JTU運営規則<改定案と補足説明>
第8章 ランニング競技(ラン)
第27条(ラン・コース)
- 交通事情と競技環境に対応し、関係各機関そして競技団体と協議のうえ、片道、往復、周回コースを設定する。
- 交通規制により一般車両が入り込まないことが望まれる。最終的には関係各機関との調整により決定する。
<補則>
世界選手権では、完全交通規制を実施する。公認国際大会では、片側の完全規制が必要である。
- 競技コースは、所轄省庁の許可により設定する。交通事情などにより道路上を走れないときは、自主警備員を配置し、走路を正しく表示して自転車専用道路や歩道をコースとして設定する。また、河川敷などの不整地をラン走路に使用することも可能とする。
<補則>
コースの幅員は、一方通行の場合には最小2m、両方通行の場合は5m以上を基本とする。
- 安全を確保する競技有効面積が必要である。交通規制、コース幅などにより競技有効面積が足りないときは、ローカルルールにより対応する。
- バイクコースとの並走は認められる。十分な幅員を確保し、セイフティコーンなどによりコースを区分する。
- 距離表示は、競技距離他の諸条件を考慮し、基本として1〜5qおきに設置する。総合フィニッシュ地点には、横断幕などを設置し遠方からの識別を明確にする。
- エイドステーションの数は、第14章による。
補足説明
- ランコースの設定と運営基準は、バイクから比べたら穏やかといえる。ここでの要点も、コース設定により大会区分そして報道体制などに制約が生まれることである。
不十分なコースで選手権レベルの開催は避けたい。
- トライアスロン競技が、与えられたコースをバランス良く走り、勝利につなげるかがレースの見どころとなる。
しかし、直進からUターンやコーナーに入るときは、足首に負担がかかりやすく、コース設定の段階で試走を繰り返し、できるけ緩やかな走行ラインを設定することが必要である。
事例
- アジアの大会で、ランナーがバイクを対面で見えるように、バイクと逆走するコース設定がなされた。バイクは左、ランは右という状況である。コース幅が比較的広いこともあり、コース区分はない。
バイクボトルを取ろうとしたバイク競技者が、ふらつきランナーに接触した。幸運にも転倒せず、そのまま競技を続けられたが、一つ間違えると大ケガにつながるケースであった。
第28条(ラン競技の安全管理)
- コース上の障害物・危険物は、競技開始前に撤去する。コース上の車両駐車は混乱の要因である。事前の告知によりこれを防止する。状況によりレッカー車などで撤去する。
- コース上の危険箇所(交差点、道路状況不備、急坂、急カーブなど)とその手前(50〜100m地点)に注意看板や誘導員を必要に応じ配置する。
- 交通規制状況により、一般車両と競技コースの区分が十分にできないときは、所轄機関の指導によりセイフティコーンなどを設置し安全を確保する。
- 所轄機関の指導を受け、自主警備員がコース監視にあたる。自主警備員は、大会スタッフとして認識しやすいユニフォームを着用する。
- ラントランジションの周辺や出入口は、フェンスやセイフティコーンで区分し、競技用具を守り競技を確実に運営する。
補足説明
- 上記の安全管理は、すべからく交通規制状況により管理密度が変動する。完全規制、片側規制、規制なしなどにより対応が変化する。
- ランとバイクが同一方向に並走する場合は、キープレフトを守らせるためのマーシャル体制が強化されなければならない。
一方、ランを右側通行としバイクを左側とすると、双方が認識しあえる利点が生まれる。
事例
- 二人の選手が並走して走っている。歩道側の選手が観客の腕に触れた。ほんの少しよろめいただけで、そのまま走り去っていった。
このようなことはランがバイクに比べスピードがないため、観客が安心していることから起こることが多い。また、スイム、バイクで疲労が重なったランナーは、意識が低迷していることにもよる。ランコースでもできるだけコースを仕切ること必要となる。

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