ビンに詰められたばかりのお酒!

1999年11月1日(月)
 

< 呉春 >

池田に用があって出かけたが、フト気になって、酒蔵「呉春」まで足を伸ばした。
板塀に囲まれた、昔ながらの家の造りが、なんともいえず良い。
門の前には、車がいっぱい停まっている。みな酒屋のマーク入りの軽トラックだ。

車の側に立っている人に、「呉春の方ですか?」
「いーやァ、わたし酒仕入れに来ましてんがな」

「配達して貰いはらへんのん?」
「あきまへん、あきまへん、ここは一切配達しまへん。皆こうして買いに来まんねん。
それもなじみの店にしか売ってもらえまへん。」

「ヘーッ!、それで何してはんの? 外でうろうろして・・・」
「丁度うちの注文の酒が出来たとこでんねん、ホレこの金のラベルの特吟ですわ。」
 

おりしも、手押し車に乗せられて、特吟が運ばれて行く。
社長さんも自ら、手を添えて・・・
社長さんも、お酒を運ぶ人も、それを買いに来た人もみんなみんな、出来たてのお酒をいかにも
慈しむ風情で、わが子を見るようにニコニコされている。
見てるだけで、しあわせーーな気分になる。
 

わたしもつられて一緒に倉の中まで入る。
「社長さん、この倉、年季が入ってますねーー、いつ頃建ったんですか〜〜?」
「明治の始めやろ」

社長さんは、お酒の置き場所指図して忙しそう。コレ以上喋ってたら「アンタ邪魔やで」
と言われそう・・・
その前に退散退散。。

もう一度、酒蔵の奥から運ばれて来る方をのぞくと、プ〜〜ンとお酒の良い香り!

何十年も何百年も昔と、同じ光景をみている様な不思議な気がした。
 

                        
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