Originated:1998-1/16. Last Updated:1998-1/16、1/17 ,1/18,2000-7/26,7/28,2005-09/19 このページの内容に関して、読者からご指摘を頂きリンク先等一部改定しました: ・119条の罰金は300万円になったようです。

著作権法について


著作権制度(文化庁)
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著作権に関係する用語や法律のあらましを、ここに掲載します。
           法律の趣旨は、原作者の創作に対し、それを他人の不正使用から保護し、
           (この法律は経済関係のジャンルに入っているようです)かつ、著作者の
           人格や精神上の問題に対する侵害からも保護しようとしているようです。
      (物心両面で、著作者を保護している?)
           従って、他人の著作物を利用しようとする場合、法律で定める場合を
           除き、著作権者からの許諾が必要とされています。

           著作に関する法律/条約を通して、人類の文化的発展に寄与することが
      究極の目的のようです。
       
ここのページの目的は、
     著作者に出来ること(法により賦与された権利)及び出来ないこと(制限事項)、
     著作物の利用者に出来ること(法により認められた行為)及び出来ないこと(侵害行為)
      を知って、適法な創作活動に資するためのものです。
          「著作物・情報の創作・公表が手軽に行える時代になった」ので、一般常識としても
          承知しておくべきことでもあるかと思います。 

気象業務法のページに記載しました「法律の基礎知識」も何かの参考になると思います。click here,please.

以下、自由国民社「法律用語辞典」p.1094以降数頁、山下幸夫「インターネット法律問題Q&A」本文及び
同書巻末掲載の著作権法から「引用」し、かつ当書の趣旨に合うよう「改変」させて頂きました。


著作権 : 著作物を直接かつ排他的に支配し得る権利。
      著作物を利用しようとする者は著作権者から使用の許諾を受けなければ
      著作権の侵害となる。−−>使用差し止め、損害賠償請求、刑事罰有り。
     (著作者人格権、著作権、出版権等を侵害した者は3年以下の懲役又は
      100万円(300万円に変更??)以下の罰金に処する、との規定があります。113条、119条)
           
      著作権が成立するためには、特許権などの工業所有権とは異なり、
      いかなる手続きをも要せず、著作物が創作されれば直ちに著作権が
      成立するという 無方式主義 が採られ、我が国もこれに従っています。

著作権の種類、大別して下記3種ですが更に細かく分けられています :
    1.現状利用権
        ・ 複製権(有形的複製権)
       ・ 展示権〈美術、写真の著作物)
       ・ 無形的複製権(上演権、放送権、口述権、有線放送権等)
    2.改作利用権
       ・ 翻訳権
       ・ 編曲権
       ・ 変形権
       ・ 脚色権
         ・ 翻案権等
    3.二次的著作物利用に関する許諾権  

著作物    : 思想または感情を創作的に表現したものであって、
         文芸、学術、美術または音楽の範囲に属するものをいう。(2条)
        〈特許法の対象となる発明や実用新案法の対象となる考案などは
         著作物とはなり得ない)

対象外の著作物: 憲法その他の法律、告示、通達、裁判所の判決等はこの権利の
         目的となることが出来ない。(13条)

著作者の権利 : 著作者は「著作者人格権」、「著作権」を享有する。
         これらの権利の享有には、いかなる方式の履行をも要しない(17条)。

複製権    : 有形的に再生する排他的権利をいう。(2条十五項、21条)
                    但し、
          ・私的使用のための複製(30条)、図書館における複製、
           教科書への掲載は著作権者の許諾不要。
          ・引用は著作権者の許諾不要。(32条) 

二次的著作物 : 原著作物を翻訳、変形等することにより創作した著作物。(11条)

同一性保持権 : 著作者の精神的・人格的利益の保護。 (20条)
                    ・著作者は、その著作物及びその題号の同一性を保持する権利を
                      有し、その意に反してこれらの変更、切除その他の改変を
                      受けないものとする。
                    ・著作物の性質並びにその利用の目的及び態様に照らしやむを得ない
                      と認められる改変は、上記の適用対象外です。                  

氏名表示権  : 他人が著作者に無断で氏名・称号を変えて表示したり、削除
         したり等する行為、は氏名表示権の侵害となる。(19条) 

出版権    : 著作物を原作のまま印刷その他の機械的または化学的方法により
         文書または図画として複製・頒布する専有権。

許諾     : 著作物の利用を求める者に対し、一定の範囲ないし方法での
         著作物の利用を認める著作権者の意思表示。(63条)
著作権の
  保護期間 : ベルヌ条約により、著作者の生存期間および
         その死後50年間保護される。(51条)

プログラム著作物 : 電子計算機を機能させて一つの結果を得ることができるように
         これに対する指令を組み合わせたものとして表現したもの。
私的使用の
 ための複製 : 一定の範囲内で、著作権者の許諾不要。(30条)

引用     : 引用の条件を満たせば、著作権者の許諾を得ることなく、
         自由に引用できることを定めています。
          (複製権の一種と考えられます。「転載」も引用と同義のようです)
          (32条は、著作者の権利に一定の制限を設けています)
         公表された著作物は(自分の著作物に)引用して利用することが出来る。
         引用は、公正な慣行に合致し、正当な範囲内で行われること〈32条)。

         最高裁判所判決に於ける「引用可能」とする判断基準:
          ・表現形式において、明瞭な区別が出来ること 及び
          ・利用する側の著作物に主、引用される側の著作物に従の関係があること。

出所の明示  : 著作物の出所を合理的と認められる方法及び程度により明示する〈48条)。

題号     : 20条の同一性保持権の範疇で考えられているようです。


ベルヌ条約   : 「文学的および美術的著作物の保護に関するベルヌ条約」が正式名称。
         1888年成立した国際条約です。 我が国は1889年に加盟しました。

         無方式主義。 加盟国は米国、英国、仏国、独国、
                  イタリア、カナダ、日本など95か国〈1993年現在)

         方式主義であった米国が1989年に加盟したことにより、
         万国著作権条約(方式主義+無方式主義)は現今比重が弱くなったようです。


インターネットにおける著作権に関しては、 「インターネット法律問題Q&A集」山下幸夫、情報管理、1997年           が参考になると思います。          インターネット関係のLink先をこに案内させて頂きます。       インターネットの法律問題          インターネット・ロイヤー法律相談室-1          インターネット・ロイヤー法律相談室-2
青空ページ製作のため参照した 法律関係の参考図書です。 気象業務法の解説   古谷源吾      日本気象協会     昭和32年  改訂著作権      中川善之助     第一法規       昭和55年  著作権法逐条講義   加戸守行      著作権資料協会    平成3年  法律用語辞典     長谷川秀紀     自由国民社      1994年  法令解釈の常識    林修三       日本評論社      1995年  法令作成の常識    林修三       日本評論社      1995年  気象・防災六法    ぎょうせい     気象庁監修      平成8年  インターネット法律問題Q&A集 山下幸夫      情報管理       1997年  その他の参照文献です。

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