寒天の天日干し
 

1999年12月9日(木)
 

< 寒天作り >

我が家からちょっと北へ車を走らせると、下阿古谷という村がある。
そこでは明治18年からずーーと、同じ方法で寒天が作られている。

車で通り掛かるといつも気になっていた。
降りて、乾燥中の寒天を見ていると、ちょうどその家の方が見えたので、お話を伺った。
「昔は寒天作りの家が何軒もあったのだけど、今はうちだけになりました」
明治の頃は、冬の寒い時だけ作っていたけど、今は固めるのに冷蔵庫を使うので、一年中
作ってますよ。」
「でっちようかんの材料になるが、大部分は京都へ卸されてます」
とのこと。

作業場にも入り込んで見せて貰ったが、キビキビ働く青年の姿にはとても感激した。
辺り一面に、材料のテングサの匂いがしみついている。
明治時代からの釜や、桶や、道具類には、ひからびた寒天がいっぱいこびりついている。
みんな電動や、機械ではなくて、使いこなした木製品なのが値うちもの。

この伝統と、若者との組み合わせがとても良い。。
仕事の邪魔とは知りつつ、質問する私に作業の手は止めないで、ニッコリ笑顔で、明解に
答えて下さる態度も非常に気持ちがよい。

何か心満たされて帰途についた。
 


                        
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