エマグラム : |
「エマグラム」
「エネルギーの表現」
・ 「力、距離」により仕事量を表すことができますが、
これを、気象の場合に当てはめれば、大気の圧力と高度が
決まれば、エネルギーを表現出来ることになります。
・ 大気の単位質量当たりのエネルギー状態を図表化したものが
お馴染みのエマグラムです。(Energy per unit mass diagram)
・ 縦軸が pでなく、 Rlogpになっている理由は、
大気の状態曲線と上層下層にはさまれた四辺形の面積でもって
その大気の位置エネルギーを表そうとするためです。
以下のように考えるとよいと思います。
・ 静水圧平衡の式
△p = −ρg△z より、
g△z = −1/ρ・△p
・ 上式を微分の形に置き換えると
gdz = −/ρ・dp
= −(RT/p)dp
= Td(−Rlogp)
(ここで、logxの導関数は、1/xであることを利用)
(エマグラムの縦軸と横軸の乗算表示になりました!)
・ 高度z1からz2まで積分すると、
上式左辺は g(z2−z1) となり、
単位質量当たりの位置エネルギーを
右辺は Integ.Td(−Rlogp)
四辺形の面積をあらわす。
(ここで、Integ.は積分の演算を意味します)
(上記計算式は、正野重方著「気象学総論」、p.100
を参考にさせて頂きました。)
EMA1.GIF
エマグラムは、
大気のネルギー状態を表現するとともに、
大気の安定性判別、
湿度の計算、
雲頂高度・雲底高度をもとめる、
アンビル、積乱雲、好晴積雲の予想、
最高気温の予想
等にも利用できます。