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気象実験(#50)

実験の様子を写真で紹介します。

Originated 2008-08/08 Last Updated 2008-08/30,09/30,10/24,11/30
EXPM50  氷に塩をかける(氷+塩+皿)
EXPM51  雨粒の形(各種の直径のビニールチューブ+水+広口の容器)
EXPM52 エントレインメント(容器+ストロー)積乱雲、霧吹き
EXPM53  大きな虹を作る実験(プリズム+鏡+装置の枠組みとなる箱)
EXPM54  液状化現象を起こす(ペットボトル+砂+水+醤油さし)
EXPM55  湧水装置を作る (ペットボトル+ビニールチューブ+砂)、【柿田川、水&環境】
EXPM56 真北、真南の方角を決める(太陽+糸+5円玉+板+時計)
EXPM57  日時計を作る(板+ボール紙+つま楊枝)太陽高度の季節的変化
EXPM58  新聞天気図 高気圧、低気圧の位置と頭上の天気や雲の流れて行く方向を対応させながら観察する。
EXPM59  ラジオの気象通報 等圧線を自分で描く。

#500 実験50    氷釣りの実験の時に、塩をかけられた氷がグシャグシャになって    いることに気づきました。では、塩を氷の中心部分に置いたら、    その中心付近だけが、グシャグシャになるだろう、と考えました。    早速確かめてみましょう。 #501 実験タイトル=氷に塩をかける #502 実験の狙い=氷の性質を体感する
氷の中央部に塩を山盛りにする
ドーナツ状に穴があいた
#503 実験装置の製作 and/or 準備 ・冷凍庫で氷を作ります。     ほかに塩、皿を用意します。 #504 実験の実行と結果    ・氷の上に塩を小さじ一杯、山盛りにします。 ・塩の部分が次第に陥没していきます。    ・氷の厚さや室温によって違いがあるかも知れませんが、     この実験では、無風、室温28度、湿度77%の条件下で、     35分で氷の中央部にドーナツ状に穴があきました。 #505 実験を効果的に行うための工夫、注意点等 ・室温や風の影響をできるだけ少なくします。    ・室温が高いと、氷全体が早く溶けてしまいます。 #506 実験の解説 and/or 関連実験 ・塩の部分が溶けて、次第に陥没していき、     最後には貫通してしまいます。    ・氷が溶けたのは、氷の凝固点が降下したためです。    ・冷蔵庫の中でこの実験を行ったらどうなるでしょうか。 ・グリーンランドの氷床にあいた穴「ムーラン」はどのようにして     できたでしょうか。目下専門家による研究が行われているようです。 #507 【追加実験、考察等】 ・塩をかける分量を少なくしてみました。    ・ほんのわずかとけたようですが、ふたたび氷結してしまったようです。     実験18の氷つりの実験の成否は塩の分量に影響されることが間接的に実証されたと思われます。     30分経過しても陥没していく様子は見受けられませんでした。    ・そこで、塩の量を増やし、山盛りにしてみました。     見る見るうちに陥没していきました。 先頭へ戻る 気象科学実験教室、一覧表 キッズの気象実験、一覧表
#510 実験51    雨粒はどれだけ大きいものなのか。    さまざまな大きさの雨粒を作ってみよう。 実験M5、雨粒を作る、という実験もあります。      #511 実験タイトル=雨粒の形 #512 実験の狙い=さまざまな大きさの雨粒をつくり、水滴の最大直径を推定する
さまざまな口径のチューブ等を用意します。
黒の数字は口径(内径、単位mm)を示します。
口径(内径)=0.3mm
水滴直径=2.2mm
口径(内径)=2mm
水滴直径=4.0mm
口径(内径)=4mm
水滴直径=5.0mm
口径(内径)=8mm
水滴直径=8mm
口径(内径)=12mm
水滴直径=10mm以下、或いは水滴形成不可能
#513 実験装置の製作 and/or 準備 ・ビニールチューブやストローなど(口径の異なるものを9種類)、水、広口の容器 #514 実験の実行と結果 ・ビニールチューブの先端に水を含ませる。    ・他端に注射器またはスポイドのゴムを接続し、空気を押し出す。    ・チューブの中の水は、チューブ先端で膨らみはじめ、やがて(或いは瞬時に)水滴となって落下する。    ・他の口径のチューブでも同様の操作を行う。     (上の写真には、実験の一部を掲載した。カメラと水滴の距離≒10cmで多少前後した。)    ・口径(内径)が10〜12mmになると、水の重さ>表面張力、となって水滴の直径は小さくなる。    ・口径が小さいほど、口径よりも大きな直径の丸い水滴ができる。    ・口径(内径)が8mmの場合は、水滴の直径も同じ8mm程度であった。    ・最大直径は、8mm〜10mmの間にあると推定される。 #515 実験を効果的に行うための工夫、注意点等 ・特段の難しさはありません。誰でも簡単にできます。    ・ただし、チューブの外径や、材質によっても表面張力の大きさが異なりますので、     この実験の結果は、一つの目安を与える事例であると考えてください。  #516 実験の解説 and/or 関連実験 ・水の表面張力が雨の粒を丸くします。    ・表面張力には力の限界があって、ある程度の大きさの雨粒しかできません。     この実験では、チューブの口径が10mmを超えると、水滴のサイズは口径よりも小さくなると推定される。    ・実際の空間における雨粒の最大直径は8mm程度と言われています。      ・この表面張力の実験を、実験43 ワイングラスで音楽をに引き続いて行ってみましょう。    ・実験M0 ワイングラスで表面張力を楽しむの実験も行ってみましょう。    ・実験M8 天井の結露も関連する実験です。 #517 【追加実験、考察等】    ・さまざまな場所に、水蒸気が凝結できます。     その性質を利用して、雨粒を作る実験を行います。    ・雨の日、軒先や物干し竿に出来ている雨だれの形を観察してみよう。     水道の蛇口の閉め方が悪いとき、水滴がポタリポタリ落下します。    ・そこで、グラスの縁から水をたらして見てください。水滴となって落下します。    ・その水滴の形状は丸いですが、すべて水の表面張力によるものです。     この表面張力が発生する状況を観察し、そして力が生じる条件を     考えます。毛細管現象にも目を向けてみよう。 ・当たり前の現象ですが、水の中を上る空気の塊は気体のほうが丸いです。     一方、空気中においては、液体の水(水道の蛇口からの水滴、雨粒など)     の方が丸く、空気は丸くありません。入道雲も外に対して丸く(凸に)     なっています。なぜでしょうか。筆者にも分りかねますが、たぶん、     それぞれの内部の圧力が高くて、拡がろうとして、全体的に丸い形状に     なるのかな、と想像します。    ・「水」を中心にして観察するとき、前者は水が空気に対して凹の形状に      なっています。後者の場合は、水が空気に対して凹になっています。      水と空気が境界を接して空間に存在するとき、凹凸が異なりますね。      その疑問です。変な疑問をもつ人間だ、などと思われるかも。。 先頭へ戻る 気象科学実験教室、一覧表 キッズの気象実験、一覧表
#520 実験52    霧吹きで息を強く吹き出すと、水位が上昇し霧ができます。    簡単な装置ですが、空気の圧力や流れの性質を理解する実験です。    水位が上昇することを観察し、その理由を考えます。    流れの中に周りの空気が吸い込まれていく。積乱雲が上昇するとき周りの空気を巻き込みます。    この巻き込み現象をエントレインメントと言います。    entrainなる言葉は、軍隊を列車に乗せる、流れに乗る、の意味があります。    霧吹き、アスピレーターの原理でもある。電車を待っているときの空気の流れにも感じられる。 #521 実験タイトル=エントレインメント #522 実験の狙い=エントレインメントの不思議に気付かせる    
霧吹きの水が吸いあがってくる。吸い上げる力は何だろうか。
   
#523 実験装置の製作 and/or 準備    ・容器、ストローで手製の霧吹きをつくる。(既製品でもよい) #524 実験の実行と結果    ・容器に水を入れ、1本のストローを二分し、一方Aの半分くらいを     水につけ、半分は、水面上に首を出しておきます。他方Bのストロー     でその首先付近をめがけて、強く息を吹きます。容器の水は吸い上げ     られ、霧状になって飛散します。 #525 実験を効果的に行うための工夫、注意点等    ・首の部分で流れが速くなるよう、ストローの先端を絞ると良い     でしょう。又、水面から、ストローAまでの高さが余り高いと     水は上がってきません。容器は、ガラスコップでも、ジュースの     空き缶でも何でも身近な入れ物でOKです。Aを別の細いパイプに     変えてみると、余り力を出さなくても、霧ができます。 #526 実験の解説 and/or 関連実験    ・ポイントとなる論理は、下記のベルヌーイの定理です。この定理がそのまま適用可能でしょうか。    1/2・ρ・Va2+ρgh+Pa=1/2・ρ・Vb2+ρgh+Pb なる定理の式において、水面を押す力は、    Pbです。気圧Paが低下すれば、気圧差ΔP=Pb-Pa の水位上昇となります。    この式を適用すべき流体は噴出される空気です。高度、密度一定と仮定。    噴出し口aと同じ高度のはるか離れたb点において考えます。空気はaからbまで動きます。    a点、b点での気圧はそれぞれPa、Pb。a点、b点での速度はそれぞれVa,Vbで、Vb=0です。    従って、気圧差=ΔP=Pb−Pa=1/2・ρ・Va2 =空気の運動エネルギーの増分、となります。    容器内の水を吸い上げる力の大きさは分かるとしても、その力はどこから出てくるでしょうか。    ベルヌーイの定理を適用できる部分と、できない部分があることについて、    図を描いて考える必要があります。     #527 【追加実験、考察等】    ・気象空間では、高速の流れのある所は、ジェット気流です。ジェット    の下にある空気は吸い上げられます。ここで上昇流が励起され、この    上昇流は、高層で発散し、従って下層では低気圧になります。高層の    大気の流れと下層の空気が円直流によりカップリングされ、大きな空気    の循環が形成され、低気圧の発達につながります。    ・積乱雲の周辺の気流と熱の流れの概念図です。    
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#530 実験53    虹或いは虹相当の光学現象は、気象空間に時々見られます。私の虹に関する実験は、    太陽光線のあるときに学校の教室や自宅の室内の天井や壁、スクリーンなどに水を    使わないで作ります。PCやプロジェクターも使わないで、しかも部屋の中で結構大    きい虹が出来ます。部屋一杯の大きな虹を作ってみよう。    こんな虹が出来ました。(部屋は少し暗くしてあります。) #531 実験タイトル=大きな虹を作る実験 #532 実験の狙い=無色透明な光の中に色があることの不思議に気付かせる    
大きな虹の中に入って遊びます
   
大きな虹の中に入って遊びます
   
太陽光線で作った虹は遠くまで映ります
   
#533 実験装置の製作 and/or 準備 ・講師があらかじめ製作した虹作成装置を使います。    ・教室の窓のカーテンを引き、室内を暗くします。  #534 実験の実行と結果 ・光源として、太陽光線を使います。    ・太陽の角度に応じて、プリズム及び反射鏡の角度を調整し、天井や壁に虹を投射します。    ・水を使わなくても、円形の虹が天井や壁などに投射されます。    ・虹の光の中に入ると、単色光を見ることが出来ます。 #535 実験を効果的に行うための工夫、注意点等    ・太陽光線はとても強いので、明瞭な虹ができやすいです。 ・曇りや雨の時には、代替的光源として、光量ははるかに少なくなりますが、     LEDライトを利用します。    ・子どもたちは暗い教室内で壁に投影された虹をつかもうします。     その時、床に這わせた電源ケーブルに足を引っかけないよう注意します。    ・光線の方向、プリズムの角度、鏡の角度に応じて虹ができたり     まったくできないこともあります。虹が投影される方向も壁や天井など     さまざまになります。 #536 実験の解説 and/or 関連実験 ・雨上がりの空に虹が見えることがあります。    ・空気中に水滴が浮遊していて、この浮遊している水滴がプリズムの代わりに    なっています。    ・光が水滴(プリズム)の中を通過するとき、波長に応じて屈折の角度が異なり    分光されて見えます。 光の屈折の実験はこちら→N0
光の屈折     ・空気中の雲も水滴です。この雲(水滴)が太陽光線を受けて、幻日と呼ばれる     光学現象を発現することがあります。    ・コップに水をいれて光を投射すると、影の中に虹色の模様ができます。 #537 【追加実験、考察等】     虹のひとつひとつの色は連続的な色のスペクトルの中に見られます。     この虹のスペクトルの中にカメラを設置すると、「単色光」が撮影できます。         
分光された光のスペクトル
   
単色光(クリックすると大きくなります)
    
      
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#540 実験54    何気ない地表面が、一見水を含んでいないように見えても、    地震の時には、地中から砂まじりの水が噴出することがあります。    噴出させるのは難しいですが、砂の中に埋設物代わりに醤油さしを埋め込んでおき、    どのような現象が生じるか、実験してみましょう。 #541 実験タイトル=液状化現象 #542 実験の狙い=液状化現象を起こす
砂に水を含ませ、砂の表面を突き固める
固まった砂の表面
全体振動後、水の浸み出し&醤油さしの浮上
#543 実験装置の製作 and/or 準備 ・ペットボトル、砂、水、醤油さし #544 実験の実行と結果 ・ペットボトルに砂と水をいれる。    ・水量は砂の表面が濡れる程度にする。    ・ボトル全体に上下左右の振動を与えます。    ・砂の表面に水が浸み出してきます。    ・砂の層は全体的に流動化します。    ・砂の中に醤油さしを埋め込んでおくと、全体をゆすった時に、砂の表面に現れてきます。 #545 実験を効果的に行うための工夫、注意点等 ・水量は試行錯誤して、全体を揺らせた時の水の浸み出し具合をみて決めます。 #546 実験の解説 and/or 関連実験 ・表面近くの砂は、固体同志のマサツ力によって、お互いに外部からの強い力に抵抗します。    ・しかし、全体に振動が加えられると、水が砂と砂の間の隙間に入り込み、全体的に流動化します。    ・固体だけであった表面の砂は水を含み、重力に引かれ、下方に移動し、下方にあった水を押します。    ・すなわち、砂まじりの水が下方の水に圧力をかけることになります。    ・加圧された水は、逃げ場所がない時、上方へ浸み出してきます。    ・醤油さしは、砂や水に比べて比重が小さいので、水や砂から浮力を受けて、浮上します。     関連実験として、 実験33、
密度成層を作るの実験を参照してください。 #547 【追加実験、考察等】 ・レイノルズのダイラタンシーとよばれる粘性流体の挙動に関連しています。    ・粘性流体は加える力の強弱によって硬くなったり、ドロドロした状態になったりします。    ・写真は、水を含んだドロドロの状態の砂と、同じドロドロ状態の砂をかたく握って力を加えた後の状態です。
水を含んだ砂、流動的です。
砂をかたく握った後、ごつごつした感じの形状。
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#550 実験55 川や池の底から砂を含んだ水がボコボコ湧き出している様子を    見かけることがあります。「湧水」です。    この湧水の様子を観察するため、湧水装置を作ってみましょう。 #551 実験タイトル=湧水装置を作る #552 実験の狙い=湧水の噴き出す様子を観察する
湧水装置、全景。給水部分、サイフォン、湧水池が見える。
湧水池。湧き出し口が中央部に、まわりに砂がある
湧水池。水と砂がボコボコ湧き出している
#553 実験装置の製作 and/or 準備 ・ペットボトル、ビニールチューブ、砂、水    ・ペットボトル底部を切りとり、ビニールチューブを通して、湧水池とする。    ・湧水池には、湧水口が隠れる程度に砂を入れる。    ・もう一本のペットボトルに水を入れ、給水装置とする。 #554 実験の実行と結果 ・ビニールチューブの他端を給水装置につなぐ。     このとき、給水装置から湧水池への水の注入開始は、サイフォンの原理を利用する。    ・水が湧水口から湧き出し、砂とともにボコボコ吹き出します。    ・本物の湧水のようにみますす。  #555 実験を効果的に行うための工夫、注意点等 ・砂はできるだけ、濁りがないようによく洗っておく。    ・湧水池への給水チューブに砂が入ります。目の細かいしかも水を通しやすい布きれを     フィルター代わりにして、湧水の噴出口をカバーするとよいでしょう。 #556 実験の解説 and/or 関連実験 ・この実験は、
実験61、間欠泉 と同じく噴水の実験です。 #557 【追加実験、考察等】 ・日本各地、世界各地に湧水があります。    ・湧水の存在は、環境状態の良否を示すバロメーターではないか、と私は考えています。    ・富士登山の帰途、JR三島駅の南西方向にある柿田川の湧水を見る機会がありました。     以下ごく一部ですが、そのときの写真です。大変きれいな水で、公園内にはそのまま     ひしゃくで汲んで飲めるようにしてありました。
柿田川、湧水している様子。直径5m程の円筒の
中央部から水と砂がボコボコ湧き出している
柿田川、湧水。
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#560 実験56    日常生活において「方角」を必要とすることは、あまりありませんが、    サイエンスの世界の実験においては、正確な方角を必要とする場合があります。    どのようにして、正しい方角を決めるか、いろいろありますが、筆者が行っている方法をご紹介します。 #561 実験タイトル=真の南を決める #562 実験の狙い=方角を正確に決める方法を体験する #563 実験装置の製作 and/or 準備 ・太陽+糸+5円玉+板+時計    ・5円玉を糸で結ぶ。これを2組用意する。 #564 実験の実行と結果 ・作っておいた2組の5円玉と糸を、晴れた日に、水平な板の上でたらすと、2つの糸の影ができます。    ・観測地点における、緯度、経度からその地点のその日の太陽の南中時刻を     別途求めておきます。     実験60、雲の高さを測る の#606にも記述してありますが、下記web Site を利用すると南中時刻が求められます。
    位置の計算→国土地理院の地図を表示する。地図をクリックすると、北緯・東経が数値で表示される。 
    角度の計算→緯度・経度の数値を代入して→方位角、距離を求める。
    時刻の計算→国立東京天文台(緯度・経度を入力して、その地点での日の出入り、南中時刻を求める。)
    地図や方角の話→地図や方角などの用語解説
   ・その時刻における上述の2つの影が一致した方向が「真」の南北方向になります。 #565 実験を効果的に行うための工夫、注意点等 ・影を落とす板は水準器で正しく水平にします。    ・板は、風などにとばされないよう、地面や壁、塀、しっかりした三脚などに固定しておくとよいでしょう。    ・糸と5円玉でなくても、「鉛直」な影ができるものなら何でも利用して下さい。     建物や塀は通常鉛直に立っているので、その影をうまく利用することが考えられます。 #566 実験の解説 and/or 関連実験 ・太陽の南中する時刻における太陽の方向がその地点の「真の南」になります。    ・真の南が決定できれば、真の東西南北、すべての方角が決定できます。 #567 【追加実験、考察等】 ・この実験は、実験57、日時計を作る の基礎となる実験です。    ・なお、方位磁石の磁針は、真の北よりも6°程度西方向に傾いています。この角度は、「偏角」と呼ばれています。    ・夜間においては、北斗七星やカシオペアなどの星座を見て、北極星を見つけ、おおよその北方向を決めることができます。 先頭へ戻る 気象科学実験教室、一覧表 キッズの気象実験、一覧表
#570 実験57    日時計を作ってみましょう。    そして、地球が動いていることは時計だけでなく、気象現象の形成にも大きく    影響していることにも言及します。 #571 実験タイトル=日時計を作る #572 実験の狙い=地球が動いていることを考えるきっかけとする
地軸と水平面の関係の概念図
丹沢山系、大山、阿夫利(あぶり)神社境内の日時計
日時計、左の写真の各部分の説明
#573 実験装置の製作 and/or 準備 ・板、ボール紙、つま楊枝 ・板に押しピンで穴をあけ、つま楊枝を突き刺す。    ・つま楊枝は鉛直に立てます。    ・ボール紙をその地点の緯度に等しい角度で三角形に切り抜きます。    ・板上のつま楊枝に、三角形に切り抜いたボール紙をテープで貼り付け固定します。      #574 実験の実行と結果    ・三角形のボール紙の方向を、「真の南北」方向に向けます。    ・三角形のボール紙の影が時刻とともに板上を回っていきます。 #575 実験を効果的に行うための工夫、注意点等 ・板は水平に設置します。このため、水準器を使って調整します。      (水準器は、100円ショップでスケールに付いたものが売られています。) #576 実験の解説 and/or 関連実験 ・太陽による影が回っていくように見えるのは、地球が回転しているためです。 #577 【追加実験、考察等】 ・地球が回っていることは、気象現象、たとえば台風や低気圧などの渦巻の回転方向を形成する     原因になっています。物理学や力学の世界では、「フーコーの振り子」が、地球の回転を示す     ものである、として、各地の科学館などで設置、展示されています。     フーコーの振り子は、見かけの力としてのコリオリの力とも密接に関連しています。     詳細は、
実験74、フーコーの振り子 を参照して下さい。    ・自転軸と公転軸のなす角は、地球の公転軌道面と地球の赤道面のなす角であり、赤道傾斜角(或いは     自転軸傾斜角)とよばれ、理科年表によれば、23.44°です。     赤道傾斜角は、また地軸の傾きでもあり、この傾きによって四季が生じ中緯度の地方において顕著です。     北緯23.44°の緯度線は北回帰線と呼ばれ、この緯度線上では夏至の日に太陽が天頂を通過します。     北緯66.56°以北と南緯66.56°以南は、北極圏あるいは南極圏と呼ばれます。これらの地域においては、     夏には白夜となり、太陽が一日中地平線上にあることとなります。冬には極夜となり、太陽が一日中     地平線下にあることとなります。      先頭へ戻る 気象科学実験教室、一覧表 キッズの気象実験、一覧表
#580 実験58    新聞の天気図を切り抜いて、日々の天気変化や風の向きなどと対応させながら見ると    随分と「気象の実力」、さらには、自然の現象に対する観察力がつくのではないか、と思っています。    気象を学ぶ第一歩は、まず、晴雨等の天気の変化を見る、風の向きを感じる、温度を体感する    ことにあると思います。    このため、子供たちにとっては、身近にある新聞の天気図を使うことをおすすめします。 #581 実験タイトル=新聞天気図 #582 実験の狙い=天気の変化を体感し、天気図に親しむ    (朝日新聞、2008年11月10日、夕刊から引用) #583 実験装置の製作 and/or 準備 ・新聞を用意する。 #584 実験の実行と結果 ・夏休みや冬休みに、継続的に(ある一定期間、毎日)切り抜き、ノートに貼り付ける。 #585 実験を効果的に行うための工夫、注意点等 ・ノートには、天気図を貼る以外に、その日の天気、風の向き、気温、感想等を記入します。 #586 実験の解説 and/or 関連実験 ・天気図上の高気圧から吹き出す風と低気圧へ流れ込む風が、天気や気温に     大きく影響していることを把握します。    ・自分の頭上の天気とどのように関係しているかを考えます。 #587 【追加実験、考察等】 ・観察で得られた結果を専門の気象予報士に見てもらうとよいでしょう。    ・天気図の見方を気象予報士から教えてもらうとよいでしょう。    ・テレビで放送される天気予報や、天気図などにも目を向けてみます。 先頭へ戻る 気象科学実験教室、一覧表 キッズの気象実験、一覧表
#590 実験59    NHK第2放送で気象庁予報部の気象通報が発表されます。    気圧、風向、風速等です。放送を聞いて、等圧線や前線を描いてみます。    等圧線は交差しない一筆書きのようなものです。結構難しい場合があり、    また、さまざまな疑問に遭遇することもあるでしょう。    地上天気図は、多くのことを語ってくれます。特に、地上の気象現象は、上層の大気の流れと    密接に結びついています。高層大気の力学的な話題も重要ですが、先ず、地上天気図をみて、    大気の構造を頭脳空間に展開してみてください。 #591 実験タイトル=ラジオの気象通報 #592 実験の狙い=等圧線を引いて見て、高気圧や低気圧の空気が実際に存在することを認識し、          天気の予想に役立てる。 #593 実験装置の製作 and/or 準備 ・ラジオ、白紙の天気図、鉛筆 #594 実験の実行と結果 ・NHKの第2放送(9:00,16:00,22:00JST に放送)を聞く。    ・観測地点ごとの気圧と風向をメモ用紙書きとめる。    ・1000hPa と 1020hPaの等圧線を引いてみる。    ・天気図から得られる情報、判断・予測される天気の状況と現在の自分の頭上の天気を対比してみて、     その相違の原因を考えてみる。  #595 実験を効果的に行うための工夫、注意点等 ・一筆書きの要領で、1000hPaの点をつなげてみる。    ・次に、1020hPaの等圧線を引いてみる。    ・慣れてきたら、4hpaごとの等圧線を引いてみる。    ・線は交差しないこと。  #596 実験の解説 and/or 関連実験 ・等圧線は必ず閉曲線となります。    ・高気圧、低気圧の存在が浮かび上がります。    ・そして、風向が定まります。    ・風は、高気圧・低気圧いずれの風でも温度や水蒸気を運搬します。    ・その温度と水蒸気が地域ごとの地形の影響を受けて、地域特有の気象現象を生じます。  #597 【追加実験、考察等】 ・手製の白紙の天気図を用意しました:
ラジオ天気図を描くために:NHK の気象通報を記録するための記入用紙です。(筆者作成の記入用白紙です。)
ラジオ天気図を描くために:NHK の気象通報を解析するための白地図です。(筆者作成の記入用白紙です。)
気象解析の結果や途中状況を地図上に描くためのワークシートです。(筆者作成の記入用白紙です。)
    大きな書店等に、記入用の白紙の天気図が販売されています。
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