一般気象学輪読会 (#09 : 1999.06.12)
第8章の内容は、第2版では、大幅に変わっています そうは言っても、旧版には随分参考となる部分があります。両方読むと良いでしょう。 #09 001-08-225-xxx[質問名:レーダーエコー図8.19のCuM等の添え字S、M、Wは何ですか] #09 002-08-225-xxx[質問名:レーダーエコー図8.19の伝播の減衰の影響は補正していない] #09 003-08-226-xxx[質問名:雲と降水のパターン図で降雨バンドの構造はどうなっているのですか] #09 004-08-227-xxx[質問名:降雨バンドがシアベクトルに平行とは? ] #09 005-08-207-xxx[質問名:ロール状対流の生成] #09 006-08-209-216[質問名:レーダーエコーの境界] #09 007-08-210-xxx[質問名:成熟期後半になるとどうして氷粒子の濃度が増加するのか] #09 008-08-213-216[質問名:マルチセル型のストームが発生するときの気象状況] #09 009-08-211-216[質問名:成熟期にある対流セルの雲頂高度] #09 010-08-216-219[質問名:スーパーセル型のストームが発達する気象状態と対流圏中層の湿度] #09 011-08-215-xxx[質問名:オクラホマの巨大雷雨図 の主旨が分かりません] #09 012-08-225-xxx[質問名:レーダー図 MxM7.5km CuM8.0kmの意味] #09 013-08-227-xxx[質問名:温暖前線の降雨バンドと寒冷前線の降雨バンドの構造は何か] #09 014-08-225-xxx[質問名:強い対流が起こるための成層の条件:条件付き不安定vs絶対不安定] #09 015-08-227-xxx[質問名:降雨バンド断面図の見方がわかりません] #09 016-08-211-216[質問名:マルチセルとスーパーセルの発生条件はどのように違うのでしょうか] #09 017-07-186-187[質問名:傾圧大気の図の説明がわかりません]
#09 001-08-225-xxx[質問名:レーダーエコー図8.19のCuM等の添え字S、M、Wは何ですか]

質問   ・1. レーダーエコー図8.19       Cu S 9.2km MxM 7.5km Cu M 8.0km MxW 4.8km のS、M、Wは何ですか。 -------- ----------- ------------ ------------------ 解答 ・レーダーエコー図の添え字S、M、Wはエコー強度:Strong,Middle,Weakか???

#09 002-08-225-xxx[質問名:レーダーエコー図8.19の伝播の減衰の影響は補正していない]

質問    2.図の説明の一番下の行       「手前前方にある雨雲による伝播の減衰の影響は補正していない」        とはどういうことですか。  -------- ----------- ------------ ------------------ 解答 ・レーダーの電波は雨雲により吸収されると考えられます(?)。  その影響を補正していないこと、を言っています。
#09 003-08-226-xxx[質問名:雲と降水のパターン図で降雨バンドの構造はどうなっているのですか。]

質問   ・ 温帯低気圧に伴う雨    1.雲と降水のパターン図8.20とp103図4.20鉛直断面図を比べると      前線背後のバンド  広い寒冷前線バンド  暖域内のバンド      が図4.20にはないのですが      各バンドの構造はどうなっているのですか。 -------- ----------- ------------ ------------------ 解答 ・温暖前線に伴う降雨バンドの鉛直断面図が8.21にあります。 ・下層の水蒸気流入、上昇流の存在。高度2kmにてエコー強度大。さらに、過冷却水滴。さらに  上層の対流セルでの氷晶生成。 などを、見て取って下さい。
#09 004-08-227-xxx[質問名:降雨バンドがシアベクトルに平行とは? ]

質問   ・ 温帯低気圧に伴う雨    2.P.227L4 シアベクトルに平行とは?        -------- ----------- ------------ ------------------ 解答 ・シアとは一般的には、風速が高度によって異なる状態を指します。 ・図8.21から類推すると、高度3−6kmの風のシアベクトルの存在域は、  上層の氷晶の下降域の様です。その下降域にそってバンドが形成されている、  のではないかと思います。
#09 005-08-207-xxx[質問名:ロール状対流の生成]

質問   ・ 図 8.4でアルミ粉がどうして上昇流の下にたまるのか、   ・ また、日本海筋雲ができるところはロール状対流の上昇流の上部にできると理解して     よろしいか。   ・ 流速の高度分布はロール状対流の生成にどういう役割をしているか分かりません。 -------- ----------- ------------ ------------------ 解答 ・アルミ粉がどうして上昇流の下にたまるのは、そこが収束域でるからです。 ・日本海筋雲はロール状対流の上昇流の上部にできます。 ・流速の高度分布、即ち、速度変化の存在は大気の渦回転を生じます。  その渦回転の軸が風向に平行になってロール状対流の生成に結びついているようですが、  定説は未確立のようで、詳細は分かりません。 参考:浅井著、ローカル気象学p.108
#09 006-08-209-216[質問名:レーダーエコーの境界]

質問   ・ 図 8.7で対流セルの輪郭とレーダーエコーの境界は一致しない理由として     どういうことが考えられますか。 -------- ----------- ------------ ------------------ 解答 ・対流セルの外側部分からの反射波がレーダーエコーとして映っているようです。 ・レーダーでは、対流セルを一つ一つ識別出来ないと考えられます。
#09 007-08-210-xxx[質問名:成熟期後半になるとどうして氷粒子の濃度が増加するのか]

質問   ・ 図 8.8の(f)で、消滅期になるとどうして氷粒子の濃度が大きくなるのか     分かりません。 -------- ----------- ------------ ------------------ 解答 ・「対流セルの一生」の数値実験モデルがどのようなものかは分かりませんが、  モデルでは成熟期後半になると(消滅期ではなく)、気塊全体の温度が低下し、  水滴の過冷却状態が一層促進され、水滴−−>水蒸気−−>氷粒子へ、  の図式が想定され、氷粒子の濃度が高くなったと推定します。
#09 008-08-213-216[質問名:マルチセル型のストームが発生するときの気象状況]

質問   ・ 図 8.10の説明で、     2行目から「ストーム全体としては対流圏中層の一般風より右にズレて動く傾向があり」     この説明として、「マルチセル型のストームが発生するときの気象状況はたいてい対流圏     下層では南よりの高温高湿な一般風が吹いている」からとありますが、どうして     南より風が吹いているのか、南より以外も考えられるのか。     もし、考えられるなら、そのときは中層の一般風よりどの方向にズレるのか。 -------- ----------- ------------ ------------------ 解答 ・対流圏下層での南よりの高温高湿な一般風の存在を一つの前提として、  マルチセル型のストームが発生するようです。  ・例えば、北よりの風の場合、高温多湿にはなりにくいであろうと思います。
#09 009-08-211-216[質問名:成熟期にある対流セルの雲頂高度]

質問   ・ p.211 L7    「n-1のセルは成熟期にある対流セルである。すなわち雲頂高度は最高の高さに達し」、     とありますが。n、n−2、n+1のが高いように図8.9に書いてありますが如何ですか。 -------- ----------- ------------ ------------------ 解答 ・本文のように、n−1が最も高い様にみえますが、、、
#09 010-08-216-219[質問名:スーパーセル型のストームが発達する気象状態と対流圏中層の湿度]

質問   ・ p.216 L7     「スーパーセル型のストームが発達する気象状態では、対流圏中層の湿度が低い     のが普通」とありますが、これはどうしてでしょうか。 -------- ----------- ------------ ------------------ 解答 ・第2版p.219 によれば、「対流不安定度が強い」とあります。
#09 011-08-215-xxx[質問名:オクラホマの巨大雷雨図 の主旨が分かりません]

質問   ・ p.215 オクラホマの巨大雷雨図8.12 の主旨とするところが分かりません。   ・ 下降気流域は何を示唆しているのか分かりません。 ・ 水平の風ベクトルの1格子間隔が20ms-の見方も分かりません。 -------- ----------- ------------ ------------------ 解答 ・主旨は、巨大雷雨の実測と数値実験結果を対比したものですが、      作業目的が状況把握だけなら、実測値で十分でしょうが、      現象の理論的解明のためには、数値モデルが必要となりますので、そのためでしょう。 ・下降気流域は、前方からの流入空気を上方へタタキ上げる役割を持つので、その位置を      示した者でしょう。 ・格子間隔20ms−1は、c、d図でよく見ると四辺の内側に目盛りがあり、この1目盛りが      風速矢印の長さの基準としている様です。即ち1目盛り=20ms−1の意。
#09 012-08-225-xxx[質問名:レーダー図 MxM7.5km CuM8.0kmの意味]

質問   ・ p.225 福岡レーダー図8.19 MxM7.5km CuM8.0kmの意味が         分かりません。 -------- ----------- ------------ ------------------ 解答 ・7.5Km等の数字部分は、雲の高度です。中間のMは?です。(中位の強さMiddleの意か?)
#09 013-08-227-xxx[質問名:温暖前線の降雨バンドと寒冷前線の降雨バンドの構造は何か]

質問   ・ p.227 L1 温暖前線の降雨バンドと広い寒冷前線の降雨バンドの構造が殆ど同じとあり     ますが、同じ構造とは何ですか。 -------- ----------- ------------ ------------------ 解答 ・ 前出の質問 : #09 003-08-226-xxx を見て下さい。
#09 014-08-225-xxx[質問名:強い対流が起こるための成層の条件:条件付き不安定vs絶対不安定]

質問   ・ p.225 L8 強い対流が起こるためには大気は条件付き不安定な成層をしていなければ     ならないとありますが、絶対不安定はだめですか? -------- ----------- ------------ ------------------ 解答 ・絶対不安定でも、勿論「対流」が発生します。  しかし、絶対不安定の状況は、大気塊中に水蒸気がなくても発生しますが、  条件付き不安定は、大気塊中に水蒸気が含まれていることがその特徴です。 ・その水蒸気の凝結の潜熱により、LFC以上より高い高度で、大気は自励的に上昇し、  強い対流となります。
#09 015-08-227-xxx[質問名:降雨バンド断面図の見方がわかりません]

質問   ・ p.227 降雨バンド断面の図8.21 の見方がわかりません。 -------- ----------- ------------ ------------------ 解答 ・同様質問: #09 003-08-226-xxx を参照して下さい。
#09 016-08-211-216[質問名:マルチセルとスーパーセルの発生条件はどのように違うのでしょうか]

質問   ・ p.211-217 マルチセルとスーパーセルの発生条件はどのように違うのでしょうか? -------- ----------- ------------ ------------------ 解答 ・マルチセルもスーパーセルも、一般場の風のシアが強い場合に発生します。  両者の違いを決定付ける要因は何か、よく分かりませんが、下記を参考として下さい。   ・マルチセルは、対流セルが規則的に組織化されている。        一つのセルは横10km、高さ12kmくらいである。        下層に高温多湿の南風の吹き込みがある。        下降気流が、次々新しいセルn+1を誕生させる。        個々のセルは、対流圏中層の一般場の風に流され、南端に新たなセルが誕生する。 ・スーパーセルは、巨大な10〜40kmくらいの1つの雲の塊である。        著しい、3次元的流れがある。        単一の上昇気流域と下降流域を持ち、その場所が異なっていて、         寿命が数時間継続する。        ストーム全体が回転している。        米国のトルネードはスーパーセルのフックエコー部に発生する。        トルネードは親雲の中で3重構造をしている。        対流圏下層&ストーム先端部で、強い上昇気流となり、対流圏上層に運ばれる。        スパーセルの特徴であるフックエコーの所に10〜20ms−1の強い          上昇運動が起こっている。        対流圏中層の湿度は低く、対流不安定となっている。        冷たい下降気流は、地表面付近で流入してくる暖湿な風と衝突し、          陣風線を形成する。
#09 017-07-186-187[質問名:傾圧大気の図の説明がわかりません]

質問   ・ p.186 図7.19 傾圧大気 図の説明がサッパリわかりません。 -------- ----------- ------------ ------------------ 解答 ・同様質問があります: #08 001-07-186-xxx を参照して下さい。 ・等圧面と等密度面が平行なとき、順圧。  交差するとき、傾圧と言います。 ・傾圧を維持するための力は、コリオリ力と浮力のバランスにとるものです。 (傾圧性を維持できるメカニズムをクリヤーに説明した文献が見受けられないのは残念です)