JTU競技規則<改定案と補足説明と事例集>
第7章 ランニング(ラン)競技規則 第34条(安全の確保)
第34条(安全の確保)
- (交通規則の順守)
コース役員あるいは表示看板などによる指示がない場合は、交通規則に従い競技を行うものとし、つねに安全確認を怠らない。
- (左側通行・右側追い越しの原則)
- コースの左側を「キープレフト」を守り競技する。
- 追い越しは、前走者の右側から行う。
補足説明
- コース全域にスタッフを置くことは出来ない。そのため、競技者には同ルールが適用される。完全規制のオープンコースであってもキープレフトは守られるものだが、窮屈な適用はしなくてもよいだろ。
- 信号が点滅している場合は、赤の点滅では一時停止して安全を確認する。黄色の点滅では、停止の必要はないが確認義務がある。これが、交通規則である。
状況例
- 先頭ランナーの前を白バイ2台が先導し、テレビカメラが前面から肉薄する。大画面の映像が、フィニシュエリアの観客席に伝えられる。マーシャルは、ランナーを斜め後方から追う。競技者は、規制されたコース両サイドの大観衆を避けるようにややセンター寄りを走る
判断例
- 独走状態であり、観客が手を差し出している。「安全のため」センター付近を走ることは容認されるだろう。
第34条(安全の確保)
- (危険行為、進路妨害の禁止)
- 危険行為、進路妨害をしてはいけない。
補足説明
- 一般にランでの危険行為は少ないが、競って併走しているとき肘が当たる、あるいは、追い越すときに意図せずに相手のシューズを引っかけてしまう。これらは、決定的なダメージを与える。
選手権レベルでのトップ集団には、マーシャル監視が要求される。
状況例
- ワールドカップで残り100メートルで3人のスプリント勝負となった。コース幅は5メートル。1人は一歩遅れる。2人が併走する。残り10メートルで、後続が追い上げる勢いを見せたが、前の2人のため追い抜けなかった。
判断例
- 運営面から、コース幅5mは十分(最終フィニッシュラインは、3−5mは確保)。
- 本件は、特別な異議もなく、競技者が最終スプリントでの作戦ミスであり、納得の行くレースと判断される。
第34条(安全の確保)
- (エイドステーションでの進路妨害・減速義務)
- 第3章第14条3項で定めた通りである。
- エイドステーションでは事前に左端に寄り(削除:速度を落とし)飲食物の補給を受ける。飲食物は、スタッフから直接受け取る場合と設置された物を自ら取り上げる場合がある。
- 受け取る方式の場合:事前に「左手を水平に挙げ、声を出し」スタッフへの注意を促す。
- エイドステーションでの受取の失敗は、競技者の責任である。
補足説明
- トライアスロンの伝統として「受け取り方式」が一般的である。スタッフのうまい下手があり、選手権レベルでは、「取り上げ方式」のほうが良い、とする見方がある。
- スタッフが十分にいる場合は「上記事例3)」を励行し、失敗を競技者自身が防ぐ。
- スタッフの不慣れから失敗して、その後に影響するのであれば「設置式」が良い。その場合、スペースをたっぷり取る必要がある。ミスの場合を考え、ダブルに設置することも検討したい。
- エイドステーションの場所の案内、表示案内は事前に発表する。
状況例
- 昔、フランスの大会で、米国選手が、「ウォーター」といくら叫んでも水を渡してもらえないということがあった。
判断例
- 主催者は、これらを防止するためのスタッフ教育が必要である。競技者は、フランス語で水と言えるくらいの勉強はして臨んでほしい。
- ITUでは、国際言語を英語とし、主催国の言語と併用する。事例のようなことは、ITU大会では起こってはいけない。

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