AZR20 気象の理論  気圧
    前頁 次頁 目次  PageLink Last Updated:1998-3/12
気圧は、大気塊がそこに粒子としてでなく、流体として一定の勢力が[存在]することを
    示しています。 
「気圧」は、大気の持つ潜在的な外部仕事を表します。
「気圧」は、大気塊を、気圧の高いところから気圧の低いところへ、移動を引き起す力となります。
「気圧」は、高度との互換性があります。
「気圧」は、大気塊が、重力方向に引っ張られることにより、[重量]が生じ、
      気圧として認識されます。
    
高気圧、低気圧の位置、の推定に結びつけます。

 
気圧と気体の状態方程式に関し ての非常に重要な説明図です。  P=ρRT と  ΔP=ρgΔZ  の意味するところを、 シッカリと読みとり、 理解して下さい。 即ち、P=ρRT は、 大気のどんな層、 どんな場所においても、 気圧は、温度及び密度に 比例して変化する、 と言うことを 表している式です。  ΔP=ρgΔZ は、 静水圧平衡をベースとして、 大気各層において、 ΔZの大気重量を支えるには ΔPの力が必要なことを 表しています。
気圧の生じる理論的根拠 :
   「気圧」は任意の高度において、1平米あたりのその上層の大気の重量の総和です。
    上図のスライスした部分を積算して求めることができます。

プリミティブ方程式(P.66参照)における「気圧」の関与きついての考察:
    1.運動方程式は、気圧そのものを表すものではありません。
      (気圧座標系で表現されることはあります)
    2.気体の状態方程式は、気圧と温度の関係を既定します。
    3.質量保存則は、大気が連続流体であることを示します。制約条件となります。
      この法則が気圧を決める主役となるものではありません。
    4.熱力学の第一法則は、外部仕事と内部エネルギーの関係を表すもので、
      気圧とは直接関係ありません。
    5.水蒸気量保存則は、これも気圧とは直接関係ありません。

その他の法則等との関連:
    エネルギー保存則−−−>大気塊を質点と見なす事ができるときの風速や高度が関係します。
              気圧とは直接関係ないようです。 
    ベルヌーイの定理−−−>流体のためのエネルギー保存則です。風速、高度、気圧と関係します。
    渦位保存則−−−−−−>風速が関係しそうですが、よくわかりません。
    角運動量保存則−−−−>回転運動を考慮する必要があるときは、風速と関係しますが、
              気圧と関連して議論することは、ないようです。