AZR24 気象の理論  湿数
    前頁 次頁 目次   PageLink Last Updated:1998-3/12
湿数とは、大気塊のなかに水蒸気が[存在]することを示すものです。

「湿数」は、大気の[しめりの程度]を表現し、大気の安定性を判別するための重要な気象要素です。
「湿数」は、降水域、上昇流、下降流の存在の推定に結びつけます。

 

気温と露点温度が分れば、     T−Td=湿数   で算出されます。   湿度、水蒸気量が分ります。   大気の安定性や、水蒸気の凝結量(降水量)の推定に用いることが出来ます。 [湿数]がどうなると大気は不安性となるかを、次ページの図で確認して下さい。   数値予報モデルを通した結果として、     高層天気図には湿り域として表示されます。     地上天気図には降水量として表示されます。 P.26 相当温位 P.28 エネルギー線図P.47 湿数も合わせてご検討下さい。
「湿数」算出の理論的根拠 :

   「湿数」は T−Td=湿数  で計算されます。
    エマグラムから、図式に求めることも可能です。
    湿度、水蒸気量と密接に関連します。これらの諸量を算出するのにつかいます。
    ただし「湿数」を求めることは本質的問題ではありません。
    その「湿数」がいかなる結果となるかを知ることが大事です。次ページを参照して下さい。

プリミティブ方程式(P.66参照)における「湿数」の関与についての考察:
    1.運動方程式は、湿数、湿度、水蒸気量とは直接関係ありません。
    2.気体の状態方程式は、これも直接関係ありません。
        水蒸気にたいしても、(水蒸気は気体ですから)常にこの式が成立しています。 
    3.質量保存則は、大気が連続流体であることを示します。
      この法則が湿数を決める主役となるものではありません。
    4.熱力学の第一法則は、外部仕事と内部エネルギーの関係を表すもので、
      湿数とは直接関係ありません。
    5.水蒸気量保存則は、湿数と関係ありそうです。

その他の法則等との関連:
    エネルギー保存則−−−>湿数とは直接関係しません。
    ベルヌーイの定理−−−>流体のためのエネルギー保存則です。風速、高度、気圧と関係しますが、
              湿数とは直接関係しません。
    渦位保存則−−−−−−>湿数とは関係しません。
    角運動量保存則−−−−>回転運動を考慮する必要があるときは、湿数とは関係しません。