一般気象学輪読会 (#10 : 1999.06.26)
第8章の内容は、第2版では、大幅に変わっています #10 001-xx-156-...[質問名:温度風 大循環 試験問題関係の暖・寒] #10 006-xx-230-...[質問名:雲の発生 偏東風波動 熱帯低気圧の発生] #10 010-xx-246-...[質問名:動径速度とは? 角運動量 台風の運動エネルギー]
#10 001-xx-156-...[質問名:温度風  大循環  試験問題関係の暖・寒]

質問 温度風の説明 p.156L9   ・(温度の水平傾度があるために、地衡風が高度とともに変化している−−−対流圏内では南北 方向の温度傾度は中緯度に集中しているので、中緯度地帯の上空で偏西風が最大になる) p.53 鉛直断面図   ・風速最大値は200hPaの辺りにあるが、温度傾度はもっと下の層の方が大きい。(40N) 温度傾度の大きい700hPaの辺りに風速最大値が出来ないのはなぜか? p.???   ・計算式 地衡風Vg=−g/f・ΔZ/Δn ΔZ:二点間の高度差 温度風VT=−g/f・Δh/Δn Δh:層厚差 実際の偏西風を計算するとVg=VTになるか?   p.173図7.6   ・ハドレー循環の上層の南風が30N付近でコリオリ力で右へ曲げられる(西風)と 下降流がなくならないか? ・フェレル循環の上層の北風はコリオリ力で右へ曲げられて東風にならないか?(実際は西風) p.183図7.16   ・気圧の谷軸の東側で暖気の上昇、西側で寒気の下降であるが、圏界面付近の暖・寒は どういうことか? *試験 平成10年2回・学科専門・問8との関連は?((b)(c)(d)) -------- ----------- ------------ ------------------ 解答 ・地球の南北の南(低緯度)ほど、気温が高い。従って、温度傾度、気圧傾度が大となる。 上空ほどこの傾度が大であるため、地衡風の風速が大となります。 <−−−以上は、基本的な考え方ですが、次のようなケースがありますので、???です。 ・???ご質問の通りですね。??? ・温度風の式は ΔVT/Δh=−1/f・g/T・ΔT/Δn Δ:微分量 です。ご確認下さい。温度が入っていないと「温度風になりません」。 式の意味、式の前提条件をご確認下さい。式をひとり歩きさせない様に願います。 ・下降気流について:一つ一つの大気粒子の動きがわかると良いのですが、あいにく分かりません。 しかし、例えば、中緯度高圧帯のように下降気流があることは間違いないようです。 ・この図面は、「質量輸送」を示そうとしたもののようです。 ので、風速に関しては、余り厳密な議論は出来ない様です。第2版では削除されています。 代わりに、質量輸送に撤した図形が掲載されています。 ・「暖・寒」は相対的な表現ですが、圏界面付近の「暖・寒」は、圏界面が下降してきて その結果、周りに較べて「暖」となります。 試験問題の(b)は、支援センターの解答では、正解になっていますが、議論の余地が あるように思います。(全層にわたって、暖気移流であることは分かりますが、下層に強い 暖気移流があって低気圧が発達、と理解していますので。下層はどの様になっている のでしょうかね。又、上層の強い暖気移流は、それがいかなる結果をもたらすことになるの でしょうか、気象庁に聞いてみると良いかも知れません。私にはbが誤答のように思えます。)
#10 006-xx-230-...[質問名:雲の発生  偏東風波動  熱帯低気圧の発生]

質問 p.230L8   ・オキーチョビ湖とその周辺に雲が発生しないのは何故か。 p.233L図8−26で   ・−0C−はなんですか? 又、湿球温位の値が図の中でたくさんありますが、 何故湿球温位が必要ですか。 p.242L8   ・熱帯の対流圏下層には偏東風波動がありとありますが、偏東風波動について説明して下さい。 またどうして西に伝播するのですか。 p.245L3   ・熱帯低気圧がよく発生する海域は一般場の風の鉛直シアが弱いこと、渦度が下層で大きいこと 上層を伝播する波動との関連性とありますがこの理由を説明下さい。 -------- ----------- ------------ ------------------ 解答 ・上昇気流の発達条件如何によると考えられます。地表面の方が早く熱せられるためであろう、 と考えらます。 ・摂氏0℃のことでしょう。以前にも同様質問がありました。 ・何故湿球温位が必要ですか−−>本文には、説明が見当たりませんので、想像ですが、、、、 湿球温位なので(同一気圧高度での比較が出来ますので)、高度にかかわらず 含有水蒸気量の比較が可能となり、さらに熱力学的に検討が可能となります。 即ち、湿潤大気としての温度比較が出来ます。−−>安定性の検討につなげる?? 水蒸気量だけの記載では、エマグラムなどで熱力学的検討をするには、情報不足です。 ・?ですが、位相が西へズレていく様です。 ・?ですが、大気は順圧に近い状態にあります。従って鉛直方向のかぜのシアは殆どありません。 しかし、かぜの水平方向のシアは存在します。その水平方向の風のシアが大きな渦度を 形成する様です。
#10 010-xx-246-...[質問名:動径速度とは? 角運動量  台風の運動エネルギー]

質問 p.246 最後の段落   ・動径速度の定義を分かりやすく説明して下さい。 p.250-->251??-L4より次頁へかけて   ・この例題の計算式を教えて下さい。 p.248図8.38に関して、p.249L3-L4に「..台風全体のエネルギーとしてみると29日に最大..」    とありますが、どのようにしてエネルギー最大と判定したのですか。 -------- ----------- ------------ ------------------ 解答 ・動径速度とは半径方向への運動の速度です。 ・地球自転による角運動量+相対的な角運動量の和が保存される。 ただし、ローカルな場合はrω=一定と考えて良い。 渦度の場合の話と同様です。−−>絶対渦度が保存される、ということ。 ・運動エネルギー=1/2・mvの2乗 です。 図8.38を半径方向に積分すれば、29日が最大になるのでしょう。