一般気象学輪読会 (#06 : 1999.04.24)
#06 001-05-116 [質問名:太陽のコロナからの放射を考えるべきか、又コロナは黒体か] #06 002-05-132 [質問名:成層圏の温度を決定する要素は何か] #06 003-06-161 [質問名:境界層における気体分子の運動量の交換相手] #06 004-06-141 [質問名:コリオリの力を判りやすく説明して下さい] #06 005-06-147 [質問名:コリオリの力:新幹線走行において、何故軽くなるかを説明して下さい]
#06 001-05-116  [質問名:太陽のコロナからの放射を考えるべきか、又コロナは黒体か]

質問 1.P.116 問題5.2及びP.117 問題5.3の解説で、P.117の8行目以下に   「太陽の全放射量から決めた温度と、ある特定の波長の電磁波(色)から決めた温度が    多少違うのは、光球内では深さによって温度が急激に変化し、いろいろな深さからの    放射が地球に達しているため」とありますが、光球より更に上方にある高温のコロナ   (200万K)もありこちらの方は考えなくてよいのか。    一般的には、光球からの放射エネルギーだけで太陽定数が決定されていますが、    コロナは黒体と考えていないということなのか教えてもらいたい。 -------- ----------- ------------ ------------------ 解答 ・ 問題5.3は、波長0.475μmを放射するとしたときの、黒体の温度を求めています。   その限りにおいては、問題の解答はこれで十分であると考えられます。   (題意の放射の発進地は特に問うていない様にみえますが、、、) ・ コロナを黒体と考えるべきか否かは、あまり問題にならないのではないでしょうか。   なぜならば、問題5.2においては、「地球が受ける放射は、、」とありますので、   その放射がどこから来たのかは、問題にはしていません。   強いて言うならば、コロナも黒体の一部と考えてもよいのではないか、と思います。   また、ご質問中、「光球からの放射エネルギーだけで太陽定数が決定されていますが」と   ありますが、問題5.2にはその様な表現は見受けられませんが、、、  追記) なお、[温度が多少違う]のは、問題5.2と問題5.3とで、用いる式が異なることも     関係しているかも知れません。
#06 002-06-132  [質問名:成層圏の温度を決定する要素は何か]

質問 1.P.132 図5.8で、観測のグラフと放射対流平衡のグラフが上空10km以上の 成層圏でズレが生じている理由、つまり成層圏は放射と対流以外の別の要素がその温度 を決定する要素としてあるはず。その要素とは?    -------- ----------- ------------ ------------------ 解答 ・ 放射対流平衡のグラフは計算値です。   また、「実線」は、観測値、実測値のようですが、これは標準大気です。   実測したと言っても、やはり計算値の様なものです。 ・ 以上の理解を前提としたとき、どのような計算が行われたかがポイントになります。   佐藤には、解りません。 ・ なお、成層圏や中間圏には、対流圏下層からの「重力波」によるエネルギー伝搬があるようです。  (例えば、成層圏突然昇温に見られます) 
#06 003-06-161  [質問名:境界層における気体分子の運動量の交換相手]

質問 1.P.161 図6.19について、L9〜L10. 「ここは上方から伝達されてきた運動量にとっては底なしの沼である。」の記述の意味が 判りません。    -------- ----------- ------------ ------------------ 解答 ・ 物体が異なる物体と衝突するとき、両者の運動量の合計は保存されます。   題意の場合、物体の一方は微小な大気粒子であり、他方は地球です。   大気粒子同士の運動量も合計が保存されつつ、交換されます。   終局的には、無限に大きい地球にあたえられ、そのとき大気粒子の運動量は0となります。   地球にあたえられた運動量は、地球を動かすことには殆ど寄与せず、(摩擦)熱として、   消散して行きます。「底なし沼」は、地球のことを例えたものと考えられます。
#06 004-06-141  [質問名:コリオリの力を判りやすく説明して下さい]

質問 1.P.141〜P.145 「コリオリの力」について、分かり易く説明して下さい。 -------- ----------- ------------ ------------------ 解答 ・ 物体が、絶対空間座標に対して慣性運動しているとき、その座標系にたいし、   相対的に回転している座標系で観測するとき、現れてきます。 ・ 静止している物体に、コリオリの力を考える必要はありません。 ・ 高低気圧の渦巻きは、大気の収束・発散の気流が絶対座標系にたいしては直線運動をしていても、   その運動を地球の様な回転している座標系で、流れを観測すると、コリオリ力により曲げられて   いるように見えます。 ・ 例えば、高気圧の渦巻きの気流の発散状況は、これを地球外の絶対座標系で考えてみると、   渦巻きでなく、放射状に見えるでしょう。 ・ 誰も力を加えることなく、あたかも、誰かが力を加えて曲げた様に見えるので、その力を   「みかけの力」と言います。 考察 : パラドックス−−>地球外の気象衛星から撮影した台風の写真は渦巻いている。何故か?      ・気象衛星の存在する座標系を考える事。      ・地球上の風(気流)は、その速度を絶対座標系から見るとき、       地表面に相対的な風ベクトルと、地球の回転による地表面での接線速度ベクトルの        合成ベクトルを考える必要があります。
#06 005-06-147  [質問名:コリオリの力:新幹線走行において、何故軽くなるかを説明して下さい]

質問 P.147 問題6.4 「コリオリの力」について、新幹線が東西方向に走行する時、 何故体重が軽くなるのか、説明して下さい。 -------- ----------- ------------ ------------------ 解答 ・ 地球渦度の水平方向のベクトルが、寄与している様ですが??です。