AZR28 気象の理論  エマグラム
    前頁 次頁 目次  PageLink Last Updated:1998-3/14
エマグラム   : 

  ・ 大気の単位質量当たりのエネルギー状態を図表化したものが     お馴染みのエマグラムです。(Energy per unit mass diagram)   ・ 大気の安定性判定に使います。 天気予想のための重要な資料です。
「エマグラム」が「エネルギーを表現していること」の確認 :
 ・ 縦軸が pでなく、 Rlogpになっている理由は、大気の状態曲線と上層下層にはさまれた
      四辺形の面積でもって,その大気の位置エネルギーを表そうとするためです。
   (EMA1.GIF) 
以下のように考えるとよいと思います。
 ・ 静水圧平衡の式 △p = −ρg△z より、
                    g△z = −1/ρ・△p
 ・ 上式を微分の形に置き換えると  
             gdz = −/ρ・dp = −(RT/p)dp
              = Td(−Rlogp)
       (エマグラムの縦軸と横軸の乗算表示になりました!)
 ・ 高度z1からz2まで積分すると、
      上式左辺は g(z2−z1) となり、単位質量当たりの位置エネルギーを
   右辺は   Integ.Td(−Rlogp)となり、四辺形の面積をあらわします。
  (上式は、正野重方著「気象学総論」、P.100 を参考にさせて頂きました。)
エマグラムは、大気のネルギー状態を表現するとともに、   大気の安定性判別、湿度の計算、雲頂高度・雲底高度をもとめる、   アンビル、積乱雲、好晴積雲の予想、最高気温の予想 等にも利用できます。 エマグラム上で大気の状態の変化をいろいろ検討して見ます。