パンフより

2000年1月8日(土)
 

< ファイト・クラブ >

この映画、とても後味が悪かった。
とにかく半裸での殴り合いばかり。

ブラッド・ピット演ずるタイラー・ダーデンは、”ファイトクラブ”を設立。
次々とクラブに参加して来る男達は局限まで素手で殴り合う。

タイラーと偶然知り合ったジャックは、典型的なアメリカのヤッピー。
一流企業に勤め、高級マンションに暮らすが、不眠症に悩んでいた。

しかし、しだいに暴力に魅せられ、肉体の痛みを通して、始めて生きている実感
を取り戻す。
 

新聞での、映画評論では、

「物を消費することでしか豊かさや幸福を実感できない人々。絶対的な価値観も生き
方も見失い、閉塞感だけが漂う社会。そんな現代の病を、ジャックに託して痛烈に皮
肉っている。」

「現状を突破するには暴力しかない、とタイラーは言う。 暴力肯定のメッセ−ジ
に見えるが、実はその逆だ。むしろ暴力がはびこりやすい社会の危険を訴えている。」

と述べられている。

それにしても・・・だ。

何も暴力だけではないだろう。
もっともっと、素晴しいことに生きがいを見いだせないものか。。。

ところでこの「ファイトクラブ」の原作者は、オレゴン州ポートランドに住む運送会
社の整備工。
コインランドリーやジムで、時にはトラックの車体の下でクリップボードにはさんだ
紙に書きながら3ヶ月間で完成させた小説だそうな・・・

監督フィンチャーの言葉「『ファイトクラブ』は、去勢と狂気に関する考察である。」                 

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