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流体の運動、状態の変化を考えるときに、2つの重要な「見方」を必要とします。 −−−>Lagrangeの見方とEulerの見方と言います: 1.流体粒子1個(質点)に着目し、その質点の物理量の変化を議論する。(Lagrangeの見方) −−−>全微分(d /dt)に通ずる。流跡に関連します。 2.空間内のある1点に着目し、そこを通過してゆく流体即ち、質点の集合体が、 その1点で示す物理量の時間的変化を議論する。(Eulerの見方) −−−>偏微分(δ /δt)に通ずる。流線に関連します。 −−>P.70 流体力学 例えば、流量を測定するには、Eulerの見方が必要となり、 移動距離を測定するには、Lagrangeの見方が必要となります。 もう少し知りたい人のために−−>流体の物理量(ベクトルAとする)を表現することにおいて、 EulerとLagrangeは、相互乗り入れができるようです。 厳密な表記ではありませんが、 dA/dt=δA/δt+A・∇A の関係があります。(∇は勾配の偏微分を表す) この式で大事なのは、右辺第二項で、[移流項]と呼ばれます。−−>[流体の特徴!!] 地衡風 : 風は気圧の高いところから低いところへ向かって吹きますが、 総観規模的には地球の自転の影響のため、コリオリ力により風向が転向させられます。 地衡風の風速計算は 高度または気圧 のいずれかが分れば、計算可能です。 等圧面における離れた2点の高度を与えて風速を求めること。 −−>高層天気図の等高線間隔および高度差を読み取って計算可能。 等高度での2地点の気圧をP1、P2とする。 気圧傾度力: dP/dL=(P2−P1)/dL コリオリ力: fu=−1/ρ・dp/dy 2式を等値して、風速uを求める。(dp=P2-P1) なお、高度Zは下記2式により、温度と関係付けられます。 dP=−ρgdZ P=ρRT また、高度Zは温度減率Γによっても決められます。 鉛直流 : 上層の蛇行流(地衡風)の下には対応する上昇・下降気流が存在します。 −−>P.12 鉛直P速度、−−>P.08 立体構造図を参照して下さい。 温度風 : 上層・下層を流れるそれぞれの地衡風のベクトル差で表現されたベクトルを「温度風」と呼び、 思考上の(大気の状態を検討するための)風として考えられています。 大気粒子の移動を表現していませんので、実在の風ではありません。 上下層の風の間には「温度風の関係がある」という表現をしています。 温度風の関係は、 ・静水圧平衡の式 fu=−1/ρ・dp/dy ・地衡風平衡の式 dp/dz=−ρg この2式より、微分等の数学的操作を経たうえ、次式が導出されます。 du/dz=−g/fT・dT/dy このように、上下層の風は、風速、高度、気温、気圧 が関係付けられますので、 天気図解析に有用とされています。 例えば、この温度風の関係式は、 「南ほど暖かい時、上空では西風が強い」と言うことを表現し、 同様に、 「東ほど暖かい時、上空では南風が強い」と言うことを表現しています。