数式の話
「めておろし」における 数式の話に掲載していることを、一部抜粋・追加して再掲載します。 数式、方程式、分子式、構造式など「式」によって変数の間の関係を表現することは、 自然科学の常套手段です。 換算率、変化率、比例・反比例、定数、つり合い、物理量の保存 等いろいろなアイデアを表現します。 即ち、要素と要素が式により結合されて、ひとつの概念・アイデアを表現します。 さて、y=axの時、yはxに比例することは疑いないですが、 ω=2π/86400 のとき、同じ論法を採用できるでしょうか。否です。 外見上、同じ形式をしていても、意味が全く異なりますね。 と、すると私たちは「式が表現しようとしていること」を、 いかにして認識出来るでしょうか。その式に於いて用いられている数字や変数に内在している 意味や性質を良く承知しておく必要があります。 即ち、個々のアイデンティティーを把握した上で、適所適材が必要となります。 気象学には、種々の「式」が登場して来ますが、式は因果関係(自然のストーリー)を記述した 台本みたいなもので、変数や定数は、さしずめストーリーを演ずる「役者」とでも言えましょうか。 「式」を暗記しておくと便利なこともりますが、本来的なストーリーを忘れないようにしなければ なりません。 特に近似や微小項の省略の結果導出された式には、要注意です。 「式の成立条件」を逸脱しての議論は誤った結果に到達する恐れがありますので。 地衡風の風速を求める時の式 : fv=1/ρ・Δp/L は、Dimensionは加速度を表しますが、加速度の釣り合いでは意味が通りません。 上式に重量を加味すると、「力の釣り合い」を表現することになり、式に意味が見えてきます。 即ち、実感できるレベルとなります。 |
変数の話
この2式を見てください。 ΔP= ρgΔZ P = ρRΓZ 〈P = ρRT, T=ΓZの関係を用いた) 層厚を求めたり、海面更正の時に使用したりして用途が広く、かつ重要な式です。 これらの変数にはそれぞれ固有の意味が賦与されています。 これらの変数の アイデンティティー を考えて見て下さい。 式が成立する環境(条件)も考慮しなければなりません。 ρ を仲立ちとして、定数、変数を一つの式にまとめ、相互関係を樹立します。 ΔP/P = g/RΓ・ΔZ/Z となります。 これは、勿論積分できるかたちですが、直接値を代入するとき、 ΔP、P、ΔZ、Z 等の変数に対して、どんな値を用いればよいか迷った経験は有りませんか ? 筆者は、今まで、迷うどころか意味もわきまえず、なんとなく"気持ちの悪い思いをしながら" やっていました。 変数が使用できる 条件、前提、環境 などを考慮する必要があるようです。 |