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生態系 用語

  
  ♪うさぎ追いしかの山、こぶなつりしかの川
   ゆめは今もめぐりて、忘れがたきふるさと。
 

 近年「自然」とか、「生物多様性」とかの言葉が、よく目につくようになった。
自然や生物。普段気にもしなかったその存在と持続が深刻な問題として認識
されるようになって来たからである。

本やWebから、目新しい言葉に出会う機会が多くなってきた。
遭遇した単語類をここに一部であるが、引用してみよう。
又、環境関連のHPへ直接リンクしてみよう。

言葉・用語は、@ABCDに分けてある。
用語の採否は、遭遇したものゆえ、体系的には編集していない。
内容はすべて書きかけであり、予告なく修正変更します。

Originated 2013-8/07, Last Updated 2013-9/11

Bio-Words の一覧表です。  下記表中のwordをクリックする、或いは公式テキストを参照する。   (■印は、図表を示す、或いはたどっていくと図表が出てくる。)

@ 日本生態系協会、試験問題及び文中の用語、主要事項 日本生態系協会HP ビオトープ過去問 試験問題文中に出てきた用語 試験対策主要事項
A 公式テキスト参照事項:

■ 世界の地理区の図=公式テキストp.43。
   この図は、大雑把なように思えます。下記資料があります。
  世界の植物地理区
  世界の動物地理区
   【上記2件の地理区は、下記の資料から抜粋したものです→
    環境省小委員会資料、H14年】
・土壌の構造=テキストp.46 及び、植栽基盤について、施工部門の箇所に記述がほしい。

■ 森林の階層構造図=テキストp.55-56

■ 「場所の選択による保全効果のちがい」図=テキストp.75
    ←ここの文章の記述は不十分・不親切です。抽象的で分かりにくいです。

  問題とする目的関数は何か?
   @種の多様性か、A環境タイプの多様性か
  と言うことを明確な問題意識として、議論すべきではなかろうか。

  「生物の多様性を保全するために」と言う意味を有するタイトルにすべきではないか。
  生物多様性条約の「3つの多様性(遺伝子の、種の、生態系の)」に言及し、
  さらに、生物分類階級の階層「種ー属ー科ー目ー綱ー門ー界」を含めて、
  記述説明すべきだろう。

  と思ったが、過去問題を見て、この図ではそんなに深読みする必要もなさそうだ。
  すなわち、或る場所を与えられたとき、その中に点在する「環境タイプ」において、
  計画すべき地域として個々に点在している一つ一つの区域におけるその中の種の数を
  問題とする(左図)のか、
  それとも個々の「環境タイプ」の数を問題とするのか(右図)、の2つの方針がある、と
  理解すればよいのであろうか。

・「環境タイプ」とは何か??←文献・説明が見つからない。
  ドイツのビオトープタイプ=水域、湿地帯、乾燥地・貧栄養地、
               森林、小川、都市、山岳、草地、、、、
    
・ビオトープ保全事業の成果確認=保全目標種=テキストp.95
■ ダイヤモンドの6原則図(土地の形状と保全効果)=テキストp.99  
   →話は、「MAB計画」へと続く。p.102、ゾーニング&エコトーン。・

・ホットスポットとEBAの意味と関連性を述べよ=テキストp.102〜103
■ 特定外来生物一覧表=テキストp.119
■ 水辺のエコトーン図=テキストp.229

B 行政・法律等 法律用語、「責務」とは 法制局HP、責務 環境省HP H19.環境白書 環境基本計画 ボン条約、クジラを含む 愛知目標、名古屋議定書 特定外来生物・・被害防止 ■ 特定外来生物等一覧 外来生物法特定外来生物等によるレッドデータリスト掲載種への影響一覧種の保存法:生息地等保護区指定地域 保護林制度 国有林野の管理経営に関する法律。国有林。大臣   保護林の種類=(1森林生態系保護地域、2生物遺伝(保存)、3材木遺伝(保存)、           4植物群落(保護)、5動物生息地(保護)、6地理(保護)、7郷土の森) ■地図=1森林生態系保護地域の配置 森林法。保安林(大臣、知事)   保安林の指定=森林法(大臣、知事)          (1号水源、2号土砂流出・3号土砂崩壊、10号保健保安林)。   森林計画等の作成=大臣、知事、市町村、所有者  ■ 世界のホットスポット位置図、35箇所 ■ ラムサール条約湿地位置図、37箇所 ■ 原生自然環境保全地域、5箇所 ■ 自然環境保全地域、10箇所 ■ 都道府県自然環境保全地域、、 ESD ESD概要 環境教育促進法 EIA 配慮書作成の参考例(P.5あたり)です。 低炭素法
外来生物防除(福井県) コンパクトシティー(東北) エコアップ(横浜市) エコシティたかつHP GBO JBO ジオパーク
C 生態学、ビオトープ論: 通し回遊魚(産卵の場所=海か、川のいずれか)、両側回遊魚(川) 留鳥、漂鳥で日本国内に40%弱、渡り鳥50%強。飛ぶ速さの公式 メタ個体群、その考え方。個体群の死滅と存続 生息地パッチ、生息地分断化 日本の森林分布(水平分布・垂直分布図あり) ■ 上記WEB引用、森林分布図 積算温度法則 生態系サービス バイオーム 炭素循環 エコロジカルフットプリント エコタウン 樹林の階層構造と構成種 植物生態系の構成と遷移 遷移 二次林 代償植生 植生自然度(表形式) 引用 図鑑(東京多摩丘陵近郊の鳥類) リター層 http://mangrove-special.com/menu_06.html     マングローブの北限 三宅線=ツマグロヒョウモンや     ナガサキアゲハなどの南方系の蝶 D 施工部門: 【工事、地形、河川】 植栽基盤とは。土の深さ、所要面積 セダム 河川の用語 河川の護岸工 早瀬 ワンド ■ 高水敷(図と説明) サンドバイパス、サンドリサイクル 【生物】 tokutei外来生物(植物)の同定方法、環境省 ゲンジボタル(食=カワニナ。河川(流水))vs  ヘイケボタル(食=タニシ。水田、池、湿原(止水)) 特定外来生物:オオキンゲイギク 河原野菊 蝶の食草・食樹等 アゲハ幼虫の成長記録 ■ 動物の足跡。アニマルトラッキング、     ロコモーション、フィールドサイン
【富士山】 ■ 富士山の植生 富士山の恵み アサギマダラの舞う小富士
=============================================================== ************************************************************************************************** ************************************************************************************************** 責務 責務 国民の責務  責務規定とは、法律の目的や基本理念の実現のために各主体の果たすべき役割を宣言的に規定するものです。国や地方公共団体の責務を規定する法律はよく見られますが、中には、私たち国民に対する責務を規定している法律もあります。  それでは、私たち国民の責務を定める規定には、どのようなものがあるのでしょうか。  まず、「国民は、…国又は地方公共団体が実施する海洋に関する施策に協力するよう努めなければならない」(海洋基本法(平成19年法律第33号)第11条)、といった国又は地方公共団体が講ずる施策に協力することをその内容とするものがあります。
積算温度法則 引用  「積算温度の法則」は、各地の植物の開花や害虫の出現を予測したり、 発生回数や分布を説明したりするために有効である。 (三島次郎著「トマトはなぜ赤い」p.86-88参照) 引用 WEBより、 U 積算温度法則によるT0 およびK の推定 昆虫は変温動物であるために、その発育は温度によっ て変化し、その関係は次式(1)で表される。 これを積算温度法則という。すなわち、 D(t−T0)=K ……………………………………(1) Dは温度tにおける発育日数で、 T0は発育零点もしくは発育限界温度といい、 T0 では発育が停止する。 (t−T0)を有効温度、 Kを有効積算温度定数という。 実験的には、通常10〜35℃の温度領域で、任意に設定したいく つかの温度区(恒温)で昆虫を飼育し、各温度区におけ る発育日数(D)からその逆数1/D、すなわち発育速度 (V)を得る。 発育速度(V)を縦軸に、 温度(t) を横軸にプロットすると、Vとt の関係は理論的にはS字状曲線 を描くが、この両端部を除くと両者の値は直線関係を示 す。昆虫の発育は、ある温度範囲では直線的であるが、(以下省略) マングローブの北限 引用 マングローブの北限 引用 渡瀬線:動物相・植物相ともに重要な境界線。        動物ではニホンザル、ムササビ、ニホンカモシカなど、        植物ではヤナギ属、クリなどの南限。
引用 三宅線=ツマグロヒョウモンやナガサキアゲハなどの     南方系の蝶の北限 引用 三宅線(九州〜屋久島): 引用 南方系の都内でも蝶→見られる     ようになった。 引用 アサギマダラ 引用 アゲハ蝶科 引用 チョウの写真と解説
樹林の階層構造と主な構成種 (引用:ビオトープ管理士試験過去問題等より正解部分を引用)
出題年度、問題番号A雑木林・高木A雑木林・中低木A雑木林・林床植物B林縁・中低木B林縁・つる性植物
講習資料p172アベマキ、エノキミツバツツジ、イヌツゲアオイスミレ、ジャノヒゲガマズミサルトリイバラ
H24計画#40(A=樹林内部)イヌシデ、コナラヒサカキキンラン、タチスボスミレウツギサルトリイバラ
H23計画#35アカシデ、エノキヒサカキジャノヒゲノイバラ、ガマズミサルトリイバラ
H23施工#43アカシデ、エノキヒサカキジャノヒゲノイバラ、ガマズミサルトリイバラ
H22計画#40アベマキ、エノキミツバツツジ、イヌツゲアオイスミレ、ジャノヒゲガマズミサルトリイバラ
H22施工#40アベマキ、エノキミツバツツジ、イヌツゲアオイスミレ、ジャノヒゲガマズミサルトリイバラ

引用 植物生態系の構成と植生の遷移
引用 動物の足跡。アニマルトラッキング、ロコモーション、フィールドサイン ・アニマルトラッキング=足跡の形やつき方を調べてその動物の種類や行動を推測すること。 ・ロコモーション=その動物の運動様式(1蹠(せき)行性、2指向性、3蹄行性。 ・フィールドサイン=足跡、巣、糞、ため糞、通り道、けもの道、食痕、牙とぎ場、土耕跡、ぬた場、           泊り場、落ち角、角こすりの跡、木印・木板、背こすり跡 足跡=下図 引用、動物の足跡1 引用、動物の足跡2
引用 河原野菊 河原野菊(カワラノギク)はキク科シオン属の多年草である。 関東地方の栃木県、東京都、神奈川県に分布する。 多摩川、相模川など限られた一部の河川にのみ生息する。 砂礫質の河原を好むが、河川改修の影響で激減している。 環境省のレッドリスト(2007)では、「IA類ほどではないが、近い将来における絶滅の危険性が高い種」である絶滅危惧IB類(EN)に登録されている。 草丈は30センチから80センチくらいである。 茎につく葉は線形で、長さ6、7センチである。 根際から生える葉は、開花時には枯れる。 開花時期は10月から11月である。 花径3センチから4センチの頭花で、舌状花は淡い紫色を帯びる。 写真は11月につくば植物園で撮った。 学名:Aster kantoensis
引用 特定外来生物等一覧 特定外来生物等一覧 引用 外来生物法 外来生物法 外来生物法の概要  ・外来生物法の目的 外来生物法の目的の図 ● この法律の目的は、特定外来生物による生態系、人の生命・身体、農林水産業への被害を防止し、生物の多様性の確保、人の生命・身体の保護、農林水産業の健全な発展に寄与することを通じて、国民生活の安定向上に資することです。 ● そのために、問題を引き起こす海外起源の外来生物を特定外来生物として指定し、その飼養、栽培、保管、運搬、輸入といった取扱いを規制し、特定外来生物の防除等を行うこととしています。 ※法律・政令・規則・告示、概要、基本方針等の全文もご覧下さい。 ・特定外来生物とは? 特定外来生物の指定要件の図 ● 特定外来生物とは、外来生物(海外起源の外来種)であって、生態系、人の生命・身体、農林水産業へ被害を及ぼすもの、又は及ぼすおそれがあるものの中から指定されます。 特定外来生物は、生きているものに限られ、個体だけではなく、卵、種子、器官なども含まれます。 ● 特定外来生物とは別に、生態系、人の生命・身体、農林水産業へ被害を及ぼす疑いがあるか、実態がよく分かっていない海外起源の外来生物は「未判定外来生物」に指定され、輸入する場合は事前に主務大臣に対して届け出る必要があります。 届出がされた場合は、主務大臣が判断し、影響を及ぼすおそれがある場合は特定外来生物に指定され、輸入等について規制されます。影響を及ぼすおそれがないと主務大臣が判断した場合は、特に規制はかかりません。 ● 外国から生物を輸入する場合、税関でその生物が特定外来生物又は未判定外来生物かどうかをチェックすることになるのですが、特定外来生物等と外見がよく似ていて、すぐに判別することが困難な生物がいます。これらは「種類名証明書の添付が必要な生物」といい、外国の政府機関等が発行したその生物の種類名が記載されている証明書を輸入の際に添付しなければ輸入できません。 ● 外国から生物を輸入する場合は、以上の3種類の生物について、新たに規制もしくは書類の添付が必要となりますので注意してください。  ・どのようなことが規制されるの? ● 特定外来生物に指定されたものについては以下の項目について規制されます。 →飼育、栽培、保管及び運搬することが原則禁止されます。 ※研究目的などで、逃げ出さないように適正に管理する施設を持っているなど、特別な場合には許可されます。 ※飼育、栽培、保管及び運搬のことを外来生物法では「飼養等」といいます。 →輸入することが原則禁止されます。 ※飼養等をする許可を受けている者は、輸入することができます。 →野外へ放つ、植える及びまくことが禁止されます。 →許可を受けて飼養等する者が、飼養等する許可を持っていない者に対して譲渡し、引渡しなどをすることが禁止されます。これには販売することも含まれます。 →許可を受けて飼養等する場合、その個体等にマイクロチップを埋め込むなどの個体識別等の措置を講じる義務があります。 ● たとえば、特定外来生物を野外において捕まえた場合、持って帰ることは禁止されていますが(運搬することに該当)、その場ですぐに放すことは規制の対象とはなりません(釣りでいう「キャッチアンドリリース」も規制対象とはなりません)。 ▼特定外来生物で規制される事項▼ 飼育・栽培の図 運搬の図 保管の図 輸入の図 野外に放つ図 譲渡しの図 個体識別等の図  ・違反したらどうなるの? ● 特定外来生物は、たとえば野外に放たれて定着してしまった場合、人間の生命・身体、農林水産業、生態系に対してとても大きな影響を与えることが考えられます。場合によっては取り返しのつかないような事態を引き起こすこともあると考えますので、違反内容によっては非常に重い罰則が課せられます。以下はその一部をご紹介します。 ※ 個人の場合懲役3年以下もしくは300万円以下の罰金 / 法人の場合1億円以下の罰金に該当するもの → 販売もしくは頒布*する目的で、特定外来生物の飼養等をした場合 (*頒布(はんぶ):配って広く行きわたらせること。) →偽りや不正の手段によって、特定外来生物について飼養等の許可を受けた場合 →飼養等の許可を受けていないのに、特定外来生物を輸入した場合 →飼養等の許可を受けていない者に対して、特定外来生物を販売もしくは頒布した場合 →特定外来生物を野外に放ったり・植えたり・まいたりした場合 ※ 個人の場合懲役1年以下もしくは100万円以下の罰金 / 法人の場合5千万円以下の罰金に該当するもの → 販売もしくは頒布以外の目的で、特定外来生物の飼養等又は譲渡し等をした場合 → 未判定外来生物を輸入してもよいという通知を受けずに輸入した場合  ・特定外来生物の防除 ● 特定外来生物による被害がすでに生じている場合又は生じるおそれがある場合で、必要であると判断された場合は、特定外来生物の防除を行います。 ● 国が防除を行うとした特定外来生物について、地方公共団体が防除を行おうとする場合は、主務大臣の確認を受けることができます。 地方公共団体以外の団体(NPOなど)が防除を行おうとする場合は、適切かつ確実に実施することができることについて主務大臣の認定を受けることができます。 ● 国が防除を行う際に、その原因となった行為(逃がしてしまったなど)をした者に対しては、防除に必要な費用の一部又は全部を負担していただく場合があります。 ※「一般の方が特定外来生物の駆除を行いたい場合に関する注意事項」も含め、くわしくは「特定外来生物の防除」のページをご覧ください。  
ワンド、wand 引用 ワンド ワンド(または、湾処)は、川の本流と繋がっているが、河川構造物などに 囲まれて池のようになっている地形のことである。魚類などの水生生物に 安定した棲み処を与えるとともに、様々な植生が繁殖する場ともなっている。 近年では、河川にビオトープを形成する手段として、人工的に作られるケースが増えている。
引用 セダム  sui Rinta 編集 ベンケイソウ科(Crassulaceae) セダム属(Sedum) 植物 - 多肉植物 Sedumはラテン語で「座る」の意、地面に低く広がる姿から名づけられたもの。 キリンソウの仲間(Phedimus)、ベンケイソウの仲間(Hylotelephium), イワレンゲの仲間(Orostachys)等もセダムと呼ぶことがある。 これらは過去にはSedumに分類されていた。 園芸上は小型で茎のある多肉植物、たとえばクラッスラやカランコエなども すべてセダムとすることがあるが、誤り。 セダムは屋上緑化で脚光をあびているが、これは潅水がほとんど必要ないため メンテナンス費用の圧縮と土壌の軽量化が可能だからで、結果的に冷却効果が 低すぎると批判されることがある。水が不足した場合に光合成中の水の蒸散を 止める仕組み(CAM)をもっているため、潅水しない場合水分の蒸発なく植物体 による遮熱だけとなり、建物の冷却効果は低い。蒸散による冷却を期待するには 通常の光合成を行わせなければならず、十分な潅水が必要である。 日本の主なセダム - オノマンネングサ, メノマンネングサ, ツルマンネングサ, コモチマンネングサ, タイトゴメ, ヒメレンゲ
引用 サンドバイパス 海岸の構造物によって砂の移動が断たれた場合に、上手側に堆積した土砂を、 下手側海岸に輸送・供給し、砂浜を復元する工法。 これとは逆に、流れの下手側の海岸に堆積した土砂を、侵食を受けている上手側の 海岸に戻し、砂浜を復元する工法をサンドリサイクル工法という。
引用 早瀬、平瀬、渕 、とろ 瀬には平瀬と早瀬があります。 通常河川は淵と瀬が交互に並んでいる場合が多い。更に詳しく分ければ、 上流から淵、とろ、平瀬(ザラ瀬)、早瀬(荒瀬)の順に並びそれを繰り返す。 平瀬とは、川底にある石が半分程度あるいはほとんど砂に埋もれ、 水面が多少波立つこともあるが水底まで見通すことができる所をいう。 一方で早瀬とは、底の石が砂利に埋もれず重なり合い、 表面が白く泡立っている場所をいう。後者の方が流れは激しいためこの名がある。 淵では泥や有機物が沈殿しやすいためプランクトンや藻の繁殖が活発になる。 このため魚類などを中心とした生物の生息環境に適し、河川においては 豊かな生物相を持つ場所の代名詞となる。渓相が安定した場所では、 長年にわたり同じ場所に淵が形成されるが、侵食傾向が活発な土砂流出の 活発な河川では、出水や洪水のたびに場所が変わることがある。 淵の下流側にあるそれよりもやや浅く流れが穏やかな場所を、 とろまたはとろ場と呼ぶことがある。とろは下流に向かって浅くなり、 淵の底が岩盤や大きな石であることに対し、砂利や砂底であることが多い。 水も落ち込んでいないため淵よりも流れが穏やかである。 波立ちのあまり見られないところを平瀬、流れが早く白波が たっているところを早瀬と呼びます。 瀬は水深が浅いため、日光が川底まで届き石に付着する藻類がたくさん育ちます。 これを食べる水生昆虫が集まるので魚の餌場にもなります。 淵は流れが緩やかで深いため、魚の休憩所にもなります。 鳥や人間に追われたときは逃げ場所になります。またコイやナマズ等の 大型の魚の棲みかにもなっています。 引用 河川の用語、平瀬、早瀬、渕
引用 高水敷(図と説明)   高水敷(こうすいじき)、低水路(ていすいろ).   高水敷は、複断面の形をした河川で、常に水が流れる低水路より一段高い部分の敷地です。     平常時にはグランドや公園など様々な形で利用されていますが、大きな洪水の時には水に浸かってしまいます。
試験対策主要事項 引用:ビオトープ管理士試験 出題範囲の詳細 さらに詳細は、   試験問題文中に出てきた用語 を見てください。 生態学 物質循環、自然淘汰、生態系ピラミッド、栄養段階、土壌の機能、土壌の層位、種内多様性、植生遷移、アレロパシー、 天然林・人工林、昆虫の食餌、なわばり、土壌シードバンク、動物生理、順位、冬越し、動物分布の境界、 いろいろな法則、絶滅、レッドデータブック、移入種・在来種など ビオトープ論 ビオトープの定義、ビオトープの配置、復元・再生の指針、指標種、ビオトープの価値、自然保護の原則、 ミチゲーション、ユネスコMAB、自然破壊、多様性保全、日本の自然保護地域、野生生物の保護、 物質収支、ビオトープネットワーク、水辺ビオトープ、モニタリング、目標、手順、ゾーニング、供給源など 環境関連法 鳥獣保護法、自然公園法、環境影響評価法、自然環境保全法、文化財保護法、河川法、環境基本法、種の保存法、 都市緑地法、自然再生推進法、特定外来生物法、ラムサール条約、生物多様性条約、世界遺産条約、など 土地利用計画 都市計画法、都市公園法、生産緑地法、樹木保存法、土地改良法、持続農業法、水産資源保護法、 国有林の保護林制度、都市の土地利用(都市計画の思想、コンパクトシティー、都市の緑地)、 農村の土地利用(農村の整備、環境保全型農業)、河川の土地利用(治水と利水、水循環、河川敷の利用)、風力発電、エコツーリズム 造園・土木 生態系(森林、草原、河川、水辺、海辺)、場所別管理(草原、森林、雑木林、水田、水辺、海辺)、 植生管理(移植、剪定、表土管理)、道路の問題(道路計画、道路の植生、動物の事故)、 河川(河川改修、川の流れ、河川の地形、魚道)、エコパーク(観察路、サンクチュアリー、ゾーニング)、 エコアップ装置、学校ビオトープ、動植物の判別(野鳥、哺乳類、どんぐり、葉っぱ、トンボの行動)、 生き物別環境整備(トンボ、猛禽、ホタル)、屋上緑化、水循環施設、地図の読解、など
引用: 遷移 センイ 【英】Succession [同義] 自然遷移 解説 | 生物群集の組成が時間とともに変化する過程。 この移行(遷移)が進み最も発達した群集を極相という。 遷移にともない、土壌も変化する。植生は有機物を土壌に供給し、一方で、水分・養分の 供給を土壌に依存するため、両者はたがいに影響を受けながら進行する。 遷移は、その始まり方や立地状況からさまざまに区別される。生物によって新しく創出 された環境から始まる遷移は自発的遷移という。一方、河口における土砂の堆積地のように 外的要因から始まる遷移は他発的遷移という。またその基質によって、溶岩上など乾燥した 基質から始まる場合は乾性遷移、水湿地から始まる場合は湿性遷移という。さらに、基質に 全く生物を含まない場所から始まるものを一次遷移、森林を伐採した跡地など最初から基質に 若干の生物、例えば土壌中の種子・地下茎・土壌動物などを含む場所から始まるものは 二次遷移といい、この途上にある森林を二次林という。
引用: 二次林:ニジリン 【英】Secondary Forest 解説 | 伐採や風水害、山火事などにより森林が破壊された跡に、土中に残った種子や植物体の 生長などにより成立した森林。 溶岩など土壌のない地盤に森林が成立していく過程と違って、土壌が存在する場合には、 初めからカンバ類やマツ類などの陽性の樹木が成長し、長い年月をかけて、やがて陰性の 樹木に置き換わり安定した森林(極相)となる。このような遷移を二次遷移と呼び、 二次遷移の途中にある森林をおもに二次林と呼ぶ。 日本の森林の約36%を占め、カンバ類やマツ類などのような陽性の樹木が一斉に揃って 生えた林が典型的である。二次林にはクヌギ、コナラの多い雑木林などのように、繰り返し 伐採される萌芽林も多い(クヌギ、コナラなどは、伐採しても切り株から数本の芽を出して 株状に成長する。萌芽林は、このようにして成長した樹木の多い林)。放置されると遷移が 進行し、その過程で二次林に特有の動植物種が消失することがある。 引用: 二次林 【にじりん】2件の用語解説(二次林で検索)世界大百科事典 第2版の解説. にじりん【二次林 substitution forest】 原生林がなんらかの原因で破壊されたあとに自然に再生した森林で,その破壊,再生の頻度に かかわらない。ただし,森林を伐採したあと植樹造林で成立した人工林は二次林とはいわない。 二次林は天然生林と同義であるが,普通,比較的若い森林を二次林と呼ぶ傾向がある。二次林の 種組成は森林の破壊の度合,気候,土壌などによって異なる。日本の暖温帯の里山は農用林として 伐採や落葉の採取が行われ,地力が低下してアカマツ林となったところが多い。
引用: 代償植生 ダイショウショクセイ 【英】Secondary Vegetation 引用: 2.植生自然度調査 2−1 全国現存植生図の作成  今日、環境診断や自然環境調査の基礎図として最も一般的に利用されている植生図は、 現存植生図と現在の潜在自然植生図である。前者は、現実に野外に生育している植物群落を対象に、 各種の植生単位で図化したもの。後者は、植生に加えられている現在の一切の人為的干渉が停止 されたとしたら、その立地がどのような自然植生を支え得るかというポテンシャルな能力を考えた 理論的な植生を図化したものである。 今回の第一回調査では前者の現存植生図が全国にわたって作成された。 この現存植生図は相観によるものと、植物社会学的調査に基づいたものが、よく利用される。 相観による植生図とは、見た目に映ずる外観をとらえたもの、すなわち植物群落の優占種や生活形を 主とした外見をとらえたもので、文化庁が昭和42年から47年までの6年間に行った天然記念物緊急調査 で作成したものがこれに近い。一方、植物社会学的現存植生図とは、植物群落の種組成に重点をおいて、 群落を構成する種の組み合わせをとらえたものである。すなわち植生野外調査に基ずく群落組成表比較 作業を行って、国際的基準での全出現群落についての群落単位の決定を行う。 国土を十段階の植生自然度にクラス分けするには、どうしてもこの植物社会学的な種組成により区分 される現存植生図を必要としたわけである。今回1年あまりの短期間で20万分の1のスケールの全国 の現存植生図ができたのは前記文化庁の相観による植生図に負う所が多い。しかし、植物社会学の 大系化が十分でなく、1年間という時間的制約から、植生図の精度には或程度の限界を認めざるを得ない。 しかし、今回の調査により従来のものより一歩前進した精度の高い植生図が全国的にカバーされたことは間違いない。  植生図の凡例づくりは前記懇談会を中心にして行われ、原則として群集及び群集レベルの群落を用い 次のような分類に従って全国で362の凡例が作られ、さらに各調査者が随意必要とする凡例を追加する システムがとられている。  1 寒帯・高山帯自然植生 2 亜寒帯・亜高山帯自然植生  3 亜寒帯・亜高山帯代償植生  4 ミズナラ−ブナクラス域自然植生  5 ミズナラ−ブナクラス域代償植生  6 ヤブツバキクラス域自然植生  7 ヤブツバキクラス域代償植生  8 河辺、湿地、塩沼地、砂丘植生(各クラス共通)  9 植林地、耕作地植生(各クラス共通)  10 その他(各クラス共通)  実際の植生図作成は各都道府県の植生専門家によってフィールド調査と航空写真解読を併せて行われ、 縮尺5万分の1地形図に原図が作られ、付属資料として、各県の植生概説を行うと共に、代表的群落に ついては、1ケ所以上の植生調査表を添付した。最終的には縮尺20万分の1にとりまとめられ植生図が印刷された。 群集:特定の種組成。生育条件及び相観をもつ植物社会学的群落分類における基本単位。 自然植生:人間の影響をまったく受けず、自然のままに生育する植生。 代償植生:人間の影響によって、立地本来の自然植生が様々に置き代った植生。 解説 | さまざまな人為的影響が加えられた後に成立した植生。自然植生の対語として使われる。 農耕地や人工林などのほか、刈り取り、伐採などによって成立した里山や草原なども含む。 人為的影響がなくなると徐々にその構成種が変化して自然植生に向けて遷移する。日本の 現存植生のほとんどは代償植生。 里地、里山を形成する代償植生は自然に成立したものではないが、長期間に渡って維持 されてきたため、そうした環境に適応した生物も多数存在している。近年、山村地域に おける過疎化や高齢化、産業活動の変化に伴って、コナラ林に代表される代償植生の伐採が ほとんど行われなくなっている。これにより生物相に変化が起こり、生物多様性維持の面から 問題視されている。
引用 引用,植生自然度 土地利用 区 分 植 生 自然度@都市−−−I原生林 概    要 備    考 全国集計 メッシュ数(%) T @ 市街地、造成地 植生の殆んど残存しない地区。 11,303 (3.1%) U A 農耕地(水田、畑地) 水田、畑地等の耕作地。緑の多い住宅地。(緑被率60%以上) 81,815(22.7%) B 農耕地(樹園地) 果樹園、桑園、茶畑、苗圃等の樹園地。 5,509 (1.5%) V C 二次草原 (背の低い草原) シバ群落等の背丈の低い草原。 5,857 (1.6%) D 二次草原 (背の高い草原) ササ群落、ススキ群落等の背丈の高い草原。 7,019 (1.9%) W E 造林地 常緑針葉樹、落葉針葉樹、常緑広葉樹等の植林地。 75,140 (20.8%) X F 二次林 クリ-ミズナラ群落、クヌギ−コナラ群落等、一般には二次林と呼ばれる代償植生地区。 75,521 (21.0%) G 二次林 (自然林に近いもの) ブナ、ミズナラ再生林、シイ・カシ萌芽林等、代償植生であっても、特に自然植生に近い地区。 16,075 (4.5%) Y H 自然林(極相林またはそれに近い群落構成を示す天然林) エゾマツ-トドマツ群集、ブナ群集等、自然植生のうち多層の植物社会を形成する地区。 78,258 (21.7%) I 自然草原 (自然草原・湿原) 高山ハイデ、風衝草原、自然草原等、自然植生のうち単層の植物社会を形成する地区。(H、Iは自然性の高さにおいて同じランク) 3,862 (1.1%) (計)  
引用:バイオーム 「bio=生物、 ome=全体」 自説 バイオーム 自分の住んでいる地域を眺めてみよう。 「自然度」はいくつ位か、判断してみよう。 あらゆる生物は水と空気を必要とする。 ここに土と太陽エネルギーを加えると生態学の分野となる。 或いは地球の回転と太陽エネルギーを加えると気象学・気候学となる。 いずれも、「太陽+地球+空気+水」をインフラとして、前者は、分子としての 物質を扱って、有機的な話に発展し、後者は物質の個々に余り深く立ち入らずに、 物質を、空気と水、と言う分子の集合体として、その流れを論じ、無機の世界の話となる。   バイオームは前者の立場、気候区分は後者の立場で考えられた、と思う。 前者は、後者をインフラとして成り立つ、とも考えられる。 バイームの図は、ケッペンの気候区分によく似ていて、その地図上に、生物の 生息・行動範囲を示したものではないか、と思う。 その範囲において、命のつながりと、食物連鎖がある。 引用: バイオーム【biome】 「世界大百科事典 第2版の解説. アメリカの生態学者F.E.クレメンツとV.E.シェルフォードによって1939年に提唱された概念。 そのころまで植物群落と動物群集とは別個にとらえられて研究されていたが,彼らは植物と 動物の関係にも注目して,両者を含めた生物群集として考える必要性を説き,そこに有機体的な まとまり,または全体性を考えた。 このまとまりを重視すると,生物群集の単位は相当に広い地域にわたるものでなければなら なくなる。彼らはこの単位として,気候的特性によって認識され,一定の相観をもつ植物の 群系に対応する規模のものを想定し,それをバイオームと呼んだのである。」 引用: 「NHK高校講座: NHK高校講座、生物」 このような、植物を基盤とした、その地域に生息する動物や微生物など全ての生物のまとまりを バイオーム=生物群系といいます。 引用: biotppe vs biome difference? "Ecologists have too many terms for too few concepts. Here, however, there is a major distinction. A biome is large, like the North American grassland. A biotope is much smaller and more uniform, like a particular decaying log or a beach."
引用: ◆4種類の生態系サービス その中で生態系サービスは以下の4つに分類されています。 1)供給サービス 供給サービスとは食料、燃料、木材・繊維、水、薬品など、人間の生活にとって重要な資源を供給するサービスです。 いわゆる自然の恵みですね。野生の動物や天然の魚介類は全て自然が育てているし、栽培作物や家畜、水産養殖も 人間のが関わっていても生物は生態系の恩恵を受けて成長します。 ●食料はほぼ全て生態系のサービスから得られたものと考えて良いですね。 又、木材は住宅用建材や燃料や衣料や紙の元になる繊維として使え、川や湖から得られる淡水は飲み水として、 バイオテクノロジー等で活用される遺伝子資源あるいは生薬や医薬品の成分なども生態系の供給サービスです。 ●こう見ると衣食住全ての面でお世話になっていますね。水はもちろん、薬もないと困りますね。 2)調整サービス 調整サービスとは大気、水、廃棄物などを浄化したり、気候や水の流れを調節したり、土壌浸食、自然災害、疫病を 制御するなど生態系がさまざまな自然の営みを制御することによって人間が得られるサービスのことです。 又、先にも書いた蜂や蝶などの受粉媒介サービスも鳥が種を運ぶなども重要な調整サービスです。2006年から2007年に かけて北半球で1/4もの蜂が大量死したことがあり、このとき農業は大打撃を受けたことがあるそうです。 ●森林伐採で洪水が起こったなどは明らかに調整サービスが壊れた事例ですね。 3)文化的サービス 文化的サービスは直接命に関わるサービスではなく、文化的、癒し系のサービスです。レクリェーションやさまざまな 精神的価値など、生態系から得られるさまざまな非物質的な恵です。自然の景色を見て楽しむ、森を歩いて森林浴、 桜や紅葉の花見や、園芸にしてもそうだし、四季折々の風景を絵に描く、俳句を作る楽しみも生物多様性と生態系 サービスのたまものですね。 4)基盤サービス 基盤サービスとは光合成や窒素、りんなどの栄養塩の循環、水の循環など他のサービスの基盤となるサービスです。 これらはなかなか目には見えませんがこれらがあってはじめて他の3つのサービスが機能できるのです。 引用: ◎生態系サービスの分類と一例 分類    例 供給的 サービス 人間の生活にとって重要な資源を供給するサービス      食料、繊維、バイオマス燃料、淡水、遺伝子資源、医薬品 など 調節的 サービス 生態系がさまざまな自然の営みを制御することによって人間が得られるサービス      気候の調整、水の調整、疾病の制御、害虫の制御、受粉媒介、自然災害の制御 など 文化的 サービス 生態系から得られる非物質的な利益 レクリエーション、エコツーリズム、      生態系や生物に人間が見出す倫理的価値(精神的、宗教的、美的)など 基盤的 サービス ほかの生態系サービスの供給を支えるサービス      窒素、リンなどの栄養塩循環、一次生産(光合成)、水循環 引用 生態系の4サービス 1 生態系サービス 生物多様性はそれ自体も価値を有していますが、多様な生物に支えられた生態系は、私たち人類に多大な利益をもたらしています。 ミレニアム生態系評価は、国連の主唱により2001年から2005年にかけて行われた、地球規模での生物多様性及び生態系の保全と 持続可能な利用に関する科学的な総合評価の取組です。生物多様性は生態系が提供する生態系サービスの基盤であり、 生態系サービスの豊かさが人間の福利に大きな関係のあることが分かりやすく示されました。ミレニアム生態系評価の報告書は、 生態系サービスを以下の4つの機能に分類し、生物多様性の意義について紹介しています。 生態系サービスと人間の福利の関係 1) 供給サービス(Provisioning Services)  食料、燃料、木材、繊維、薬品、水など、人間の生活に重要な資源を供給するサービスを指します。  このサービスにおける生物多様性は、有用資源の利用可能性という意味で極めて重要です。現に経済的取引の対象となっている 生物由来資源から、現時点では発見されていない有用な資源まで、ある生物を失うことは、現在及び将来のその生物の資源として の利用可能性を失うことになります。 2) 調整サービス(Regulating Services)  森林があることによって気候が緩和されたり、洪水が起こりにくくなったり、水が浄化されたりといった、 環境を制御するサービスのことを言います。これらを人工的に実施しようとすると、膨大なコストがかかります。  このサービスの観点からは、生物多様性が高いことは、病気や害虫の発生、気象の変化等の外部からのかく乱要因や 不測の事態に対する安定性や回復性を高めることにつながると言えます。 3) 文化的サービス(Cultural Services)  精神的充足、美的な楽しみ、宗教・社会制度の基盤、レクリエーションの機会などを与えるサービスのことを言います。  多くの地域固有の文化・宗教はその地域に固有の生態系・生物相によって支えられており、生物多様性はこうした文化の 基盤と言えます。ある生物が失われることは、その地域の文化そのものを失ってしまうことにもつながりかねません。 4) 基盤サービス(Supporting Services)  2で述べるような、1)から3)までのサービスの供給を支えるサービスのことを言います。例えば、光合成による酸素の生成、 土壌形成、栄養循環、水循環などがこれに当たります。 2 生態系サービスを支える物質循環と生物多様性 生態系は、生物とそれを取り巻く大気、水、土壌などから構成されています。地球上の様々な物質は、その生態系の中を 循環しています。また、太陽からもたらされるエネルギーは、生物に消費されながら生態系の中を流れていきます。 物質循環やエネルギーの流れにおいては、生物が非常に重要な役割を果たしています。 地球温暖化を始めとする近年の人間活動の増大による環境問題は、人間活動によるかく乱によって、こうした地球上の 物質循環やエネルギーの流れのバランスが崩れることによるものであるということができます。ここでは、人間の生存の 基盤ともなっている主要な物質循環の一つである炭素循環を紹介します。
引用 炭素循環 地球の大気、水、土壌、生物といった生態系の中には、炭素化合物が含まれています。大気中に含まれる二酸化炭素(CO2)は、 大気と海水との間で絶えず交換され、平衡状態を維持しています。また、二酸化炭素は、植物等によって行われる光合成を通じて、 有機化合物として固定されます。この一部は、植物等やこれを食べる動物によって消費され、再び二酸化炭素として大気中に 放出されます。動植物の死骸や排せつ物は土壌中の微生物によって分解され、やはり二酸化炭素として大気中に戻ります。 この生物を経由する循環は海の中にも存在します。 また、大気と海水の間での循環や生物を介した循環のような比較的短期的な循環の他に、タイムスケールの非常に大きい 長期的循環が存在します。地球上の炭素のほとんどは、動植物の死骸や排せつ物が沈殿した炭酸カルシウムや、古い時代の 生物の有機物が地下で変化してできた石炭・石油などの形で固定化されているのです。 その他、生物の体を構成するタンパク質の形成に不可欠な窒素や、生命を維持するのに欠かせない水、生命の活動の源と なるエネルギーなどは、短期的・長期的に地球の生態系の中を循環したり流れたりしています。
引用 エコロジカルフットプリント 3 生物多様性と私たちの暮らしとの関係  私たちの暮らしが生物多様性に与える影響を測る指標の一つとして、「エコロジカル・フットプリント」があげられます。 エコロジカル・フットプリントは人間活動が与える環境負荷をその活動に必要な土地面積により表した指標です。 エコロジカル・フットプリントは年々増加しており、現在の私たちの生活には、地球が1.5個必要となり、 2030年代半ばには地球が2個必要になると予測されています。 つまり、現在の私たちの暮らしは、将来の資源(資産)を食いつぶすことによってようやく成り立っているといえます。 引用 エコロジカルフットプリント 第2節 生態系の危機 人間は、科学技術の進展等により、その扱い方を誤れば自身を取り巻く生態系を取り返しのつかないほどに改変してしまう 力を手にしています。20世紀後半は、人口が倍増し、先進国を中心として1人当たりの生態系サービスの需要が爆発的に増えた時代でした。 人間活動により消費される資源量を土地面積として分析・評価する、エコロジカル・フットプリントという概念がありますが、 1980年代以来その値は地球の生物生産力(生産可能面積)を超過しているとされます(2003年時点で約25%超過)。 この超過は、自然という資本をそれが再生される速度よりも速く消費することを意味するため、 将来の生物生産力の減少につながります。2003年の日本のエコロジカル・フットプリント(1人当たり)は、 世界平均の生物生産力(1人当たり)の2.5倍、EU加盟国(2006年時点加盟国)は2.7倍、アメリカに至っては5.4倍に達します。 これは、世界中の人が日本、EU、アメリカの国民と同様の生活をすると、地球がそれぞれ2.5個、2.7個、5.4個必要となることを示します。 エコロジカル・フットプリント 現在約65億人とされる世界の人口は今後も増え続け、2050年には90億人を超えると推計されています(中位推計)。 このまま人類が求める生態系サービスの量が増え続ければ、それは地球の生態系が供給し得る量を超えて、 生態系そのものを破壊しかねない危険をはらんでいます。 ミレニアム生態系評価では、24の把握可能な生態系サービスの最近数十年間の供給傾向の評価も行われました 。この評価では、増大する食料などの需要を満たすため生態系に改変をもたらした結果として、空気や水の浄化、災害からの 保護など重要な15の機能について減少していることが分かりました。中でも海洋での漁獲量の低下は深刻で、 多くの海域において近代的漁業が導入される以前と比較して、10分の1にまで落ち込んでいるとされています。 地球全体の生態系サービスの状態 ミレニアム生態系評価は、生態系サービスとその基盤である生物多様性に変化をもたらしている主な人為的影響を5つ挙げています。 生息・生育場所の変化、侵略的外来生物、資源の過剰利用、汚染に並んで、気候変動は5つの主な影響の1つとされています。
引用 平成19年度 環境白書 第2部 環境・循環型社会の形成の状況と政府が環境の保全・循環型社会の形成に関して講じた施策 環境・循環型社会白書では環境・循環型社会の形成の状況と平成18年度に実施した 環境の保全・循環型社会の形成に関して講じた施策を、次のような章立てで報告しています。 第1章 地球環境の保全 第2章 大気環境の保全 第3章 水環境、土壌環境、地盤環境の保全 第4章 廃棄物・リサイクル対策などの物質循環に係る施策 第5章 化学物質の環境リスクの評価・管理に係る施策 第6章 自然環境の保全と自然とのふれあいの推進 第7章 各種施策の基盤、各主体の参加及び国際的取組に係る施策 1 地球環境の保全 (1)地球温暖化 近年、人間活動の拡大に伴って二酸化炭素やメタン等の温室効果ガスが大量に大気中に排出されることで、 温室効果が強まって地球が過度に温暖化するおそれが生じています。 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が2007年(平成19年)に取りまとめた第4次評価報告書第1作業部会報告書によると、 全球平均地上気温は1906〜2005年の間に0.74(0.56〜0.92)℃上昇し、20世紀を通じて平均海面水位が17(12〜22)cm上昇しました。 同報告では、気候システムに温暖化が起こっていると断定するとともに、20世紀半ば以降に観測された世界平均気温の上昇の ほとんどは人為起源の温室効果ガスの増加によってもたらされた可能性がかなり高いとしています。 地球温暖化の影響の現状 また、同報告では、世界全体の経済成長や人口、技術開発、経済・エネルギー構造等の動向について複数のシナリオに基づく 将来予測を行っており、1980年〜1999年までに比べ、21世紀末(2090年〜2099年)の平均気温の上昇幅を1.1〜6.4℃と予測しています。 さらに、同報告では、温暖化により、大気中の二酸化炭素の陸地と海洋への取り込みが減少するため、温暖化が一層進行すること、 また大気中の二酸化炭素濃度の上昇に伴い既に海洋がpHで0.1酸性化し、21世紀中に更に0.14〜0.35の酸性化が進行するとされています。 日本では20世紀中に平均気温が約1℃上昇し、今後気候の変動が生態系、農業、社会基盤、人の健康などに多大な影響を与えることが予想されます。 この問題に対処するため、気候変動枠組条約第3回締約国会議(COP3)において京都議定書が採択され、平成17年2月に発効しています。 京都議定書は、先進国が2008年(平成20年)〜2012年(平成24年)までの各年の温室効果ガスの排出量の平均を基準年(原則1990年(平成2年))から 削減させる割合を定めており、日本は6%の削減が義務づけられています。 また、平成18年11月にケニアのナイロビにおいて開催された気候変動枠組条約第12回締約国会議(COP12)及び京都議定書第2回締約国会合 (COP/MOP2)において、京都議定書の見直しのプロセス化について、第2回目の見直しを20年のCOP/MOP4にて行い、それに向けた作業 スケジュールが合意されました。 国別の二酸化炭素排出量をみると、日本は約5%を占め、米国(約23%)、中国(約16%)、ロシア(約6%)に次いで世界第4位です。 また、1人当たり排出量は、先進国が途上国よりも多くなっています。 日本の年平均気温平年差 日本の2005年度(平成17年度)の温室効果ガス総排出量は、13億6,000万トン*(注:以下、*は二酸化炭素換算)で、京都議定書の規定 による基準年の総排出量(12億6,100万トン*)と比べ、7.8%上回っています。また、前年度と比べると0.2%の増加となっています。 これを部門別にみると、基準年(原則1990年)と比較して産業部門が5.5%減少し、運輸部門が18.1%、業務その他部門が44.6%、 家庭部門が36.7%増加しています。 二酸化炭素の国別排出量と国別一人当たりの排出量 平成17年4月に閣議決定された京都議定書目標達成計画では、6%削減約束の達成及び温室効果ガスの更なる長期的・継続的排出削減に向けて、 約60項目の対策を盛り込んでいます。18年7月に行われた施策の進ちょく状況の評価では、同計画に示された対策・施策の全般にわたり、 一定の進展・具体化が見られるものの、同計画の確実な達成に向けて施策の一層の強化など対策の加速化が必要とされました。 部門別エネルギー起源二酸化炭素排出量の推移と2010年目標 (2)オゾン層の破壊 CFC、ハロン等の物質によりオゾン層が破壊されていることが明らかになっています。オゾン層が破壊されると、地上に到達する 有害な紫外線が増加し、皮膚ガンや白内障等の健康被害を発生させるおそれがあるだけでなく、植物やプランクトンの生育の 阻害等を引き起こすことが懸念されています。 オゾン層は、熱帯地域を除き、ほぼ全地球的に1980年代を中心に減少しました。日本上空のオゾン全量についても1980年代を 中心に減少しましたが、1990年代以降はほとんど変化がないか、緩やかな増加傾向が見られます。 日本上空のオゾン全量の年平均値の推移 また、2006年(平成18年)、南極域上空のオゾンホールは最大級に発達しました。現時点ではオゾンホールに縮小の兆しが あるとは判断できず、南極域のオゾン層は、依然として深刻な状況にあります。 南極上空のオゾンホールの面積の推移 我が国では、オゾン層保護法等に基づき、オゾン層破壊物質の製造等の規制を行っています。また、家電リサイクル法、 フロン回収・破壊法、自動車リサイクル法に基づき、製品廃棄時におけるフロン類の回収・破壊等が義務付けられていますが、 業務用冷蔵空調機器からのフロン類の回収を徹底するため、平成18年6月にフロン回収・破壊法が改正されました。 (3)酸性雨及び黄砂 酸性雨により、湖沼や河川の酸性化による魚類等への影響、土壌の酸性化による森林への影響、建造物や文化財への 影響等が懸念されています。 我が国では、すでに被害が報告されている欧米とほぼ同程度の酸性雨が観測されていますが、生態系等への影響は 現時点では明らかになっていません。一般に酸性雨による影響は長い期間を経て現れると考えられているため、 現在のような酸性雨が降り続けば、将来、酸性雨による影響が顕在化するおそれがあります。 降水中のpH分布図 このため、東アジア地域における酸性雨の現状やその影響を解明するとともに、酸性雨問題に関する地域の協力体制を 確立することを目的に、平成13年から東アジア酸性雨モニタリングネットワーク(EANET)が本格稼働しています。 我が国では、酸性雨による影響の早期把握、将来の酸性雨の影響の予測を目的とした酸性雨長期モニタリングなどを実施しています。 近年、中国、モンゴルからの黄砂の飛来が大規模化しており、中国、韓国、日本等でその対策が共通の関心事となっています。 このため、日本国内においては、高度な黄砂観測装置(ライダー装置)によるモニタリング体制の整備を実施したほか、中国、 モンゴル、韓国及び日本、さらに国連環境計画(UNEP)等の国際機関が共同で、将来的に推進すべき効果的な黄砂対策に ついての調査研究を進めています。 (4)海洋環境 海洋環境の保全に関して我が国は、廃棄物等を船舶等から海洋投棄することを規制するロンドン条約や船舶等に起因する 海洋汚染を防止するMARPOL73/78条約等を締結しており、これらに対応した国内措置により海洋汚染の防止に努めています。 また、海洋環境の状況の評価・監視のため、水質、底質、水生生物を総合的・系統的に把握するための海洋環境モニタリングを行っています。 日本周辺近海における油や廃棄物、赤潮などによる汚染の発生確認件数については、平成18年は470件と17年に比べ110件増加しました。 海洋汚染の発生確認件数の推移 平成19年6月に発効する危険・有害物質汚染事件に関する議定書の締結に伴い、海洋汚染等防止法の一部を改正するとともに、 新たに「油等汚染事件への準備及び対応のための国家的な緊急時計画」を策定しました。 漂流・漂着ゴミについては、「漂流・漂着ゴミ対策に関する関係省庁会議」を設置し、現状、国の取組、今後の課題等を とりまとめ、平成19年3月に公表しました。 (5)森林、砂漠化 世界の森林は、陸地の約30%を占めますが、2000年(平成12年)から2005年(平成17年)にかけて、年平均732万haの割合で 減少しました。特に、熱帯林が分布するアフリカ地域、南アメリカ地域及び東南アジアで森林の減少が続いています。 その原因として農地への転用、非伝統的な焼畑移動耕作の増加、過度の薪炭材採取のほか違法伐採等も指摘されています。 この対策の一つとして、第41回国際熱帯木材機関(ITTO)において、熱帯木材に係る持続可能な熱帯林経営を促進するための 事業や活動等が承認されました。 世界の森林面積の年当たりの変化率(2000年〜2005年) 乾燥地域、半乾燥地域等における土地の劣化である砂漠化は、全陸地の4分の1の土地と、世界人口の6分の1に当たる10億人の 人々に影響をもたらしています。その背景には、開発途上国における貧困、人口増加等の要因が絡んでいます。このため、 国連砂漠化対処条約の下で、国際的な努力が進められています。
引用 4 エコタウン等 エコタウン事業は、「ゼロ・エミッション構想」(ある産業から出るすべての廃棄物を新たに他の分野の原料として活用し、 あらゆる廃棄物をゼロにすることを目指す構想)を地域の循環型社会形成のための基本構想として位置づけ、併せて、 地域振興の基軸として推進することにより、先進的なまちづくりを推進することを目的として、平成9年度に創設されました。 地域としての取組により異なる業種間での連携が可能となり、より高度な技術の導入が期待されます。
引用 GBO GBO 世界経済を支える生物多様性 by キャロル・ スミス on 2010年05月29日 キーワード: GBO-3, SBSTTA, 地球規模生物多様性概況, 生態系, 生物多様性, 種の多様性, 絶滅 先週発表された 地球規模生物多様性概況第3版(GBO-3)には、世界の首脳たちが優先すべきことを見極めなければ、多くの人々の無関心が世界経済の 大混乱を引き起こす危険があると記されている。生物多様性損失は先進経済国にさえ影響を及ぼすだろう。なぜなら、「生命や生活を支えている自然体系 が崩壊する危険性がある」からだと、GBO-3は報告している。 GBO-3の前書きで潘基文(パン・ギムン)国連事務総長は、「人類のこの失敗が早急に是正されなければ、私たちすべてに深刻な影響が及ぶでしょう」と述べる。 5月22日の 国際生物多様性の日直前に発表された今回の研究は、2002年の生物多様性条約(CBD)で取り交わされた世界全体の生物多様性損失率を2010年ま でに引き下げるという公約を、いかに各国政府が果たせずにきたかについて確認している。 金融セクターや経済刺激策に多大な資金投入をしている間に、憂慮すべき生物多様性の減少を見過ごしてきたという事実を各国政府は是正しなければなら ないと、この研究は結論付けているのだ。 専門家によって検証された500件の科学技術論文と110件の各国政府からの報告書をもとに、CBD事務局員がまとめたGBO-3の最初の言葉は、アフメッド・ ジョグラフCBD事務局長の「良いニュースではない」である。 「かつてないスピードで生物多様性が失われています。絶滅率は歴史上の率の1,000倍に至るまでになっている可能性があるのです」と、ジョグラフ氏は述べる。 確かに、地球が第6番目の絶滅危機を迎えつつあると主張する科学者は多い。但し、以前の5回は小惑星衝突などの自然事象によるものだ。 「近年起きた経済危機に見られるように、世界的な株価の損失には人々は素早く反応し広範囲のパニックを起こします。しかし、それが生物多様性の損失の場合、 重大な生命の問題にもかかわらず人々の反応は薄い。 差し迫った対応の必要性を無視すれば、私たちは許容できないほど大きな代償を長期に渡り支払っていくことになるのです」と、 国際自然保護連合(IUCN)のビル・ジャクソン事務局次長は語る。 また、IUCN 種の保存委員会のサイモン・スチュアート議長はこう述べている。「今や地球上のすべての生命にとって深刻な事態に陥っているのです。 すべての政府や社会が、生物多様性の危機が現実に起きていることを理解しなければなりません。世界の首脳たちは経済危機に対し正面から立ち向かいました。 環境に対しても同等の投資と責任が必要なのです」 生物多様性救済措置 GBO-3の査定は2010国際生物多様性年の画期的な偉業の一つと見なされており、9月に行われる国連総会の高官レベル会談で世界の指導者たちにより議論される。 また、その話し合いの結果は、10月に名古屋で開かれる第10回生物多様性条約締約国会議で各国の交渉の焦点となるだろう。 人間は生物多様性なしでもどうにか生きられるという幻想を捏造した。 ? アッヘム・シュタイナー国連環境計画事務局長 これらに先駆けIUCNは、現在ケニアのナイロビで開催されている生物多様性条約の 科学および技術の助言に関する補助機関(SBSTTA)会合に働きかけ、 損失を食い止め回復させるための10年戦略である国際生物多様性“ 救済措置”の土台作りを強く求めている。 「SBSTTAは絶滅の危機から脱却する過程において重要な局面なのです。ナイロビで発表される科学データを各国政府が受け入れれば、現在の生物多様性損失を 回復できる見込みが出てきます」と、ソニア・ペニャ・モレノIUCN生物多様性政策担当官は語る。 「もし自然界が危機にひんしているという事実を各国が受け入れなかったなら、事態は壊滅的な状況になるでしょう」 切り離された私たち 衰退の途にある生態系や、急速に弱体化し消滅し始める転換期をまもなく迎えようとしている生態系、また、もはや二度と人類に奉仕できない生態系の数々を、 GBO-3の研究は列挙している。 報告されている例をいくつか紹介しよう: ?気候変動、森林破壊、火災の相互作用で、アマゾンの広範囲の森林が枯れている。これにより、地球環境や局地的降雨、また幅広い種の絶滅に影響を及ぼしている。 ?栄養素過多により湖などの多くの淡水が富栄養型、または藻類に占領された内水と化しており、広い範囲で魚の大量死を引き起こし、娯楽の場が失われている。 ?海の酸性化、海水温上昇による珊瑚の白化現象、魚の乱獲、栄養素汚染などが組み合わさり、珊瑚礁生態系の崩壊が多発している。これにより、珊瑚礁資源に 直接依存する何百万種もの生命が危険にさらされている。 このような災害は経済に打撃を与えるだろう。なぜなら、私たちは忘れがちだが、生物多様性は‘自然愛好家’の楽しみのためのみに存在するのではなく、 人類を支える生態系に組み込まれているのだから。 「食べ物はスーパーマーケットから、水は水道から、薬は薬局からもたらされるように見えます。しかし、忘れてしまいがちですが、これらの物は一つの例外もなく、 直接的または間接的に自然の産物なのです」と、 ジュリア・マートン=ルフェーブルIUCN事務総長はIUCNウェブサイトの討論ページに寄稿している。 「これらは生態系の恩恵であり、ほとんど無償で自然が与えてくれているものなのです。私たちの社会、経済、文化の存続と繁栄に不可欠な支えなのです。 これらの欠くことのできないすべての奉仕を賄う自然基盤は生物多様性なのです。膨大な種類の植物や動物やその生息環境が、数十億通りの方法で複雑か つ的確に結びついた生物多様性がもたらしているのです。」 GBO-3は55%に上る動植物種が絶滅の危機にひんしていると算定している。この中には、サイ、クジラ、ゴリラ、本マグロ、オオカバマダラなどのよく知られた種や、 植物種の23%、鳥類の12%が含まれている。また、外来野生動物の個体数の減少にも警鐘を鳴らす。イギリスでは、ヒバリなど耕地の鳥の数が1980年から半減し、 スズメやムクドリは3分の1に落ち込んだ。蝶、ミツバチ、マルハナバチ、蛾も激減している。 動植物や他の生命体の多様性がいかに価値があり、健全で機能的な生態系にどれほど貢献しているかを、経済大国の多くは理解していない。 ? アッヘム・シュタイナー国連環境計画事務局長 これらの種の減少を引き起こしている、生息環境の消滅、気候変動、公害、資源の過剰搾取は、持続または増加の途をたどっているとGBO-3は指摘している。 新たなビジョンを打ち出そう パン・ギムン国連事務総長の前書きの言葉同様、専門家たちは‘新しいビジョン’の必要性を確信している。 「すべての経済活動が自然と結びついていることを考えないでいる余裕はありません。私たちには自然資産を守るための新たな目標と協力が必要なのです」と、 IUCN生物多様性保全グループ・ディレクターのジェーン・スマート氏は語る。 同氏はこう警鐘を鳴らす。「今年私たちには、地球上の生命にとって自然保護がいかに重要かを世界中の人々に訴えるチャンスが一度だけあります。 私たちが新たに壮大な計画を打ち立てられなかったら、この惑星は存続しないでしょう」 スマート氏が言う惑星の指す星は明らかである。私たちが現状のまま続ければ、人類は存続しないだろう。しかし惑星は人間が絶滅した後も存続し、 たとえ無数のその他の種が消滅したとしても、人間が招いた結果に感謝するのではないだろうか。 数少ない肯定的な面としては、2010年生物多様性目標の一部が達成され、行動には確かに影響力があり、さらなる取り組みへの基盤となることを証明した。 その一つとして、特定の種や生態系を保護するという手段が意義深く大きな成果を挙げている。GBO-3によると、近年、森林破壊を規制する政策がいくつか の熱帯諸国において、森林喪失率を下げる結果につながった。さらに、今や170カ国が生物多様性に関する国家戦略と行動計画を制定しているのだ。 国際レベルでも希望の兆しが見えている。今週のケニヤの会合では、生物多様性と生態系サービスに関する政府間プラットフォーム(IPBES)と呼ばれる 国際組織の考えを指示する機運が高まっている。 IUCNによれば、このプラットフォームは「科学と政策間の対話を増やす」ことを主眼に置いている。 「IPBESの目的は、生物多様性、生態系、人間の健康に関する既存の豊富な情報を評価し、その地域に必要なさらなる研究を後押しすることです」と、 IUCN生態系管理プログラムの責任者、ネヴィル・アッシュ氏は語る。 IPBES設立については、来月韓国で開催されるUNEP加盟国の会合にて検討される。これは世界の首脳たちにとって、コペンハーゲンのCOP15気候サミット で見せられなかった強い姿勢を見せる良い機会である。その時こそ、ゆるぎない世界経済の根幹が形成されるのである。
引用 JBO JBO 3 生物多様性の持続的な利用に向けて (1)生物多様性の持続的な利用に向けた基本的な考え方  これまでみたように、日々の暮らしや地域ごとに固有の風土の中で培われてきた知恵からは、持続可能な社会の実現に向けた 示唆に富んだ様々なヒントを得ることができます。健全な地球環境が維持され、すべての人々に不可欠な恩恵が与えられる世界 を目指す国際的な動きを踏まえた地球資源の持続可能な利用を考えるためには、これら伝統的な知恵を活かしつつ、科学的な知 見や知識と組み合わせて取り組みを進める必要があります。このような知恵や知識は、生物資源を持続的に利用し、保全しよう とする人々の間で共有され、実際の行動に活かされることが重要です。 (2)科学的な知見に基づく評価  生態系に関する科学的な情報は十分ではありませんが、現在ある知見を集約して生態系の状態や損失の状況の全体像を総合的 に評価する取組が行われるようになってきています。国際的な取組としては、国連の主唱より1,000 人を超える専門家の参加 のもと2001 年(平成13年)から2005 年(平成17年)にかけて行われた「ミレニアム生態系評価(MA)」や、生物多様性条約 事務局により3回にわたり行われた「地球規模生物多様性概況(GBO)」(2001年、2006年、2010年)などの事例があげられます。  わが国においては、環境省が設置した生物多様性総合評価検討委員会が、過去50年間の国土全体の生物多様性を評価した 「生物多様性総合評価(JBO: Japan Biodiversity Outlook)」を2010年(平成22年)に公表しています。これらの結果 については、第3章において詳しく見ていきたいと思います。
引用 各地のジオパークの紹介 世界ジオパーク 洞爺湖有珠山 糸魚川 山陰海岸 島原半島 室戸 日本ジオパーク 白滝 アポイ岳 南アルプス 伊豆大島 恐竜渓谷ふくい勝山 隠岐 阿蘇 天草御所浦 霧島 男鹿半島・大潟 磐梯山 茨城県北 下仁田 秩父 白山手取川 ゆざわ 箱根 八峰白神 銚子 伊豆半島
引用 リター層とは 十土十色(じゅうどといろ)  土の断面は地表にほぼ平行ないくつかの層位(そうい)からなります。 一般的には、地表近くの黒っぼい部分のA層とその下のやや明るい部分のB層、さらにその下の岩石混じりの部分のC層に大別されます。 この三層の厚さや発達程度によって土のプロフィールは大きく違ってきます。  若い土ではA層のすぐ下はC層で、B層は未発達です。熱帯地方の土は真っ赤な層がつながっており、層界(そうかい)は 不明瞭で年を取った土と言えます。 森林の土はA層、B層、C層がよく発達していて、A層の上には落枝葉(らくしよう)が積もったO層(Ao層とも いう)があります。 O層はさらに分解の程度により、L層(リター層)・F層(腐葉層)・H層(腐植層)に分けられます。 C層の下はR層があります。また、水田の土ではA層やB層上部が青灰色をしていたり、B層の下部に赤い斑点(はんてん)が見られ、 さらに深いC層は青色をした層(グライ層という)が見られることがあります。  このように、土のプロフィールは様々で十人十色をもじって「十土十色」ということができます。
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