一般気象学輪読会 (#01 : 1999.02.13)
#01 001-01-010 [質問名:水の分子量が18.02となる理由] #01 002-02-020 [質問名:大気組成の割合が高度80kmまで同じであることの理由] #01 003-02-023 [質問名:温度極大高度が50kmであることの理由] #01 004-02-023 [質問名:オゾンの低緯度から高緯度への輸送のメカニズム] #01 005-02-028 [質問名:電離層に3つの極大電子密度が存在する理由]
#01 001-01-010  [質問名:水の分子量が18.02となる理由]

質問    分子量とは何?    酸素の分子量32  水素 2.02    水の分子量(H2O) 18.02−−−どうしてこの数値になるのか? -------- ----------- ------------ ------------------ 解答 ・あらゆるものは、分子から構成されています。    その分子は、1モルあたり6x10の23個の粒をふくんでいます。   ・その粒の合計重量を分子量といいます。   ・酸素分子は32グラム、水素分子は2グラムとなります。    分子は、原子にわかれます。酸素原子1つ=16グラム、水素原子1つ=1グラム、    水の分子はH2O即ち、酸素1つ、水素2つから構成されるので、    重量は 16+1x2=18グラムとなります。           参考文献:「図解雑学 化学のしくみ」小川邦康・大矢浩志、p.32、38、70、116、、     ・ ものの構成=分子−>                原子−>                   −>原子核−>陽子/中性子/−>クオーク−>??)                  −>電子)  ・ PV=nRT の式の意味するところの説明。           nモルの気体が、PTの下で、体積Vを示す時の関係式です。           比例定数(気体定数)をRとしています。同書p.124   ・ 1モルとは、6.02X10の23乗個の分子または原子があつまったもの。            同書p.116ー118         原子1モルには、6.02X10の23乗個の原子が含まれている、         分子1モルには、6.02X10の23乗個の分子が含まれている、           という表現をします。     ・ どんな種類の気体でも、同じモル数のとき、P、Tが同じなら、同じVとなる。p.118     ・ そして、O度C、1気圧の時、22.4リットルとなる。 p.118 ・ メンデレーエフの元素の周期律表。原子量順、似た性質の元素が周期的に表される。 P.74       Heのたて列は安定な元素です。 参考: ・ 大気と言う分子はない。これはO2、N2等の混合気体です。       平均分子量が組成重量比又は容積比で計算出来ます。     ・ この、大気のなかに水蒸気H2Oがはいってきて、気象に変化を与えます。    
#01 002-02-020  [質問名:大気組成の割合が高度80kmまで同じであることの理由]

質問          高度80kmまで乾燥空気の化学成分の割合が同じなのは何故か。 -------- ----------- ------------ ------------------ 解答 参考文献:同書p.20     ・水蒸気およびオゾンを除く。      ・重力により分離される。しかし、80km位までは、攪拌作用により上下混合化される。      ・第9章のいろいろの形態の運動による、とある。     ・しかし、鉛直方向の運動についての明確な記述がみあたらない。 (対流圏、成層圏・中間圏、熱圏において3つの風系ある。???? これらが鉛直方向にいかなる運動をするのか????) ・「ロスビー波、重力波、潮汐波」が鉛直方向の大気粒子の移動に関係している???? 佐藤の意見: 地球半径6000km、大気上端まで100km。この60:1のスケールに        おいて、一様であると言う発想のほうが自然だと思うことが、大事かも知れません。  
#01   003-02-023  [質問名:温度極大高度が50kmであることの理由]

質問 オゾン密度の極大が高度25kmなのに、温度の極大は50kmになる事の説明として、 2つあげられているが、1つ目の説明が理解出来ない。     ・1つ目:下から3行目、「太陽紫外線が大気中を通過する際、上層のオゾンにまず吸収されて      次第に弱まりながら下層に達するので、加熱率が極大になるのは、、、なるからからである」     ・2つ目:下1行目、 熱容量は空気の密度に比例、高度と共に急減。 -------- ----------- ------------ ------------------ 解答 参考文献「成層圏オゾン」島崎達夫著、p.5, 1.太陽紫外線が、上層オゾンに吸収され、次第によわまり下層に達するので、       加熱率が最大になるのは、オゾン密度が最も大きい高さ25kmより若干上になる。 2.また、温度は正味の加熱量(加熱分から冷却分を差し引いた残り)を比熱で除したものに       ほぼ比例するが、大気の比熱は密度に比例して高さとともの急にちいさくなるので、       温度の極大は、ずっと高い所の50km付近に生ずる。  注意!! : 教養の気象学p.20に、「加熱率は50km付近で極大となる」と記述あり。 「加熱率」を「気温」または「オゾン層の温度」などと読み替えるほうがよさそうです。 参考  : ・物質は密度が小さいと熱容量が小さい。その場合、暖められやすく/さめやすい。        ・O/O2/Mの三体衝突(三体結合反応):        ・チャプマン機構:        ・光化学平衡:加熱率及び冷却率が、CO2による15μm付近の赤外放射により、          熱力学的メカニズムが平衡している。???? ・加熱率 :単位時間に気層に加えられる熱を熱容量で割ったもの.        ・成層圏界面:上述の気温が極大になるたかさが、成層圏の上限で、成層圏界面と呼ばれる。        ・対流圏界面:温度の減少率が100mにつき0.2度以下になる最低の高さのことです。        ・熱容量  :物質の温度を1K上昇するに要する熱量(エネルギー)のこと:mCp 
#01 004-02-023  [質問名:オゾンの低緯度から高緯度への輸送のメカニズム]

質問               オゾン層(およそ25km)と気温極大層(およそ50km)が紫外線の吸収域によって違うと いうことは漠然と分かりましたが、オゾンの低緯度から高緯度への輸送(p.25)について、    どういうメカニズムになっているかを教えて下さい。 -------- ----------- ------------ ------------------ 解答 [成層圏オゾン」島崎達夫著、p.125ー133、同書p.125の図      ・大気大循環で、「ブルーワー・ドブソン循環」と言う流れがあり、高度50kmに達します。     ・この流れが、成層圏において、オゾンを輸送します。
#01 005-02-028  [質問名:電離層に3つの極大電子密度が存在する理由]

質問    電子数密度の高度分布において、何故極大値がE層、F1層、F2層と3つもあるのかが 分かりません。 P.29には、紫外線を多く電離させている上層と空気密度が大きい下層 の双方の兼ね合いで、極大値ができていると言うような記述があるのですが、そのような 理由だったら、極大値は一つでいいと思うのです。    また、その後の記述では”紫外線で生成された電子が、電子を失った分子、原子と衝突し、 もとの分子、原子に戻ると言うことも起こっている”とありますが、これが極値が3つ ある理由のようにも思えないのですが、、、 -------- ----------- ------------ ------------------ 解答 各種の参考文献をみましたが、分かりません。    (大気電気学p.5、理科年表p.766、宇宙と地球の化学p.70の図)    ・EとF1は極大がハッキリしない。    ・Dは太陽光のある 昼のみ、Fは夏の昼のみF1F2に分かれる。    ・EFは昼夜通じて存在する。 参考 : ・光電離 : 紫外線によりイオン化する。      ・光解離 : 原子に分解すること。