1999年11月10日(水)
 

< コンビニ >

近所の酒屋さんが、最近コンビニエンス・ストアをオープンした。

17年前にここへ引っ越してきた時、その当日から4軒程の酒屋さんから「御用聞き」
に来られた。
「酒屋さんの多い所だなァ」と驚きつつ、我が家から一番近いお店に決めて、ずーーと
おつき合いさせてもらっている。

歩いて買い物に行くには20分はかかるし、毎週決まった曜日に注文を聞きに来てもらう
のは便利なので、お米・お酒・灯油などは、決まって購入していた。
酒屋さんもそれで十分商売になっていたようだ。

ところがその後、世の中は変わってしまった。
近くに「安売りス−パ−」なるものが出来、お米もお酒も酒屋さんで買わないようになっ
てしまった。

家族数が皆少なくなり、留守の家が多くなった今、御用聞に回っても成果はないし、かと
いって店で待っていてお客さんが来てくれると言う訳でもない。

そこで、店主は昨年来、週に一回、中央市場へ買い出しに行き、車に積んで各戸を回り、
移動販売なるものを試みていた。
それなりに、決まったお客さんは出来たものの、それだけではやっていけない。

そこで、一大決心の末、冒険ながら今の世に合わせたコンビニ経営となったのである。
 

チェ−ン店である以上、決定までに厳しい調査があり、決定してからは泊まり込みで3週間
も講習がある。
元の店はその間、当然営業も出来ない。

しかもその講習の厳しい事!朝から晩まで詰め込みで、 明くる日にはそのテストがあるとか。
「もう頭パンクしそうだった!」と聞く。

そういう厳しい関門も無事通り、店も完成し、いざオープン!
今日で3週間目くらいだが、ヤムを得ず毎日お弁当を5万円分廃棄していると言う。

なんて事でしょう!
訳を聞けば、開店後しばらくは、数千種類の商品を何ひとつ品切れにしてはいけない。
何故なら、求める商品が切れていて、別の商品を代わりに買って行かれると、正確な売れ筋
が分らないから。

その店の地理的な特徴、環境の違いによって、商品の売れ行きは随分違うので、個々の店の
売れ筋が掴めるまでは絶対品切れは許されない。
それゆえ、大量の「賞味時間切れ」が出来てしまって、「廃棄」と言う事になるのだ。

勿体ないからと言って、賞味時間の過ぎたものを人にあげたとしても、もしそれで中毒患者な
どがでれば、全国のチェ−ン店の信用を落とす事になるから、許されない事なのだそうだ。
 

以前、ハンバ−ガ−店でアルバイトをしていた人から聞いた事であるが、その場合は、お客様
に待たずに買って頂くために作っておくハンバ−ガーを、数分毎に捨てていくという。
注文聞いてからでは時間がかかるし、作って何分か経ったものは、味が落ちるからだそうだ。

それはお客さんのためとはいえ、あまりに勿体ないのではありませんか?
その無駄は結局、価格に反映されていると思うし、何と言っても「食べられるものを捨てる」
と言う事に抵抗が有りますね。

便利さを求めるか、無駄をなくすか・・・
難しい問題ですね。。。
 
 

                        
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