AZR42 気象の計算  渦度
    前頁 次頁 目次  PageLink Last Updated:1998-3/15
渦度の計算 : 

  渦度は 2点間の風速差を間隔で除算したものです。

     渦度 = (x方向の速度差/y方向の間隔)−(y方向の速度差/x方向の間隔) 

  一例として、直径300Km、風速およそ50m/sの回転を考え、数値を当てはめて見ますと、
                      100m/s           300X1000m           -110m/s       300x1000m

          渦度  =  (100/300000) −(−110/300000)
        =   210/300000
        =   70x10のマイナス5乗 

     シンプルに言うならば、渦度の値が大きいことは、風が強いことを意味します。
     これは、高気圧、低気圧の強さの一つの指標になると思います。 
Y軸方向の符号に注意して下さい。
 速度差を求める時、X軸、Y軸それぞれ起点側の速度から終点側の速度を求めます。
 ここで、AとCがY軸、X軸の起点側となり、
     BとDがY軸、X軸の終点側となります。
 特に、 上式で(y方向の速度差/x方向の間隔)にマイナス符号がついているのは
 上図で、速度C(北風)はマイナス表現の約束事であり、
 これから速度D〈南風)をマイナスすると、全体が負数になります。
 これを正回転として表すためには、減算結果に負数を付ける必要があるためです。 

                                問題: 或る地点(高度Z´)を中心として、その東西南北の           等圧面高度をZi ,メッシュ間隔をd とするとき、          中心点の渦度は          ζ=Σ(Zi −Z)/d          で与えられる。          これを、地衡渦度という。          渦度が高度の関数であることを証明せよ。  解答: 渦度の定義は       ζ=△v/△L       であるから、       風速vが高度の関数であることを言えればよい。                                           vは△Pに比例する。       水平方向の気圧差△Pは、等圧面の高度差△Zに比例する。      ∴ vは△Zに比例する。       これにより、題意は証明された。