Return Home 気象科学実験教室、一覧表 キッズの気象実験、一覧表

キッズの気象実験

実験の様子を写真で紹介します。

実験項目および内容は、随時追加、修正、改良しています。 Originated 2008-08/08 Last Updated 2008-08/30,09/30,10/22, 11/09
#610 実験61    間欠泉を作りたいと思っていました。    間欠的に圧力を発生させる仕組みをいかに作るか、そこがポイントでした。    結局、これまでに行ってきた実験を組み合わせて行うのが、最も楽に    できる方法である、と気づきました。 #611 実験タイトル=間欠泉 #612 実験の狙い=実験を組み合わせて、新たな実験方法を創作する
ヘロンの噴水。ししおどしのA部からヘロンの噴水の
A部に水が注がれ、D部から水が噴出します。
ししおどし。このししおどしがカタンとなった時に、水が、
ヘロンの噴水のA部に注がれるように装置の位置関係を設定します
#613 実験装置の製作 and/or 準備 ・
実験14、ヘロンの噴水実験31、ししおどし。を組み合わせる。    ・このとき、ししおどしおよびヘロンの噴水装置のA部を高い位置に、ヘロンの噴水装置B、C(D)を低い位置に配置します。 ・ししおどしの設置位置は、床上1m以上にすると噴水がそれなりに高くなるでしょう。 #614 実験の実行と結果    ・給水は、高所に設置した水溜めからサイフォンで水を導き、ししおどしの注水部へ流し込む。    ・一定の流速で流出する水がししおどしに一定量たまると(通常一定時間経過後)、ししおどしのA部が傾き、     水がヘロンの噴水装置に流れ込む。    ・こうして、【一定時間ごとに】噴水が生じます。 #615 実験を効果的に行うための工夫、注意点等 ・ヘロンの噴水装置のA部をできるだけ高く配置すると、噴水が高くなります。    ・噴出した水を捨てずに再利用するため、洗面器などで噴水を受けましょう。 #616 実験の解説 and/or 関連実験 ・ししおどしの装置は、間欠的に水を供給する機能を持ちます。    ・ヘロンの噴水装置には間欠的に水が注入され、同時的に水を噴出します。    ・この両者の連携プレーで「間欠泉」の出来上がりです。    ・この実験は、本物の間欠泉をシミュレートしていると考えられます。    #617 【追加実験、考察等】 ・この実験は、それぞれ固有の目的を持った実験を組み合わせて、新たな実験が可能となった例です。     (#317、でこういうものを作りたい、と願っていた現象を作り出すことができました。)     ・実験装置全体の配置を示します。
間欠泉1(全景)
間欠泉2(ししおどしが傾いたとき)
間欠泉3(間欠的噴水)
     ・間欠泉の噴出時間間隔は、高低差、ボトルをつなぐチューブの口径、ボトルの容積、支点の位置、     ボトル内にもともと入っていた水量、ボトル内の気圧、管路の抵抗、水の表面張力など、さまざまな     要因が影響を与えると考えられます。    ・装置を精密に作っていないので、漏水があったりしました。     このためか、ししおどしからの注水タイミングが本来規則的であるはずのものが、やや乱れています。     ・間欠泉におけるししおどしからの注水および、噴水のタイミングチャートを作成してみました。実測です。      (1)噴水の最中にししおどしからの注水があれば、噴水は継続する。      (2)噴水終了後、次の注水開始まで時間があくと、次の注水、その次の注水、さらにはもうひとつ先の         注水があっても、噴水が起こらない場合がある。    ・このように、不規則的な噴水現象を呈する間欠泉が見られた。    ・すなわち、噴水のタイミングは注水のタイミングに同期していませんが、何回かの注水ののち、噴水がありました。     しかし、別の同様装置で、実験したところ、今度は、注水と噴水が同期しました。     (この相違の理由は追試および検討中です。)    ・なお、断定的なことは何も言えないが、ヘロンの噴水装置における(中央の)ボトルBの噴水時の内圧は、     注水時点の内圧に比較して約30hPa高くなっていると推定される。     (この値は、別途のボトルを使って、噴水時の水柱を実視した結果です。)     先頭へ戻る 実験一覧表
#620 実験62    昔懐かしの糸巻き車を思い出しながら再現してみました。    小学校低学年の児童に、試行錯誤することや工夫することの体験を通して、うまく動くことを    体感してもらいます。そして、糸巻き車が動くメカニズムを考えてみましょう。    この実験は、家庭でお母さんがお子さんに見せてあげてもいいですね。 #621 実験タイトル=糸巻き車を作る #622 実験の狙い=ローテク(Low Tech.)カーを工夫しながら作ることを体験する
糸巻き車(走行中)
糸巻き車の反対側
糸巻き車(吊り下げた状態です)
ゆるい坂道を登る糸巻き車
#623 実験装置の製作 and/or 準備 ・糸巻き、つま楊枝、輪ゴム #624 実験の実行と結果 ・糸巻きの穴の中に輪ゴムを通します。    ・輪ゴムを写真のようにつま楊枝に通します。    ・長いほうのつま楊枝を数回回転し、輪ゴムに「撚り(より)」を与えます。    ・机の上におくと、輪ゴムの撚りが戻りつつ、糸巻き車が動き出します。    ・ゆるい坂でもけなげに上って行きますが、、、途中で息切れすることもあります。 #625 実験を効果的に行うための工夫、注意点等 ・撚りをかける回数は欲張らず、多くしないこと。    ・つま楊枝の一方は、必ず床に届くように長さを調節すること。    ・つま楊枝の他方は。糸巻き車の進行の障害にならないよう、車の直径以内の長さにすること。    ・簡単な実験です。車がうまく動かないことがあります。原因を考え、いろいろ工夫してみて下さい。 #626 実験の解説 and/or 関連実験 ・輪ゴムに与えられ、蓄えられた弾力のエネルギーが解放されつつ、車の移動に使われます。    ・この実験は、気象とどんな関係があるのでしょうか。無関係に見えますね。     糸巻き車が走っても、雨が降ることとは関係ありません。この実験の表面的な姿の裏には、     重要な原理原則がひそんでいます。     それは【エネルギー=力】ということであり、【力=エネルギー】ということです。    ・例えば、台風の風のエネルギーは建物やクレーンなどを倒壊させる力を持っていますね。    ・糸巻き車のエネルギーは輪ゴムに蓄えられ、放出されました。     台風の風は、高い気圧(エネルギーレベルが高い)の空気が低い気圧(エネルギーレベルが低い)の空気     の方へ移動するとき、風になって、途中にある建物やクレーンにあたって、倒壊させる力となります。      (ふくらませた風船から空気が噴出するとき、高いエネルギーが解放されることと同様です。)      ・糸巻き車の実験はやさしいですが、そこでみられる現象の背後には自然界の原理原則があるのですね。  #627 【追加実験、考察等】 ・糸巻きがなければ、円筒形のものを探して糸巻きの代わりにして、実験してください。    ・車の前進に寄与する力はどこから生まれたかは、上述したつもりですが、容易に分かりますね。    ・では、エネルギーが糸巻き車を前進させる力に変換されるメカニズムはどうなっているのでしょうか。    ・糸巻き車の各部分の「機能」を考えてください。    ・動力の発生源、動力をスムーズに伝達する部分、それはどこでしょうか。    ・動力の伝達に関しては、【マサツを必須とする部分】と【マサツができるだけ小さいほうが良い部分】は何かを考えてください。    ・糸巻き車を吊るした写真を見てください。輪ゴムに撚りがかかっていると、糸巻きは回転します。そうです。「回転」します。     これがヒントです。
先頭へ戻る 実験一覧表
#630 実験63    広場でフリスビーをなげると数十メートル飛んでいきます。    このときフリスビーには、投げる瞬間に回転力を与えます。    その回転力をもっと積極的に与えるように工夫します。 #631 実験タイトル=UFOを飛ばす #632 実験の狙い=強い回転を与えられた物体の飛行状態を観察する。
写真左、ボール紙を円盤状に切りぬく
写真右、円盤の縁を折り曲げてクッションとする。
#633 実験装置の製作 and/or 準備 ・ボール紙、輪ゴム    ・ボール紙を直径10cm程度の円形に切り抜く。    ・きりぬいた円盤の縁に切り込みを入れる。 #634 実験の実行と結果 ・円盤の縁の切り込みに輪ゴムをかけて、引っ張り、離す。    ・円盤が強く回転しながら飛んでいく。    ・円盤を飛ばす方向のコントロールが行いやすい。 #635 実験を効果的に行うための工夫、注意点等 ・人に向けないこと。    ・安全のためには、円盤の縁を折り曲げ、立てるとよいでしょう(写真右)。クッションになります。    ・広い場所で、大空高く飛ばしてみよう。 #636 実験の解説 and/or 関連実験 ・回転する物体は、外乱に対する抵抗が強く遠くまで飛行できる。     (円盤を回転させずに投げても、すぐ落下してしまいます。)    ・回転していない物体は、
実験42、紙飛行機 を作って飛ばしましたが、機体の安定性を保つためには     主翼の形状を改良する必要がありました。 #637 【追加実験、考察等】    ・狭い室内で実験するときは、低空飛行させてみよう。たとえば、椅子の脚の間を通してみよう。    ・このUFOでは、ゴムの引っ張り力を動力源としました。     実験61の糸巻き車では、輪ゴムに撚りを与えましたが、その時にもゴムには引っ張り力が与えられていました。    ・さて、それでは、多摩川の左岸からUFOを飛ばして、水の中に墜落せずに右岸に無事着陸できるだろうか。いずれやってみたい。    ・子供たちに台風の話をするとき、直径30cm弱のこんな円盤を用意しておき、回して見せます。     台風も強烈な回転をしていることや、寿命が長いことを話ます。      先頭へ戻る 実験一覧表
#640 実験64    空気は熱せられると上昇し、対流現象を呈しますが目に見えません。    ビーカーに水と茶がらを入れて下から加熱すると、対流現象が観察できます。    下の写真右の雲も対流現象によってできた雲です。この対流現象は、    ベナール対流と呼ばれますが、その様子を目に見えるようにする実験です。 #641 実験タイトル=ベナール対流 #642 実験の狙い=べナール対流を可視化する
ベナール対流(細胞状)
ベナール対流(流された状態)
ベナール対流(穏やかな日の雲)
#643 実験装置の製作 and/or 準備 ・シリコンオイル、アルミ箔、小さく平たい容器、大きい平たい容器、温湯 #644 実験の実行と結果 ・大きい容器に温湯(約40℃程度)をいれる。    ・小さい容器にシリコンオイルとアルミ箔をいれよくかきまぜる。深さは1cm程度で良い。    ・小さい容器を大きい容器の温湯上に浮かべる。    ・すぐに対流が始まり、細胞状の縞模様ができる(写真左)。    ・小さい容器を少し傾けると、細胞の形が細長い形に変わっていく(写真中)。 #645 実験を効果的に行うための工夫、注意点等 ・この実験ではシリコンオイルを使いました。    ・ほかに、水、牛乳、醤油、スピンドル油、機械油、食用油、さまざま使いましたが、シリコンオイルが最もよく細胞を形成してくれました。    ・アルミ箔でなく、茶がらなどを使いましたが、キメが細かく流れの様子が見える、光の反射がよく写真写りが良い、     などの長所があり、アルミ箔が良かったです。 #646 実験の解説 and/or 関連実験 ・気象予報士には、おなじみのベナール対流を作る実験です。    ・小さい細胞が、細長い形に変わっていくのは、冬季日本海上できる筋状雲に似ていると思われます。    ・風がなく穏やかな日差しのある日には、朝快晴であっても、昼前には上空2000〜3000mあたりに     雲が出てきます。たいてい写真右のような雲です。この雲は、ベナール対流によって作られると考えられます。 #647 【追加実験、考察等】 ・上の写真とは、逆の形のベナール対流の実験で、細胞状対流を作る試行錯誤の過程でできたものです。     シリコンオイルでなく、スピンドル油を使いました。右の写真は、高層にできた雲です。
ベナール対流
高層にできた雲
先頭へ戻る 実験一覧表
#650 実験65    見えない流れを見る方法:透明=不透明にする・粒子を混ぜる、              遠くにあるものも見えない=Web-cameraを使うと現状を見ることができる              小さすぎるもの・大きすぎるものも見えない     ==========準備中です============ #651 実験タイトル=流れのかたちを見る
空気の流れの可視化
流れの中に障害物があると、後方に渦ができます。
Try.
    水の中に少量のアルミ粉末を混入し、水槽で流れを作ります。障害物を
    置くと、後方に渦が見えてきます。光の当てかたを工夫し、カメラの
    シャッタースピードを適宜にするとアルミ粉末の軌跡としての渦が写
    ります。
Variation.
    障害物の形状、配置、間隔をいろいろ変えてみましょう。
Think.
    空気が山や建築物に衝突すると、空気の流れが変わります。その変わり方は、
    様々な形となります。以下拙著シリーズ#1からの流れの形の抜粋です。
    流れの形(層流と乱流、反流と逆流)
    流れの形(主流の変化)
    流れの形(二次的な流れ)
    流れの形(二次的な流れ)
    流れの形(都市部の気流)
先頭へ戻る 実験一覧表
#660 実験66    子供のころ、友達同士でビー玉を当てる遊びがありました。互いにとったり、取られたり。    この実験では、同じビー玉を使って、遊びの中で運動(量)というものを体感し、いろいろ考えてみましょう。    力がかかる方向とか、直線とか、直線が形成する角度とか、さらにはビー玉の重さなどが問題となります。    子供たちにとっては、目的を成功させるため【意識を集中する中で】、一瞬のうちに総合判断し、決断する。    そんな訓練にもなるかな、と思います。 #661 実験タイトル=ビー玉でビリヤード #662 実験の狙い=運動量というものを体感する #663 実験装置の製作 and/or 準備 ・ビー玉、割りばし、テーブル #664 実験の実行と結果 ・ビー玉を3個(A、B、C)テーブルの上に離しておく。    ・割りばしをキュー(Cue)代わりにして、1個のビー玉Aをうつ。    ・打たれたビー玉Aはビー玉Bにあたり、ビー玉Bはビー玉Cに当たる。 #665 実験を効果的に行うための工夫、注意点等 ・テーブルがなくても、やや大きい平たい菓子箱を使っても楽しめる。    ・テーブルには、テーブルクロスがかかったままでもかまいません。    ・硬い木或いは金属棒を壁として、AやBを反射させても面白い。    ・A、B、Cの相互の位置関係を変えて、当たる角度をさまざまに変えてみよう。     (ビー玉A、B、Cを直線上にならべて打ったり、壁に当ててクッションとしてみよう。)    ・ビー玉の数を4〜5個に増やして、遊んでみよう。 #666 実験の解説 and/or 関連実験 ・運動量の保存の法則を実感します。    ・一つの物体の運動が、他の物体の運動を引き起こし、そこに新たな運動が生じ、     以降、運動が連鎖反応的に伝達されます。    ・1個のビー玉が同時的に2個のビー玉に当たれば、運動が分割されることになります。    ・そして、運動は次第に減衰していくことにも気づくでしょう。 #667 【追加実験、考察等】 ・よくある実験ですが、ビー玉を2つ以上、同じ長さの糸で吊るして、カチカチ言わせてもよいでしょう。    ・物体(たとえばボール、たとえば石)を打ったり、蹴ったり、投げたりすると、その物体は運動します。     運動には、その運動の源泉となっている力や運動が存在します。mgであり、mvです。    ・この実験では物体が「直線運動」すること、させられることを見ることができます。     この直線運動から、「回転運動」を引き出すことは可能でしょうか。     そのための条件は何でしょうか。→運動の方向を変えてやる必要がありますね。    ・こういう問題意識をもつと、話は速度(v)とか加速度(g)と言う運動の本質に迫っていきます。 先頭へ戻る 実験一覧表

#670 実験67    紙風船。    大抵のものはたたくとへこんだり、小さくなります。しかし紙風船は、たたくと膨らんできます。    しかも紙の状態だと、投げても飛んでいきません。しかし、紙風船はたたくと飛んでいきます。 #671 実験タイトル=紙風船であそぶ #672 実験の狙い=紙風船を叩いて、膨らんでいく様子を観察し、さらに紙を投げることができることを実感する。
紙風船、たたく前のへこんだ状態。
紙風船、たたいて丸く膨らんだ状態。
#673 実験装置の製作 and/or 準備 ・紙風船は100円ショップなどで売っています。    ・紙風船を自作するのは少々大変です。 #674 実験の実行と結果    ・半分程度ふくらませておいて(写真左)、あとは、上方へたたきあげると丸く膨らんでいきます(写真右)。 #675 実験を効果的に行うための工夫、注意点等 ・10回程度たたきあげます。    ・紙風船は次第に膨らんできて、丸くなります。 #676 実験の解説 and/or 関連実験 ・たたいたとき、紙風船は一瞬体積が減少し内部は一瞬高圧になり、この高圧が紙風船を広げ膨張し、     低圧になろうとします。このとき、紙風船の入口からわずかに空気が入ってくると考えられます。    ・このわずかな空気の流入が、紙風船をたたくほど紙風船をふくらませることになります。 #677 【追加実験、考察等】    ・
実験02、空気の袋実験03、空気砲も紙風船と同じく空気が一瞬高圧になって、     その時運動性能がよくなります。 先頭へ戻る 実験一覧表

#710 実験71  コンピューターシミュレーションで台風の渦巻きを描いてみましょう。    子供たちに対しては、コンピューターのプログラムで、台風の渦の形を描くことができる    ことを話します。  #711 実験タイトル=台風の渦巻きを描く     #712 実験の狙い=コンピューターシミュレーションを体感する
台風の渦巻きを「線画」で描く
渦巻を点、包絡線、文字で描く
 
#713 実験装置の製作 and/or 準備 ・PCスクリーン上で操作します。 #714 実験の実行と結果 ・スクリーン上の入力欄に数値をキーインします。    ・すなわち、パラメーター(緯度、地球の自転角速度、台風の進行速度、渦数など)の値を任意にかえてみます。    ・値に対応した図形が描きだされます。 #715 実験を効果的に行うための工夫、注意点等 ・台風に関する予備知識を持っていると、的確なシミュレーションができるでしょう。 #716 実験の解説 and/or 関連実験 ・実際の台風の渦巻は複雑です。     ・しかし、空気にかかる力を単純化して考えるとき、空気の基本的な動きが現れます。    ・空気の動きを数式表現して、時間経過に伴う空気塊の運動の軌跡を描きます。    ・実際にはあり得ない値(速度、角速度など)を与えても、図形を描くことができます。     どんな形になるか。     こういうことが容易にできるのは、コンピューターシミュレーションの得意な技の一つです。  #717 【追加実験、考察等】    ・
高気圧性回転を加味したシミュレーションはこちらです。    ・台風の渦巻きをつくる実験を考える-その1    ・台風の渦巻きをつくる実験を考える-その2
先頭へ戻る 実験一覧表

#720 実験72  コンピューターシミュレーションで台風が偏西風などの風に流される時の渦を描いてみましょう。    子供たちに対しては、コンピューターのプログラムで、台風の渦の形が風によって変わることの不思議さ    を見てもらいます。    このコンピューターシミュレーションで描かれる図形は、気象衛星雲画像で見るのとは、だいぶ違って見えます。    このため、視点を変えると、見え方(すなわち、現象の形)が変わってくる話をします。 #721 実験タイトル=風に流される台風の渦の軌跡を描く     #722 実験の狙い=コンピューターシミュレーションを体感する
風に流される台風の渦の軌跡を描く
#723 実験装置の製作 and/or 準備 ・PCスクリーン上で操作します。 #724 実験の実行と結果 ・スクリーン上の入力欄に数値をキーインします。    ・すなわち、パラメーター(台風を流す風の方向や速度など)の値を任意にかえてみます。    ・値に対応した図形が描きだされます。 #725 実験を効果的に行うための工夫、注意点等 ・台風に関する予備知識を持っていると、的確なシミュレーションができるでしょう。 #726 実験の解説 and/or 関連実験 ・実際の台風の渦巻は複雑です。     ・しかし、空気にかかる力を単純化して考えるとき、空気の基本的な動きが現れます。    ・空気の動きを数式表現して、時間経過に伴う空気塊の運動の軌跡を描きます。
先頭へ戻る 実験一覧表
#730 実験73    台風の中心の軌跡は、トロコイド曲線になると書いてある文献があります。    トロコイド曲線を描いてみましょう。    このトロコイド曲線は、同じ数式を使って、パラメーターの値の与え方によって、    サイクロイド曲線にもなります。 #731 実験タイトル=台風の中心の軌跡 #732 実験の狙い=コンピューターシミュレーションを体感する
サイクロイド曲線、トロコイド曲線を描く
#733 実験装置の製作 and/or 準備 ・PCスクリーン上で操作します。 #734 実験の実行と結果 ・スクリーン上の入力欄に数値をキーインします。    ・値に対応して、サイクロイド または、トロコイドとなります。    ・トロコイド曲線には、ループを描く場合と、ループしない場合があります。 #735 実験を効果的に行うための工夫、注意点等    ・特段の注意を払わなくても、容易に曲線を描くことができます。 #736 実験の解説 and/or 関連実験 ・台風の中心がなにゆえトロコイド曲線を描くのか、     筆者には残念ながら説明できません。      #737 【追加実験、考察等】 ・サイクロイド曲線は、「最速曲線」とも言われます。     斜面に沿って降りるよりも、サイクロイド曲線にそって降りるほうが早く下に着きます。
先頭へ戻る 実験一覧表
#740 実験74    地面が回転している実証実験です。回転の角度=sin(緯度)に比例します。    回転座標系に投影される直線運動物体の軌跡=コリオリ力という力を導入して、説明されます。        「フーコーの振り子」の実験は、おもりをはりがねで天井から吊り下げて、揺らすだけです。    しかし、この実験を本当に成功させるには、素人にはとても困難なところがあることに気づきます。    一方、自然の動くままに実験しなくても、ある程度自然の動きを「制御」してやると、擬似的に    結果を見ることができます。    さらには、コンピューターを使うと、「物」に起因する実験上の障害を未然に防ぐことができ、    結果をPCスクリーン上で見ることが可能です。    問題は、この実験で地球が回転(自転)していることが納得できるでしょうか。地球は地軸の    周りに回転しているはずです。振り子がつりさげられているその振り子の鉛直軸は、その地点の緯度    に相当するだけ、地軸に対して傾いているはずです。この実験が終わったら、ぜひともジャイロの実験をみて 検討してください。 #741 実験タイトル=フーコーの振り子 #742 実験の狙い=コンピューターシミュレーションを体感する
フーコーの振り子による曲線を描く(バラ曲線)
#743 実験装置の製作 and/or 準備 ・PCスクリーン上で操作します。 #744 実験の実行と結果 ・スクリーン上の入力欄に数値をキーインします。    ・フーコーの振り子が描く軌跡がもとまります。 #745 実験を効果的に行うための工夫、注意点等    ・特段の注意を払わなくても、容易に曲線を描くことができます。    ・厳密には、回転角度に応じた半径を与える必要があります。 #746 実験の解説 and/or 関連実験    ・実際の地球の運動は目に見えないくらい遅いですが、回転速度の遅遅に     かかわらず、原理的には同じです。      #747 【追加実験、考察等】 ・フーコーの振り子による模様を「砂」で描くことができます。    ・フック、針金(or 糸 or 紐)、新聞紙、砂、ペットボトル、鉄板、円盤を用意します。    ・細かい砂をペットボトルに入れ、ボトルの蓋の部分を砂の出口とした。     出口の口径は、竜巻の実験のときの蓋を利用したので、8〜10mmであった。    ・円盤の上に鉄板を乗せ、円盤を回転し、砂を入れたペットボトルを鉛直面内に振動     させると模様が描かれる。今回の実験では、対称形の(きれいな)模様にはなっていない。    ・振り子が1往復する時間(2秒程度)の間に、円盤(鉄板)をおよそ20°程度回転     すると、ある程度「マシ」なもようが得られます。    ・振幅が減衰したり、円盤の回転が不規則になると、図形は崩れます。     (下の写真では、ほとんどの模様が崩れています。きれいな模様を得ることは、結構難しいです。)    ・砂粒の粒径、模様の継続時間、模様の太さなど、試行錯誤して最適な状態を見つけよう。
砂で模様を描く。全景図。
砂で模様を描く。拡大図。
ある程度の「実験感覚」をからだで感じ取って、翌日実験を継続しました。
砂の粒を揃える。
砂で模様を描く。
砂で模様を描く。
砂で模様を描く。
砂で模様を描く。
砂で模様を描く。
砂で模様を描く。
砂で模様を描く。
さらに数日後、慣性座標系と回転座標系を意識して実験を行いました。
装置の全景。
直線運動物体が回転物体の上を通過時の軌跡。
直線運動物体が慣性座標系に描いた軌跡。
先頭へ戻る 実験一覧表
#750 実験75 気象予報士なら知らないものはないくらいお世話になるコリオリの力を    シミュレーション実験で見てみます。    「進行方向の右側に曲がっていく」と呪文のごとくそらんじていますが、    さて、本当に右に曲がっていくでしょうか。コリオリ力を納得的理解に至る    にはどのような実験を行えばよいでしょうか。    コンピューターシミュレーションとしては実験74のフーコーの振り子と同じです。    コリオリ力は、実験71の台風の渦巻きの実験にも関係したものです。    コリオリ力の説明は、子供達にとっては難しい問題ですが、台風の渦巻きの成因などの解説において、    やさしくできるように考えねばなりません。     #751 実験タイトル=コリオリの力(コンピューターシミュレーション) #752 実験の狙い=コンピューターシミュレーションを体感する
フーコーの振り子による曲線を描く(コリオリ力)
#753 実験装置の製作 and/or 準備 ・PCスクリーン上で操作します。 #754 実験の実行と結果 ・スクリーン上の入力欄に数値をキーインします。    ・フーコーの振り子が描く軌跡がもとまります。 #755 実験を効果的に行うための工夫、注意点等    ・特段の注意を払わなくても、容易に曲線を描くことができます。    ・厳密には、回転角度に応じた半径を与える必要があります。    ・シミュレーション荷使った、数学的方程式は、必ずしも、力学的な釣り合い状態から     導き出したものではありません。模式的にこのような図形になる、と理解してください。 #756 実験の解説 and/or 関連実験 ・直線運動と回転運動の問題です。    ・直線運動する物体を回転座標系状の観測者が見た時のその物体の運動の軌跡です。    ・この直線運動が回転運動として描かれるのは、その直線運動をしている物体に     何らかの力が作用したものではありません。見えない力が作用したものと考え、     この力が「見かけの力」、さらには、「コリオリの力」と呼ばれているものです。 #757 【追加実験、考察等】 ・回転円盤、紙、定規、鉛筆orペンを使って簡単な実験ができます。    ・紙を回転運動させておき、ペンを直線運動させます。そうすると、花びらの模様が描きだされます。    ・ペンを固定したままにしておくと、1つの円が出来上がります。    ・この方法は、実験74のフーコーの振り子の実験で砂模様を描いたのと原理的に同じです。    ・コンピューターに描かせた時のように均整のとれた模様はなかなかできません。    ・円盤を回す操作やペンを直線運動する操作は、コンピューターの中では数式で表現されています。     シミュレーション画面を操作する人は、論理を知らなくても図形を描くことが出来、頭の中で、なんとなく理解できるでしょう。     しかし、円盤を回したりペンを直線運動させたりして何度も繰り返し行うことによって、直線運動と回転運動の     相互連携プレーを体感できるのではないかと思います。 
装置の全景
試行錯誤

   ・剛体回転+角運動量を加味したコリオリ力の実験を行いましょう。    ・回転円盤上に直径約50CMのボール状の容器(実際には、不要になった照明器具の傘)を乗せ、     この容器に水を8分目まで入れ、ビー玉を容器の縁で手にホールドしたまま、全体を回転させます。    ・回転が強いと、水が円周から飛び散りますので、数回、手で加減しつつ回した後、ビーダマを放ちます。     このとき、水面は、回転放物面を形成します。     ビー玉は下の写真のように容器の回転があるにも関わらず、容器の壁面にへばりついたまま回転します。    ・このとき、容器内の水とビー玉の相対速度はないものと考えられます。     ・やがて、円盤と容器の回転が弱まってくると、水の動きが顕著になり、また、ビー玉は水の回転より遅れて     周回します。    ・容器の回転が止まっても水は慣性で周回を続けています。このときもビー玉は水の後追いで周回します。    ・なお、最初にビー玉を放った直後、ビー玉は中心方向に向かいますが、角運動量保存則による速度増加は     ほとんど分かりません。水の粘性抵抗が強く影響している可能性があります。     (水を使わない実験を試行してみる必要があります。)    ・コリオリ力の影響がビー玉に及んでいるのか否か、目で見た限りでは分かりません。    ・台風の渦巻きが左回りで中心に向かっていく様子は、この実験においては、終盤に見られます。     しかし、力学的に本当に実際の台風の渦巻き形成をシミュレートしているのか否か要検討です。           先頭へ戻る 実験一覧表

#760 実験76    フーコーの振り子の実験で振り子は、地球の回転があっても鉛直面内を運動する。    この鉛直面は、方向が不変である。この性質は、方位磁石の磁針が一定方向をさす    様子に似ている。方向を一定とさせる原理は異なるが、一見したところよく似ている。    この類似性はごく単純なことではあるが、これまで気がつくことがなかった。    フーコーの振り子の実験や、コリオリ力の実験において、関連実験として行ってみる    ことをお勧めしたい。 #761 実験タイトル=方位磁石 #762 実験の狙い=狭い範囲の「地面」が回転しても方角は不変であることを見る。
方位磁石
円盤を360°回転する。磁針の方向は一定です。

#763 実験装置の製作 and/or 準備 ・方位磁石を円盤上に乗せ、円盤を回転する。 #764 実験の実行と結果 ・方位磁石を乗せた円盤が回転するとき、方位磁石の方向は常に一定方向をさしています。    ・遊園地で、メリーゴーラウンドに乗っていても、「北」の方向は常に一定である     ことに似ています。 #765 実験を効果的に行うための工夫、注意点等 ・方位磁石を2つ円盤上に置くと2つの磁針が平行し、かつ同じ方向を向くことがわかる。 #766 実験の解説 and/or 関連実験 ・磁針は磁力の力によって常に磁力線の方向に向きます。    ・実験規模がごく小さいので、磁針が一定方向をさすことを擬似的に     【羅針盤のコマの回転方向が一定であることとして】見ることができる。    ・また、この実験の回転は、
剛体回転とも異なることに注意してください。 #767 【追加実験、考察等】    ・磁力線によって磁針が一定方向を向くことを、慣性の法則に従う運動に関連付ける     ことは本来無意味であるので、ここはひとつ、実験77、ジャイロスコープの実験を行わざるを得ない。 先頭へ戻る 実験一覧表

#770 実験77    コマを台に乗せ、コマの回転軸を傾けたまま回転させます。台が自由に運動できるようにしておくと、    その台も回転を始めます。しかも、回転軸の角度に応じて台の回転速度は異なります。    こういう現象に気づいたのです。    さて、地球が自転していることは、太陽や星の動きで分かります。    そして、フーコーの振り子の実験では、地軸に傾きをもつ平面(地面=接平面)が回転していること    が実証されています。    しかし、なんとなく、「ピン」と来ない気がします。気象予報士の専売特許みたいな「渦度」にsinθ    を乗算する話も、しかりです。一つの回転が存在して、その回転軸Aに傾きのある別の回転軸Bを    考えるとき、回転軸Bをもつ物体も回転する、と教えられてきました。「へ〜そんなものか」、と。 ここでの実験は、ごく小さい規模で、見やすいサイズと時間で、コマの動きと水平面の動きの関係を    観察します。 なお、接平面の回転角度は、その地点の緯度に応じて変化します。この理論的証明は拙著の    シリーズ#2「天気図と気象理論」のP.114 に掲載しています。    一部写真が不鮮明なところもありますが、本文やイラストを参照してみてください。     #771 実験タイトル=ジャイロ #772 実験の狙い=傾いた回転軸を有するコマ(ジャイロスコープ)の回転運動により励起される水平面の回転運動を観察する。
装置の全景
回転軸の傾きをさまざまに(90N、45N、0N)変えてみる
#773 実験装置の製作 and/or 準備 ・ジャイロ、バケツ、プラスチック容器、ペットボトル、水を用意します。    ・ペットボトルの胴体部分を切り離し、ジャイロを乗せる架台とします。    ・バケツに水を入れ、プラスチック容器を浮かべます。    ・ジャイロを回し、架台に乗せ、架台をプラスチック容器の中央部に静かに置きます。    ・ジャイロを架台に乗せるとき、ジャイロの傾きを「鉛直、45°、水平」の3種類とします。 #774 実験の実行と結果 ・ジャイロの傾きに応じて、プラスチック容器が回転します。    ・1分あたりの回転数をカウントします。5回ずつ実験し、回転数のうち、最大値と最小値を除いた     残りの3つのカウントの相加平均を求めます。以下の回数となりました。
回転軸の傾きカウント数平均値
90(°)11,12,11,11,1211.3
45(°)06,08,07,06,087.0
00(°)00,00,00,00,000.0
#775 実験を効果的に行うための工夫、注意点等 ・プラスチック容器が回転するとき、バケツの内壁にこすれることがあります。     できるだけマサツが小さくなるような容器材質が望ましいです。 #776 実験の解説 and/or 関連実験    ・回転体上の平面(接平面と言う)の回転運動を推定しようとするものです。    ・フーコーの実験で、観測地点の地面の回転角速度は、地球の自転の角速度にその地点の緯度の正弦値を乗じた値に     なることを知りました。    ・この実験では sin(45°)=0.70 ですから、11.3*0.70=7.8 の値が得られるべきでしょう。    ・しかし、マサツなどの影響のためか、実測値は、7.0 とやや少ない目でした。    ・この実験で注意すべきは、コマの回転方向とプラスチック容器の回転方向です。同じ方向であるべきですね。     さらに言うならば、接平面上を直線運動する物体を考えるとき、観測者が接平面上に立って物体を見ているとき、     その物体は、接平面の回転方向とは逆方向に回転しているように見えます。     フーコーの実験 や コリオリの実験 で見てきました。  他にも、関連実験として、方位磁石の実験を参照して下さい。 #777 【追加実験、考察等】    ・下の写真のようにジャイロを手に持って、その回転軸を傾けると抵抗する力を感じ、平行移動すると抵抗を感じません。     コマのように回転している物体は、その回転軸を一定に保とうとする性質があり、回転軸を傾けようとして外力を加えると     元に戻ろうとします。それが抵抗する力であり、コマ自身が自分の姿勢を保とうとする性質の現れです。 ・話は飛躍しますが、「角運動量保存の法則」の実例です。     この実験においては、「コマ、架台、プラスチック容器」の3者から構成される一つの「系」において、     コマの持つ角運動量が架台を経由して、プラスチック容器に伝えられた、と考えます。
手にもって回転軸の方向を変えようとすると抵抗を感じる。
先頭へ戻る 実験一覧表

#780 実験78    気象学者ローレンツが対流の研究で数値計算を行っていた時に発見した    カオス現象。その原点となった数式を数値計算して解を求め、図形に描いてみましょう。 #781 実験タイトル=カオス(ローレンツのストレンジアトラクター) #782 実験の狙い=コンピューターシミュレーションを体感する
カオス(ローレンツのストレンジアトラクター)
#783 実験装置の製作 and/or 準備 ・PCスクリーン上で操作します。 #784 実験の実行と結果 ・スクリーン上の入力欄に数値をキーインします。    ・μの値に対応して、収束する図形や発散する図形などがえがかれます。    ・
操作の説明はこちらを参照 #785 実験を効果的に行うための工夫、注意点等 ・X、Y、Zの3D図形です。画面をドラッグして回転してみてください。    ・描かれる曲線が、どんなに接近しているように見えても重なることはありません。 #786 実験の解説 and/or 関連実験    ・ローレンツモデル:       ∂x/∂t=−γx+γy       ∂y/∂t=−xz+μx−y       ∂z/∂t=xy−bz     ★μは、平行平板の上下面の温度差ΔTに比例した数字です。      この温度差が拡大して行くと、流体は安定状態から対流へと      次第に不安定かつ複雑な動きへと変わっていきます。      熱の移動の仕方は、「熱伝導→対流→沸騰」、と変わっていきます。 ・描かれる曲線と実際の対流現象との対応はなかなか困難ですが。     専門書には解説があります。 #787 【追加実験、考察等】 ・拙著「天気図と気象理論」の理論の基礎、数値予報(4)P.127に数値予報のための若干の関連記事を     掲載しています。ご参照ください。 先頭へ戻る 実験一覧表
#790 実験79 フラクタル幾何学の創始者、マンデルブロー博士はその名前を冠した「マンデルブロの図形」 で有名です。どんな図形か描いてみます。 そして、自然界の中における相似的な形をした物体や現象にはどんなものがあるか探して    見ましょう。 #791 実験タイトル=フラクタル(マンデルブローの図形) #792 実験の狙い=コンピューターシミュレーションを体感する
マンデルブローの図形を描きます。
#793 実験装置の製作 and/or 準備 ・PCスクリーン上で操作します。 #794 実験の実行と結果 ・スクリーン上の入力欄に数値をキーインします。    ・描いた図形の任意の場所をクリックすると、物と同じ形の相似的な図形が現れてきます。    ・どんどんクリックして行っても同じ図形が現れてきます。     (ただし、計算精度により限界があります。) #795 実験を効果的に行うための工夫、注意点等 ・相似的な図形の出現に注意してください。    ・クリックする場所は、有意な画像の「縁」の付近をえらぶと、相似的な図形が     継続して現れます。 #796 実験の解説 and/or 関連実験 ・自然界の中にはさまざまな相似的な地形や現象があります。    ・たとえば、樹木の枝構造、雲の形、海岸線の形など、、。 #797 【追加実験、考察等】 ・
この他にもさまざまな相似的な図形を描くことができます。    ・PCに図形を描かせるとき、計算回数が数万回の場合は、計算所要時間が数分かかる場合     があります。画面をクリックした時、反応がなくてもしばらく待ってください。    ・関連リンクです:       未来館でのマンデルブロー博士の講演        EXCELで作ったフラクタル画像 先頭へ戻る 実験一覧表
#800 実験80    地球表面の空気や海水は、地球とともに動いていて、相対回転速度=0の剛体回転をしています。 しかし、圧力勾配や密度の勾配、或いは地形の凹凸や不均一な存在によって、剛体回転している空気や水は、    剛体回転の速度に対して相対的に「遅速」が生じ、この状況が空気における「風」、海水における「海流」として    感じられ観測されます。    風速=0の時、空気はじっとしているように見えますが、地球の外から空気を見ると、地球と    同じ角速度で回転していることが分かります。    ここでの実験は、「剛体回転」と言う現象を空気でなく、水を使って実験観察してみましょう。    (空気を剛体回転させることは、やってできないことはありませんが、空気が回転している     様子がよく見えません。このため自分の家においては、満足な実験ができません。) #801 実験タイトル=風と剛体回転 Solid body rotation #802 実験の狙い=風は空気の剛体回転における速度変動であること、を認識する
回転円盤+茶碗+お茶
回転円盤+ペットボトル+線香の煙
#803 実験装置の製作 and/or 準備 ・円盤、茶碗、お茶    ・茶碗にお茶を入れ、円盤上に乗せる。    ・円盤をゆっくりと、できるだけ一定のスピードで回転させる。    ・円盤の回転を停止します。 #804 実験の実行と結果 ・茶碗の中のお茶が、円盤と同じ回転方向で回転を継続していることが分かります。    ・この現象が、剛体回転と言われるものです。    ・念のため、写真右のように、空気を剛体回転させてみます。     線香の煙を使うとわずかに剛体回転しているように見えますが、視認しやすくありません。 #805 実験を効果的に行うための工夫、注意点等 ・円盤を早く回しすぎるとお茶がこぼれるので、要注意です。 #806 実験の解説 and/or 関連実験 ・剛体回転の様子は、茶碗の中のお茶の動きをみれば、明らかにわかるでしょう。    ・さらにもっとよく分かる方法は、
方位磁石の実験において、円盤が回転しても、     方位磁石の磁針は「剛体回転しないこと」です。    ・同じ回転円盤に乗せられていても、円盤に対しての相対的な回転の方向が異なることに     注目してください。対比して見てください。これは重要な着眼点なのです。  #807 【追加実験、考察等】 ・茶碗を円盤上に載せて、お茶が剛体回転している様子を見ましたが、     茶碗を空中に紐で吊るして回転させると、紐のよじれの性質があることにより、     茶碗の回転が、順方向、逆方向に、交互に代わります。    ・このとき、お茶の回転方向は、もともとの一定の方向に回転しているので、茶碗の     回転方向と「同じ、逆」となります。このことは、高気圧、低気圧の回転方向を考える     重要な参考的現象となります。 剛体回転の実験、茶碗を糸で吊り下げる 剛体回転の実験、茶碗を糸で吊り下げる 先頭へ戻る 実験一覧表
EXPM81 回転放物面(ビーカー、水、細い棒) #810 実験81    回転する大気の自由表面を考えます。    このため円筒形の容器に水をいれ回転させて、自由表面がどのような形になるか見てみましょう。 #811 実験タイトル=回転放物面 #812 実験の狙い=回転放物面をみる
最大回転で渦の深さが最も深く、形状も明瞭
ただし、写真の角度によってこのように写る
回転速度減少、
浅くなる
さらに回転速度減少、さらに浅くなる
放物面の形状が変化してくる
回転速度最小、深さもなくなり、
形状もなくなる
#813 実験装置の製作 and/or 準備 ・ビーカー、水、細い棒を用意します。    ・ビーカーに水を入れ、細い棒で水を回転させる。 #814 実験の実行と結果 ・ビーカーを横から見ると、回転している水の断面形状を見ることができる。    ・最大の回転において、放物面のように見える。・・・・・ただし、幾何学的な放物面になっているか否か確認していません。    ・回転がさらに弱まってくると、渦の深さが浅くなり、     水の断面形状が放物線(?)から次第に形が崩れてきます。 #815 実験を効果的に行うための工夫、注意点等 ・できるだけ深い渦をつくると、断面形状の観察や写真撮影が楽になります。    ・深い渦を作ろうとして、水を入れた容器全体を持って渦を作ろうとすると、     きれいな放物面が形成されません。棒を強く回転させても深くてきれいな放物面を     つくるのは困難です。    ・このため、静かにしかも高速で回すことができればよいのですが。もしかして     洗濯機に洗濯物を入れずに水だけ入れて回転できれば、ある程度の深さの放物面の渦が     できるかも知れません。 #816 実験の解説 and/or 関連実験 ・流体が回転しているとき、その表面では、流体の各部分において、     遠心力と重力が釣り合っています。    ・このときの力の釣り合い状態を考えます。微分方程式で表現できます。    ・自由表面の傾きは、見かけの鉛直方向に垂直になります。見かけの鉛直方向の傾きは、z方向の     力とr方向の力の比になります=mg/mrω2。 この鉛直方向に垂直な傾きは、逆数になりますので、     dz/dr=mrω2/mg となります。    ・この微分方程式を解くと、z=ω2r2/2g となります。    ・断面形状は放物線、立体的には放物面となります。半径が大きくなると高度が大きくなることが     分かります。即ち、低緯度の大気の高度は高緯度の大気の高度よりも高くなります。     r=6000x103 m、ω=7.3X10-5 rad/s、g=9.8 m/s2 を式に代入すると z=9780 m となります。    この値が妥当かどうかは、例えば、対流圏界面の高度を北極と赤道で比較してみます。    ・北極では8〜10km、赤道では大体16〜18kmとされています。(平凡社版、気象の事典)     ・大体8km程度の高度差となりますので、上記計算値は大体あっていると考えられます。     ちなみに実験82の#822における北極と北緯20°における気圧高度500hPaの高度(GPM)の差もおそ1000mあります。 #817 【追加実験、考察等】 ・地球の大気も地軸の周りに回転しています。    ・概念的には以下の図のようになっています。
先頭へ戻る 実験一覧表
#820 実験82 地図上の等高線から山の形を描き出すことができます。(正面から見た山、横から見た山、斜めから見た山等。)    天気図に描かれた等圧線から、空気層の物理的な高低差(高さor深さ)を描きだすことができるであろうか。    地球上の空気には、等圧面の高度は地点によって異なる、という性質がある。この様子を図に描いてみよう。 #821 実験タイトル=500hPa等圧面高度をプロットする #822 実験の狙い=500hPa等圧面の高度を経線にそって、地球一周分の高度を描いてみる。 #823 実験装置の製作 and/or 準備 ・気象庁の高層天気図AUXN50    ・この北半球天気図から140°Eと40°Wの経線に沿って、     緯度10°ごとの高度(GPM:Geo Potential Meter)を読み取る。    ・読み取った値及び結果をグラフ表示します。 #824 実験の実行と結果 ・読み取った値をグラフに描く。    ・#822の図が得られる。    ・地球の大気の「深さ」が或る程度分かります。      #825 実験を効果的に行うための工夫、注意点等 ・特段難しいことはないが、高層天気図の入手が必要である。 #826 実験の解説 and/or 関連実験 ・基本的には、熱帯のほうが温度が高く、かつ遠心力も大きいので高度も高くなる。     一方、両極の方は温度も低く、大気の高度も低くなる。 #827 【追加実験、考察等】 ・#81の回転放物面の実験も参考にしてください。 先頭へ戻る 実験一覧表
#830 実験83    私たちは、丸い地球の上に乗っていて、その丸いことを感じない。    地球の裏側の人々は、自分とは天地逆であるはずだが、誰も「落ちてこない」し、「落ちていかない」。    地球の表面をどこまで歩いて行っても、水平であると感じる。    飛行機に搭乗していて、離陸後、機体は斜めに上昇していくが、その「傾斜」の程度を感じない。    なぜだろう。 #831 実験タイトル=水平面とは何か #832 実験の狙い=体感する水平面とは何かを考える
ボトルを斜めにして、静止して保持する。
水面は水平のままである
ボトルを斜めにして、回転する。
水面は、斜めになる
#833 実験装置の製作 and/or 準備    ・ペットボトルに水を入れ、ボトル本体を斜めにして持つと、水面は、「水平」になります。    ・ボトルを斜めに持って、自分の体の周りに回転する。 #834 実験の実行と結果 ・ボトル内部の水は回転していないときは、鉛直方向に垂直です。すなわち、通常の水平です。    ・この「斜めの角度」を変えないで、ボトル全体を、口元付近を中心にして回転すると、     水面は、通常の水平状態でなく、「斜め」になります。 上の写真を参考にしてください。    ・この斜めの「傾き」の程度は、「重力と遠心力との合力の方向」に垂直な方向となります。  #835 実験を効果的に行うための工夫、注意点等 ・回転中の水面を見ることは難しいので、写真撮影すると、瞬間の状態ではあるが、     傾いた水平面が形成されていることを見ることができる。 #836 実験の解説 and/or 関連実験 ・傾いた水面は、重力と遠心力が釣り合った状態の自由表面です。    ・傾いていても、その面は水平です。 #837 【追加実験、考察等】 ・
実験40 バケツをふりまわすも参照して下さい。    ・実験81の#817 放物面も参照して下さい。    ・大気が感じる球面と平面に関しての議論 先頭へ戻る 実験一覧表
#860 実験86    気象衛星の雲画像は「ひまわり」によって得られ、気象庁のホームページに    毎時更新されて掲載されています。「ひまわり」になったつもりで、赤外線放射温度計を    使用して、物体の表面温度を計測します。 #861 実験タイトル=赤外線放射温度計 #862 実験の狙い=赤外線放射温度計で物体の表面温度を測定する #863 実験装置の製作 and/or 準備 ・広皿に湯を入れ、中央付近に適宜なサイズの石を置く。 #864 実験の実行と結果 ・広皿の上空から、「碁盤目状」に表面温度を計測します(下表)。    ・下表には、最大値の地点に●、次に大きい地点に▲の記号を付してあります。    ・なんとなく、「何か」がありそうな様子です。  
縦|横
22.022.0▲23.5●24.122.8
21.722.424.5●26.2▲24.6
23.424.4▲27.6●28.425.8
24.626.3●33.1▲27.526.8
25.026.7●31.3▲26.926.3
25.4▲26.4●27.825.825.8
#865 実験を効果的に行うための工夫、注意点等 ・上の測定値は、第一回目のものです。引き続き数回繰り返し測定します。    ・石の代わりに、熱容量の異なる金属板や或いは布などを置くとまた違った結果となるでしょう。 #866 実験の解説 and/or 関連実験 ・計測対象地点の表面温度はさまざまな要因によって不均一な値となります。    ・この「不均一さ」をうまく利用すると、その原因を考えることによって、     熱源となっているものの存在や、材質、動きなどが推定可能となります。    ・気象衛星の雲画像の原理です。気象庁の写真(200811081130)を掲載します。       #867 【追加実験、考察等】    ・測定の距離間隔をもっと密にすると、物体の形状に応じた温度の違いが明瞭になってきます。    ・放射温度計と水面の間の空間にセロファン或いは、透明な塩ビシートなどを挟み込むと、     水面からの温度が変化します。気象衛星的に考えれば「雲」が浮遊してきたことに相当します。
先頭へ戻る 実験一覧表
#870 実験87    あらゆる物体は電磁波を放出していて、温度が伝達されます。    この電磁波の温度伝達に関する性質や特徴を実験から推定してみましょう。 #871 実験タイトル=熱の放射 #872 実験の狙い=放射された熱は、鏡や金属板によって反射されたり吸収されたりすることを確認する
装置全景
熱源の電磁波は鏡によって45°曲げられる
鏡による反射

金属板による反射

#873 実験装置の製作 and/or 準備 ・コップ、熱湯、鏡、金属板    ・コップに熱湯を入れ、熱源とします。    ・左の写真のように装置全体を配置します。 #874 実験の実行と結果    ・コップの表面温度(1)、コップから直線距離40cmでのコップ表面温度(2)、バックグラウンドの温度(3)、     鏡で反射させた時のコップ表面温度(4)、鏡を金属板で覆って反射してくるコップ表面温度(5)     を計測します。下記計測値が得られました。  (1)コップの表面から0.5cmの所での電磁波温度の計測値=59℃ (2)コップの表面から40cmの所での電磁波温度の計測値=47℃    (3)バックグラウンドの電磁波温度の計測値=21℃    (4)鏡で反射した電磁波温度の計測値=25℃    (5)金属板で反射した電磁波温度の計測値=31℃ #875 実験を効果的に行うための工夫、注意点等 ・放射温度計には測定角度がありますので、測定角度の範囲に熱源からの電磁波が入るよう     コップ、鏡、温度計の位置を調整します。    ・逆に言うならば、熱源以外の物からの電磁波がなるべく放射温度計に入らないようにします。  #876 実験の解説 and/or 関連実験    計測した温度をベースとして、電磁波の反射、吸収に関する性質が見えてきます。  ・(1)と(2)の比較により、電磁波は、(0.5cm〜40cmの間で)空気によってエネルギーを吸収されたことが分かる。(A) ・(3)と(4)の比較により、電磁波は、鏡で反射されていることが分かる。 ・(2)と(4)の比較により、電磁波は、空気中を(40cm、20cm+20cm)同じ距離だけ進んだのであるが、反射されたときに エネルギーを鏡に吸収されたことが分かる。(B) ・(4)と(5)の比較により、電磁波は、鏡よりも金属板による方がエネルギーを多く失わずに反射されていることが分かる。    ・(A)と(B)の比較により、電磁波は、空気よりも鏡や金属板によるほうが、より多くのエネルギーを吸収されることが分かる。  #877 【追加実験、考察等】 ・電磁波によるエネルギーは、気圧の大小により、吸収される量にどれだけの影響があるか、別途実験予定です。
先頭へ戻る 実験一覧表
#880 実験88    容器を外から加熱すると、やがて容器内の空気の温度が上昇してきます。    容器のサイズや容量によって、温度の上昇の仕方が異なります。    どんな程度の違いがあるのか、実際に計測して、比較してみましょう。 #881 実験タイトル=容器内の空気の温度上昇 #882 実験の狙い=容器内の空気の温度上昇を測定する    各種の容器を勢ぞろいした写真(左)、実測の風景(右) #883 実験装置の製作 and/or 準備 ・容器各種、ヘヤードライヤー、赤外線放射温度計、デジタル温度計、鉄板、薄板を用意する。    ・ヘヤードライヤー〜容器の距離はすべて20cmとする。 #884 実験の実行と結果    ・容器内部の空気の温度、容器の外部の表面温度を計測する。    ・鉄板や薄板についても、どんな程度か計測してみる。 ・温度の計測値(単位℃)を示します。(--の部分は、温度上昇が速いため、計測していません。)    ・鉄板と薄板の温度上昇は、ヘヤードライヤー側(おもて面)の反対側の裏面で計測しました。
容器名称サイズ00sec30sec60sec90sec2min3min4min5min表面温度室温
ビール缶350cc20253032--------4820
ペットボトル0.5L20232527--------5020
ペットボトル1.5L21232730--------5421
梅酒のビン16cmφ21212122222324255421
ポリバケツ24cmφ22222222232425265222
花火入れの缶24cmφ22222323242526285322
鉄板2mm厚22313739--------4422
薄板3mm厚20263538--------4720
#885 実験を効果的に行うための工夫、注意点等 ・ヘヤードライヤーを長時間つけっぱなしで実験すると、オーバーヒートするかも知れません。要注意です。 #886 実験の解説 and/or 関連実験 ・容器の材質が金属製の場合、容器内部の温度上昇が早い。    ・容器の容量が大きいほど、温度上昇が遅い。    ・実験時間をどの程度長くするかによって、空気温度の最高到達点が決まる。    ・鉄板も薄板も表面を加熱後、裏面への温度伝達が思いのほか速い。    ・今回の実験は、おおよその傾向を知る、見当をつけるための小手調べ的な実験です。    ・容器の内部では暖気と寒気による対流が生じているようです。     計測値が上昇してきたな、と思ったらまた低下することもありました。      #887 【追加実験、考察等】    ・今回の実験における温度上昇は、「放射、伝導、対流」のいずれも寄与していると推定されます。     しかし、どれがどの程度寄与しているかは分かりません。    ・ただし、鉄板と薄板の温度上昇は、「伝導」だけによるものです。
先頭へ戻る 実験一覧表
Return Home 気象科学実験教室、一覧表 キッズの気象実験、一覧表 「気象実験クラブ」入会案内。 AZURE WINFORT