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気象実験

     ここに掲載した実験は、気象の勉強を始めようとする人々や気象予報士の資格を持って    いても、気象を本職としていない人々を主たる読者として想定し、ここに発表したものです。    「実験」と言うことを念頭においた背景・動機は、紙の中に書いてある気象の論理や経験を、    自分の手で実演し、自分の目で見て確認し、そして、自分の頭脳で考える。こうして自然の    性質や仕組みを体得したい、と考えたからであります。    自分にとっての気象理解へ至る方法として、気象の基礎的な問題を下記8つのジャンルに    分け、ジャンル毎に個別の実験を開発・実施した。      @太陽と地球、Aエネルギーと放射、B空気の物理的性質、C運動と力学、      D流動する空気、E水と水蒸気、F地形効果、G数値予報        個々の実験に際しては、     (1)実験対象とする現象は何かと言うこと、及び現象の背後にある論理     (2)机上で実現するための素材選定と実験手順、及び器材・装置の製作上の工夫を意識    して行いました。    すなわち、気象現象は、その時間的、空間的サイズが極端に大きかったり、極端に小さかっ    たりして、現象を身近に再現することが困難な場合が多い。このため、現象発現のメカニズ    ムや原理を保ちつつ、いかに現象を分かり易く再現するか、が実験の成否を決めることとな    ります。このため、個々の実験ごとに装置の設計や、実験手順等の問題が生じ、創意工夫が    必要となる。実験器具・装置の製作方針は、既製品として販売されている実験キットは使わ    ない。原則としてすべて自作、軽量、安価に製作出来ること(このため廃品を利用した)、    しかも自宅や教室で容易に・安全に操作でき、以て、現象の再現性が良好で、結果もよく分    かる様なものを作ること、とした。こんなことを実験器具製作の要件と考えて装置を作って    きました。気象予報士なら誰でも容易に操作、理解できるものばかりです。 Originated 2008-12/12, Last updated 2008-12/25, 2009-2/19, 8/31, 2010-4/25

気象実験

@
【太陽・地球】
  地球は太陽系の中にあり、太陽の周りを公転しつつ自転している。
  地球の表面には空気が存在し、地球とともに回転している。
  地軸は、公転軌道面に対して傾きがあり、四季が生じる。

EXPM57 日時計を作る(板+ボール紙+つま楊枝)太陽 高度の日変化   EXPM70 剛体回転1 (回転円盤、円形の容器、ビー玉)                  および(コンピューターシミュレーション)   EXPM83 水平面とは何か(ペットボトル、水)   EXPM84 接平面の回転(地球儀、方位磁石)   EXPM85 接平面の回転2(紙、割り箸、クリップ)私たちが立っている地面は、             1日に360°回転しているのであろうか。   EXPM65 平板斜面上のコマの運動 (平板、コマ)
A
【エネルギー、放射】
  太陽は電磁波を放射し、電磁波は空気の層を通り抜けて地上に到達する。
  電磁波は、エネルギーを持ち、このエネルギーが、大地、空気、雲等を
  あたためる。

  EXPM26 太陽光線の熱(アルミ箔、針金)太陽光線を放物面で受けて、温度を測る   EXPM29 エネルギーは力となる(ペットボトル+ビニールチューブ+水)、       =位置エネルギーと圧力エネルギーの相互変換。       (関連実験、EXPM88 容器内の空気の温度上昇)   EXPM87 熱の放射(コップ、熱湯、鏡、金属板)   EXPM25 バナナ1本のエネルギー(バナナ+話)登山に要するエネルギーはどれくらいか?                      食物のカロリーとできる仕事の分量 
B
【空気の物理的性質】
  地球上には、空気が物質として存在する。空気の物理的、化学的変化は、
  気象現象として発現する。この空気の物理的性質を「重量、圧力、温度、
  保有する熱」の観点から相互的に関連付ける。また、空気は流動するが、
  ここでは、静止している場合の力の釣り合いを考える。

  EXPM23 空気の重さを測る(ペットボトル)理想気体として取り扱う。     (関連実験、EXPM05 山で採取した空気)   EXPM24 圧力計を作る(ビニールチューブ+水)(水位同一実験)   EXPM32 浮力の負担者は誰でしょうか?(容器+台秤+水+ボール)   EXPM01 台風の海水面の吸上げ効果実験(ペットボトル4本+ビニールチュープ+バケツ)   EXPM33 密度成層を作る(透明な容器+油+牛乳+醤油)   EXPM04 マリオットのビン(ペットボトル+ビニールチューブ+バケツ)   EXPMB1 静力学のパラドックス (ペットボトル。ビン、台ばかり、水) EXPMN1 真空の力 (シリンジ、紐、水、クリップ、ビニールチューブ、秤)
C
【運動、力学】
  空気を物(物体、固体、質点)とみなすことが出来る。この物体(空気)   は質量をもち、したがって、力(重力)がかかり、地球上において力の   「不釣り合い」が生じると、空気(物体)が運動することとなり、運動は   また他の物体(空気)に力を及ぼす。移動は現象変化の基礎となる。   空気は、自分が存在する場、すなわち地球の回転によっても影響を受ける。   空気は、この「影響」を「見かけの力」として受け、総観規模の渦を形成する。   エネルギーを得た空気は、そのエネルギーを力へ変え、他の空気を上下左右に   押したり引いたりして、風ができる。
 

  EXPM80 剛体回転2(回転円盤、茶碗、お茶)   EXPM74 フーコーの振り子 (コンピューターシミュレーション)                       および(回転円盤、フック、糸、紙、砂)   EXPM75 コリオリの力 (コンピューターシミュレーション)                  および(回転円盤、紙、定規、鉛筆) EXPMX0 傾圧不安定波 (回転円盤、モーター、動力伝達装置、円筒容器3種、湯、水、氷等)   EXPM38 ブラックホール 軌道の上昇と維持(じょうご+ビー玉)   EXPMB3 遠心力と重力の釣り合い (ボール、紐、針金、ボールペン)   EXPM71 台風の渦巻きを描く (コンピューターシミュレーション)   EXPMA6 無重量空間 重さを感じない空間をつくる   EXPMA7 スイングバイ (磁石、鉄の玉)力の存在と力の合成。                     木星の重力を利用して衛星軌道を変えるアイデア   EXPMA9 スピンダウン (ビン、茶がら、水)   EXPMB0 スピンアップ (ビン、茶がら、水)、浮沈子救出作戦 EXPMB8 エクマンスパイラル (コンピューターシミュレーション) EXPMM1 連成振子 (細い棒、ゼムピン)
D
【空気の流れ】
  空気は、物理学でいう「質点」として力学的運動を行うが、また、気体
 (流体)としての性質も持っているので、質点に見られない特徴、すな
  わち粘性や圧力と言う観点からの運動が顕著にみられる。 
  

  EXPMA3 流れのかたちを見る 流れの中に障害物があるときの流れの変化   EXPM36 流れに吸いつくスプーン(スプーン+水道)   EXPM37 寒冷前線(水槽1m+水+牛乳)   EXPM52 エントレインメント(容器+ストロー)積乱雲、霧吹き   EXPMA1 ベナール対流   EXPMA5 ダウンバースト 下降気流、上昇気流、鉛直P速度   EXPMB9 大気の波動 (コンピューターシミュレーション) EXPMN5 ランキンの複合渦 (洗面器、紙片、棒、水) EXPMM2 タッチダウン (ペットボトル、プラスチックの平板)   EXPM34 渦の寿命(円形容器、水、割り箸)   EXPM35 ティ−バッグの不規則振動(ティ−バッグ、カップ、湯)
E
【水】
  水は主として水蒸気の形で、空気によって運搬され、また空気から温度を得て、   相変化し雨や雪となる。水は、空気のパートナーとして、気象現象に多様性を   もたらす。

  EXPM21 白雲を作る(ペットボトル+ゴム栓+空気入れ)   EXPM47 グラスの結露(冷水+コップ)、露点・湿度、ガラスコップの表面の露の観察、   EXPM45 凍らない水を作る(氷+塩+容器+試験管)、過冷却水   EXPM48 気化熱(コップ+脱脂綿+水)、水の蒸発と水温低下の実験、 ●=EXPM49 ダイヤモンドダスト(冷凍庫+ペットボトル+プチプチ) 過冷却水滴の蒸発促進   EXPM51 雨粒の形(各種の直径のビニールチューブ+水+広口の容器)   EXPM69 消える雨 (ドライアイス、ビーカー、霧吹き、水)雨は落下中に蒸発し、                         見えなくなることがある。
F
【地形効果】
  空気が運動するとき、山や建物、気団などに衝突することによって、   流れの方向と速度が変えられ、地域や地形に特有な気象現象が生じる。   局地風や都市の気象にその姿が顕著に見られる。

  EXPMA0 ビル風 大きな建物に風が当たると、流れはさまざまに変化する   EXPMA2 カルマン渦 流れの中に障害物があるとき、障害物の後方に渦列ができる   EXPMA4 御前崎の風 地形効果を実地に検討します
G
【数値予報】
  気象現象は、常に変動している。この変動を将来に向かって物理学的に   予想する方法を考える。物理的、化学的な運動や状態の変化は人間の読む   文章で表現されるが、これをコンピューターに分かる言葉で記述することが   出来、コンピューターは与えられた条件と論理でもって、結果を出力する。   これは、数値予報と言われ、その予想の根底には「移流」と呼ばれる現象   変化の記述方法がある。この移流を実験で実感してみる。そして、数値   シミュレーションによって現象変化の検討を行ってみる。

  EXPM28 温度を空気で運ぶ(新聞紙+輪ゴム+ペットボトル+ヘアードライアー)        EXPMA8 風速の予測 (コンピューターシミュレーション)

その他

H
【雲と台風】
  上記の細分化した実験に加えて、もう少し幅広い視野でみた気象現象に関する   実験、観察、シミュレーションを行う。

  EXPM72 風に流される台風 (コンピューターシミュレーション)   EXPM73 台風の中心位置の軌跡を描く (コンピューターシミュレーション)   EXPMB4 台風解析(気象衛星画像)   EXPMB5 台風の気流解析(T0423)(高層気象観測データ)   EXPMB6 台風のベストトラック(コンピューターシミュレーション)   EXPMB7 トラック作成ツール   EXPM60 雲の高さを測る (一人で観測した事例:レーダー画像利用例ウェブカメラ利用例
I

【自然、気候、暦】
  自然、気象を楽しみ、自分が今ここに生かされていることを喜び、感謝する。

  太陽の位置と暦   24節季、72候
J

【表現技術、工作・測定技術】
   工作・測定技術。表現技術(写真、アニメ、PCシミュレーション)

  ・実験の実施時や実験結果の写真の撮り方   ・現象の連続的変化を写真に撮り、アニメで見せる    実験には、工作が必要となります。圧力や温度の測定器具も必要になります。   ・物体や空気の動きや状態の変化をシミュレーションし、PCのスクリーン上で動きをみます。    パラメーターを変えて、状況の変化を、繰り返していつでも    机上実験できます。たいていの場合、数値や計算を伴います。     実験装置の製作工具
・「●=」印の付いている実験は、実験継続中のものです。 ・実験項目の選定:  筆者のホームページに掲載中のもの、拙著#1「大気の流れ」および  #2「天気図と気象理論」で記述した事項を主体として選んであり、  気象科学実験教室、一覧表 をも参考としています。 ・参照文献:       一般気象学、 小倉義光       地球流体力学、木村竜治       流体力学、日野幹男       気象科学辞典、日本気象学会       理科年表、国立天文台       基本季語500題、山本健吉       俳句歳時記、角川書店       その他、多くの出版物を参考にさせていただきました。       厚く御礼申し上げます。 
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