家の横手に落ちた実から               地下室の前
 

1999年11月4日(木)
 

< ピラカンサ >

我が家を建てて間もない頃、知人が手みやげにピラカンサのかわいい鉢植えを持って来てくれた。
盆栽仕立てで、鉢も小さい。木の高さは、20センチくらいかな…

人から頂いたものを、枯らしてはいけないと思うと気が気でない。
こんな小さな鉢では、水やりを忘れたり、旅行で家を明けたりすると一貫の終わりだ。

そこで、目につく玄関先に地植えにした。
それから17年。
どんなに大きくなった事か!!

植えた本人もびっくり!
今や、私の背丈の2倍はあるから3M以上あるだろう。
否否、大きくなりすぎるので、何度も枝を払い、門を開ける妨げにならないようにしている。
自然のままにしていたら、もっともっと大きくなっていただろう。

春に真っ白な花で覆われ、そのあと実になると、秋から冬にかけて長い間、真っ赤な美しい実
を楽しませてくれる。
 

面白い事に、どう言う訳か毎年実の付き方が違う。
小さな実がびっしりとなって、葉の存在も分らぬ程になる時もあれば、数は少なくても大きな
立派な実が成ることもある。

今年は何故か、上半分はびっしりなのに、下の方はまばらで葉ばかり。

寒さが厳しくなり、山の木の実がなくなると、ひよどり達が集団で人家の植木の実を食べに
やって来る。
このピラカンサも、「ひよどりがやって来たな」と思う間もなく、一晩で殆ど丸坊主にされてしまう。

そして、中の種を(食べかす)玄関や庭などにまき散らす。
それらから毎年いっぱい芽が出て、いつの間にか木になる。狭い庭だから抜いてしまうのだが、
石垣の割れ目の隙間から生えた分は、石の下で根を張ってしまって、どうしても抜く事が出来ない。

いっかー−、と思って置いておくと、何とこちらも最近立派な実をつけるようになった。
木が若いので、葉の緑も美しく、病気にもかからない。

片や老木の方は、うっかりするとすぐ病気になる。葉が黒くなったり、幹や枝にカイガラ虫がつい
たりして手がかかる。

人間が年ふると、それまで病気知らずで来た人(=自分の事)も、関節炎だの腰痛などにかかって
医者通いが始まるのと同じ様なものだろうか。
 

                        
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