高度は、大気塊がその位置(高度)に[存在]することを示すものです。 |
天気図への応用として、 指定[高度](気圧面)で、種々の作業を行います。 850hPa−−500hPa でSSIを算出して、大気の安定性を判定します。 500hPa でP.14渦度、高度、P.40地衡風、 700hPa でP.12上昇/下降気流、P.24湿り域、 850hPa でP.26相当温位、P.10風向・風速 を高層天気図から読み取り、高気圧、低気圧の位置、地衡風の風速の推定・確認 を行い、天気予想の判断材料にします。 見方 : 「高度」には、「等圧面高度」と「geopotential高度」とがあります。 目的に応じて、両者ともよく使われます。
高度Zを算出することの出来る理論的根拠 : 「高度」は観測して得られるものではありません。 ΔP=ρgΔZ の関係より、気圧を測定することにより「高度」を算出できます。 高度が高い観測点の気圧は、海面更正して、地上天気図に表示します。 低気圧来襲時、海水面の水面の[高度]即ち、潮位の上昇を算出出来ます。 プリミティブ方程式(P.66参照)における「高度」の関与に関する検討: 1.運動方程式は、高度、即ち位置そのものを表すものです。(各種の座標系で表現される) 2.気体の状態方程式は、高度を求めるためのものではありませんが、 どんな高度でも、常にこの式が成立しています。制約条件として機能します。 3.質量保存則は、大気が連続流体であることを示します。制約条件となります。 この法則が高度(位置)を決める主役となるものではありません。 4.熱力学の第一法則は、外部仕事と内部エネルギーの関係を表すもので、 高度とは直接関係ありません。(高度変化により温度変化という関係はありますが) 5.水蒸気量保存則は、これも高度とは直接関係ありません。 その他の法則等との関連: エネルギー保存則−−−>大気塊を質点と見なす事ができるときの風速や高度が関係します。 ベルヌーイの定理−−−>流体のためのエネルギー保存則です。風速、高度、気圧と関係します。 渦位保存則−−−−−−>高度が変化しても成立するよう渦度が変化します。 角運動量保存則−−−−>高度が回転運動といかなる関係があるのかよくわかりません。 |