質量も「不増不減」なのです。
p.133 1階微分方程式    dy/dx=2(x+1)y p.163 連立1階非線形微分方程式    dx/dt=ax-bxy dy/dt=-cy+dxy p.168 2階微分方程式 Md2x/dt2+pdx/dt+qx=0 p.179 連立2階微分方程式     M1d2x/dt2+hdx/dt+k1x-k2(y-x)=Asinλt M2d2y/dt2 +k2(y-x)=0   
-------------------------------------------------------------------------------     ラプラス方程式:     ∂2u/∂x2+∂2u/∂y2+∂2u/∂z2=0        ・3次元の温度分布を表す。このほか、         流体力学のポテンシャル流れ、         電磁気学の静電ポテンシャル問題を表現する。        ・ラプラス方程式の解 u=f(x,y,z)は、調和関数と呼ばれる。     ヘルムホルツ方程式:     ∂2u/∂x2+κ2u=0        ・一定の振動数ω/(2π)で振動する波動を表現する。        ・ヘルムホルツ方程式の固有値問題→膜の振動     ポアソン方程式:     ∂2T/∂x2+∂2T/∂y2+∂2T/∂z2=f(x,y,z)        ・ラプラス方程式において、外力fや熱源fを含む現象を表現する。     流れ関数φと渦度ζの関係、をポアソン方程式で表現する:     ∂2φ/∂x2+∂2φ/∂y2+ζ=0        ・渦度ω=0の流れ(「渦なし流れ」或いは「ポテンシャル流れ」)         ∂2φ/∂x2+∂2φ/∂y2=0         であらわされる。     ガウスの定理、電磁気学のガウスの定理は、電位φ、電荷密度ρ、誘電率ε、電場Eのとき         divE=ρ/ε       ∂2φ/∂x2+∂2φ/∂y2+∂2φ/∂z2=-ρ/ε         であらわされる。 ------------------------------------------------------------------------------- pp.13 状態の変動が波として観察される現象を表現する。[双曲型方程式] ・糸の振動。水面波、電波、音波、地震波等の波動現象を表現する。 pp.14 波動方程式:      時刻tにおける変位をu(x,y,z,t)とするとき、(c2=T/ρ、c:伝播定数、T:張力、ρ:線密度) ∂2u/∂t2=c2(∂2u/∂x2+∂2u/∂y2+∂2u/∂z2)   ------------------------------------------------------------------------------- pp.7 拡散現象と呼ばれる非可逆的な現象を表現する。[放物型方程式]        ・或る物体内に温度差や濃度差があると、熱移動や物質の移動が         起こり、平衡状態に到達しようとする。 pp.7  熱伝導方程式:      時刻tにおける温度分布をT(x,y,z,t)とするとき、(κ:熱伝導率、σ:比熱、ρ:線密度) σρ∂T/∂t=κ(∂2T/∂x2+∂2T/∂y2+∂2T/∂z2)  pp.7   拡散方程式:        (C:濃度、D:拡散係数) ∂C/∂t=D∂2C/∂x2     バーガース方程式 ∂u/∂t+u∂u/∂x=ν∂2u/∂x2     ・移流拡散方程式: 移流速=c(一定)のとき       ∂u/∂t+c∂u/∂x=ν∂2u/∂x2     ・拡散方程式: 移流速=c(一定)、かつc=0のとき       ∂u/∂t=ν∂2u/∂x2     ・ホップ方程式: 動粘性率 ν<<1 0のとき        ∂u/∂t+u∂u/∂x=ν∂2u/∂x2     ・移動流方程式: 動粘性率 ν<<1 0、移流速=c(一定値)のとき        ∂u/∂t+c∂u/∂x=0 -------------------------------------------------------------------------------
参考文献 //数値計算 //鷹尾「数値計算のはなし」p.188-197 人工衛星の軌道、     Runge Kutta法のプログラミング //登坂「偏微分方程式の数値シミュレーション」p.7 数理モデルと偏微分方程式 //惑星の軌道 //近藤「力学」p.62-63 万有引力、円軌道、p.118-131 惑星の運動。 //大槻「物理学」p.94-102 円錐曲線、離心率。 //藤原「力学」p.115-128 惑星の運動をベースとした。 //小出「力学」p.43-49 惑星の運動。rとθが、r2θ'=一定、であることで1つの 式にまとめてある。 //木下「天体と軌道の力学」p.24-29 運動方程式の解。
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