赤外線放射温度計

Return home ためしに天頂に向けて温度を測ってみると。。 Originated: 2006-09/10, Last updated: 2006-09/10
■ 赤外線放射温度計を用いると、物体の表面温度を計測できます。 工業用として多用されています。 但し、大気の温度に関しては、そこからの放射エネルギーが小さいので 計測できません。尚、液体の表面温度の計測は可能です。 物体表面からの放射エネルギーを測定する場合、 対象物自身のエネルギー+中間にある大気の放射エネルギー +対象物によって反射されている太陽等の放射エネルギー、が考えられます。 これらが、どの程度の割合かは、その測定環境(周りの条件)によって異なるでしょう。
■ 放射率: 身の回りの多くの物体、物質の放射率は、0.9〜0.95の間にあり、 温度計の工場出荷時の初期値としては、たいてい0.95に設定されています。 放射率は物質によって異なるため、測定対象物の材質に応じて、 放射率を設定しなおす必要があります。 ・黒体   放射率=1.00  (自ら最も多く放射する) ・土    放射率=0.92--0.96  ・砂    放射率=0.90 ・コンクリート  放射率=0.94 ・アスファルト  放射率=0.90--0.98 ・ガラス板  放射率=0.94 ・雪    放射率=0.825 ・水    放射率=0.92--0.96 ・氷    放射率=滑らか0.96、粗い0.98 ・樹木   放射率=0.5--0.70  ・布    放射率=黒0.98    ・紙    放射率=黒0.94、緑0.76、赤0.7--0.90、白0.72、黄色0.92--0.94 ・皮膚   放射率= 0.98 ・鏡面体  放射率=0   (自らは放射しない、周囲からの熱を完全に反射する)
■ 大気の吸収率に関して:  ・CO2, H2O, O3 等吸収率が異なるが、「窓領域」(波長8〜12μm)では、  吸収されない。   ■ ガラス越しに温度を測るときの そのガラスの透過率に関して:  ・石英の透過率は、80〜90%、  ・シリコンの透過率は、50%弱   (波長によって異なるが、ザックリ言った場合です) ■ 受光(検出)素子は:  ・InGaAs  ・Si  ・Ge  ・PbS  ・PbSe  ・Insb  ・HgCdTe 等があり波長により、検出能力が異なります。 ■ 温度計測のほかの用途としては、 例えば、  ・水分測定(物体表面が湿っていると、乾燥時よりも温度が低い)  ・流れの可視化(空に向けて、計測すると、時々刻々温度が変化している) 等が日常観察できます。
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